ダウンロード数は10万回突破
東京都板橋区内の店舗で利用できるキャッシュレス決済「いたばしPay」のダウンロード数が開始から約1年で10万回を突破した。システム提供と運用を担うフィノバレーが12月18日、発表した。「いたばしPay」による支払額は延べで52億円を超えている。
「いたばしPay」は、二次元コードを利用したキャッシュレス決済ができるスマートフォンアプリで、板橋区商店街振興組合連合会(振連)と板橋区商店街連合会(商連)が運営する。板橋区内の店舗が対象で、12月時点の加盟店舗数は約1200店舗。
振連の事務局によると、店舗側は、従来の紙による区内共通商品券と比べ、管理や換金の手間が省けているという。手数料も区内信用金庫や信用組合など指定金融機関の口座の場合、振込手数料が無料となる点も魅力のようだ。
商工業振興施策の一環で、区は2023年度補正予算にキャッシュレス決済振興事業費として、5億2700万円を計上する。22年度補正予算では約2億7500万円だった。「いたばしPay」での支払いの場合、振連や商連に加盟する中小個店は10%、非加盟は5%、店舗決済額が還元される仕組み。上限は10万円。購入者側にも、23年12月1〜31日の支払いを対象に中小個店での買い物は30%、大型店では10%を還元する。上限は1万ポイント(1万円相当)。
フィノバレーによると、直近の目標は、紙の商品券の取り扱い店舗数である1500店舗超えという。振連は、「店舗側も利用者側も高齢者であるなどして、デジタルへの抵抗感が課題のひとつ。双方を対象に出張相談に乗るなどしており、24年1、2月にも実施する予定」という。
23年9月には、1日あたりの規定の歩数に到達すると「いたばしPay」で使えるポイントが付与される制度も開始。約3カ月で約1万6000人が参加した。区は電気やガスの使用量を前年と比較して削減した区民や事業者へ付与する「いたばし環境アクションポイント事業」にも採用した。「いたばしPay」の公式キャラクターのコンテンツ追加やグッズ開発、キャンペーン活用などを進める計画もある。