JR東日本は1月24日、新たな交流拠点として「上野広小路口ビジョン/ポレイア広場/シェアサイクルポート」、および「PLATFORM13」の一部を開業。同日、開業セレモニーを実施する。
本取り組みは同社が2021年に発表した「Beyond Stations構想」の一環で、上野駅、秋葉原駅および新宿駅に、大規模なサイネージと一体となった駅型ショールーミングスペースを開設し、駅ならではの没入できる空間を創出するというもの。各駅のサイネージは東京都のキャップ&トレード制度等を活用し、CO₂ 排出量を実質ゼロにした「ゼロカーボンメディア」として運用。また、ビーコンなどのセンサーを設置し、情報発信やコンテンツの効果測定を行うことにより、さらなるメディアの魅力向上につなげるとしている。
今回開業する上野駅では『文化創造HUB』をコンセプトに掲げる。地域企業や同社が包括連携協定を結ぶ東京藝術大学とともに、アートや音楽、地域・生活文化、日本芸能を主軸に置いたイベントや文化創造サービスを展開する。
約50㎡のL字型サイネージ「上野広小路口ビジョン」は、3D映像と音声を組み合わせた演出を展開。開業記念として松竹と連携し、日本の伝統文化「歌舞伎」の演技をするパンダの3D映像を制作・放映。映像は歌舞伎役者の中村獅童丈が監修している。
「ポレイア広場」は、約140㎡のイベントスペースを新設。給排水設備や電気設備を整備し、上野広小路口ビジョンで放映される広告映像にあわせたイベントや、キッチンカーによる販売などに利用できる。また新たなシンボルとして「UENO」の文字をあしらったオブジェを設置。オブジェを中心に、駅舎とビジョン、広場をひとつの画面に収められるフォトスポットとして活用できる。
また台東区内でシェアサイクル事業を展開しているOpenStreet社と連携し、44台分のシェアサイクルポートを設置。地域の回遊性向上に寄与する。
全長約100mの13番線地平ホーム壁面には、プロジェクターを用いてデジタルアートを投影できる「PLATFORM13」を設置。今回、全体のおよそ4分の1にあたる約25m分を先行して開業し、東京藝術大学と小学館が運営する「藝大アートプラザ・アートアワード」デジタルアート部門の作品を投映する。全面開業は2024年5月予定。
今後秋葉原駅の中央改札外、新宿駅南コンコースにおいても順次、新サイネージの設置を中心とした改装を予定。駅空間の配置と機能を変革するとともに、JRE POINT生活圏の拡充を通じ、駅を「交通の拠点」から「暮らしのプラットフォーム」へと転換するとしている。