【前回はこちら】“広報”を社内に浸透するため、まず何からはじめるか
こんにちは。アークランドサービスホールディングス 広報の鈴木です。
第3回のコラムでは、広報立ち上げ時の苦労、課題となったことを振り返りました。第4回となる今回は、広報文化がないところに広報の重要さを伝え、広報を浸透させていく方法を私の経験に基づいて書いていこうと思います。
「広報の役割」を面接で説明
アークランドサービスホールディングスに入社するきっかけは、個人的に大好きでもっと必要な人に情報が届けばいいのに!と思っていた「かつや」が広報・秘書を募集しているのを見つけ、居ても立っても居られなくなったからです。
募集内容は、企業として初の広報専任者の採用であり、広報の立ち上げと公式アカウントの担当、そして社長秘書という記載だったと記憶しています。絶対に働きたいと思ったのと同時に採用してもらったら自分はどのように貢献できるのか?を具体的に考えてから応募しました。
当時使用していた手帳に、「私を採用してもらえたら何で貢献できるのか」をつらつらと書きました。世の中にとっての「かつや」の現状や、必要としている人に刺さるであろう伝えたい魅力、それを伝える手段。それにより「かつや」がどうなるのか、という内容だったと思います。
そして、その手帳を卓上に開いて面接に臨みました。広報文化がない企業が、初の広報専任者を採用するという事実と事業内容から推測するに、恐らく販促担当者よりのスキルを求めてくるのではないかと危惧していたので、広報と販促は役割が異なることと、他部署の理解や協力が必要だと面接の段階で話しておきたかったですし、絶対採用してもらいたいという思いから伝える内容に漏れもなくしたくて、手帳を見ながら面接というスタイルにしました。
当時の社長が面接してくださったのですが、私が伝えたかった事が伝わったのか伝わらなかったのかその時は分かりませんでしたが、無事に採用の連絡をいただくことができました。
新しい役割に対する社内の不安を解消する
面接の段階で言いたいことや目指す姿など話をしていたので、入社して以降も広報担当者として「選ばれる企業・店にする」を実現するために必要な要望はすべて伝えました。
この時に伝えたのは、例えば下記のようなことです。
- ①事業会社の社長や部門長が参加する会議に参加させてもらう。
- ②商品の試作会に参加させてもらう。
- ③過去の会議の議事録をすべて読む。
役職者にしか権限がないような場への参加や情報収集ができていなければ、入社したばかりの私が会社の考え方を理解することは時間ばかり要しますし、機能しないと思ったので、仕事をするために必要だとリクエストしました。
会社としては今までにない決断だったかと思いますが、リクエストはすべて叶い、入社して2週間は「③過去の会議の議事録をすべて読む」を実施しながら、「①事業会社の社長や部門長が参加する会議に参加させてもらう」や「②商品の試作会に参加させてもらう」でひたすら情報収集と会社の考え方の理解に努めました。
また、それと並行して、入社して1週間で4本、その月はプレスリリースを10本配信しました。これは試されているのかしら?と思いながらも、配信できる情報があるって幸せだなと感じていたのを覚えています。
とある新商品のプレスリリースを配信した時のことです。電話取材があったので②に参加した際に、社長や商品部の人がお客さまの顔を思い浮かべながら真面目に、でも楽しそうに開発していた様子を裏話として伝えたらふざけていると勘違いされて個別に呼び出されたのも良い思い出です。その度に私はふざけていないし、まじめにやっているということを説明して、会社にとって悪いようにはしないから、信じて任せていただきたいとお話しました。
このような経験から、社外からやってきて今までない役割を果たすのは、当事者だけではなく社内の人にとっても不安なものだということを忘れてはいけないと学びました。呼び出してくれた方々からは、応援したいと思ってくれているけど不安なんだという気持ちが伝わってきました。
広報の重要さを浸透させるには、自分の立場の押しつけではなく、相手の立場になって傾聴し、不安を解消できるように自分が広報として目指すことが伝わるようにしていかなければいけないと思いました。当時は「ひとり広報」だったので、ここから「広報チーム」を確立するまでに経緯を経たのかについては、次回お伝えしていきたいと思います。
アークランドサービスホールディングス
社長室 広報 次長代理
鈴木恵美
食に興味があり、学生時代に栄養士免許を取得。2004年に新卒で入社した弁当・惣菜チェーンでは、10年の店舗運営を経て社長秘書と能動的な広報の立ち上げを担う。プレスリリース配信やユーザー視点のウェブサイトリニューアルなど、企業やブランド認知向上に努める。2019年8月アークランドサービスホールディングスに入社。世の中に必要とされる企業を目指して、ブランドロイヤルティを高める役割として奮闘中。