1カ月半ごとに模様替えとイベント実施
アーバンリサーチは1月15日、ファミリーマートとの協業で2020年に虎ノ門ヒルズでオープンした「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズビジネスタワー店」をリニューアルした。店舗の内装が大幅に変更され、什器を固定しないことで展示品の入れ替えや棚の移動が容易になった。コンビニを利用するオフィスワーカーに同社が展開するファッションやブランドを周知したい考えで、店内イベントの開催頻度を増やして集客を図る。
約580平方メートルの同店は、店内中央の大型イートインスペースを境にアーバンリサーチブランドを扱うエリア(約264平方メートル)とコンビニエリアに分かれる。アーバンリサーチエリアでは廃棄衣料をリサイクルしたアパレルやバッグのほか、オーガニックコスメやアウトドア用品などを購入可能。店内には試着室も設置されている。環境配慮もコンセプトとしており、店舗には卵の殻を再利用した壁紙や塗料が使われている。
協業はファミリーマートからの提案がきっかけで、ファッションブランドの販売や集客イベントの実施で新しい客層を引き込む狙いがあった。アーバンリサーチ側もコンビニを利用するオフィスワーカーに同社の取り組みをアプローチできる機会としてコラボが実現した。
開店当時は新型コロナの影響で在宅勤務を行うオフィスワーカーが多かったため、想定の半分以下の来店率だった。現在は平日に約5000人が来店しており、外国人観光客によるインバウンドも回復している。コロナ禍の収束に伴い集客イベントを強化するため、店内のリニューアルを実施した。リニューアル前は店内イベントを2~3カ月に1度の頻度で実施していたが、模様替えが容易になったため、今後は約1カ月半ごとに開催する方針。コロナ禍では実施できなかった大規模なイベントも実施する。
リニューアル後のイベント第1弾として「“C” for Social Good」を開催。期間は2月13日まで。「C」には「コンビニ」(Convenience store)と「選ぶ」(Choice)の意味が込められ、アーバンリサーチの環境負荷軽減につながる取り組みを紹介する。
イベントでは廃棄衣料品をアップサイクルさせたプロダクトブランド「commpost(コンポスト)」を展開するほか、日本の各地域の魅力を発信していく地域共創プロジェクト「JAPAN MADE PROJECT」より特産品の販売、不要な服を回収して再販売や寄付を行う「古着バトン」などを実施。イベント期間中は店内に古着を入れる回収ボックスも設置する。イベントの売上目標などは非公開。第2弾にはバッグをテーマとしたポップアップイベントを検討している。
廃棄衣料を活用した商品は、品質などを直接触れて確かめたいという要望が強く、同社の販売構成比はオンライン4割、実店舗6割となっている。これまでは大型ショッピングモールなどで展開してきたが、コンビニの客層は同社ブランドに初めて触れる人が多く、新規獲得につながっているという。同社販売部の阿部一久ミドルマネージャーは「リニューアル後はリアル店舗の強みをより生かしたい」と話した。