新刊書籍『トレードマーケティング 売場で勝つための4つの実践』(井本悠樹著)が2月26日から、全国の有力書店とオンライン書店で順次発売します。
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トレードマーケティングは、主に小売業や卸売業で仕入れを担当する「バイヤー」や、買い物客を指す「ショッパー」を対象にしたマーケティング活動です。彼らのインサイトを深く理解し、その理解に基づく戦略・アイデアを実行することで、商品が適切に売場に置かれ、ショッパーの目に留まるための取り組みによって、売上を最大化することができます。
著者は、グローバルに展開する大手メーカーのP&Gジャパンやジョンソン・エンド・ジョンソンで、トレードマーケターとして多くのブランドの商品開発や流通戦略策定に携わってきました。これまでのキャリアで築いた知見とノウハウを1冊にまとめました。
現在、多くのマーケティングに関する書籍が発行されていますが、そのほとんどは消費者を対象にした「ブランドマーケティング」をテーマにしたものや、広告などの手法に関するものです。本書は小売や買い物客へのマーケティングに特化した、日本初の入門書です。
〈著者〉
井本 悠樹 (いもと・ゆうき)
株式会社フェズ リテールメディア事業本部 統合ソリューション部 部長
株式会社キャプロ 代表取締役社長
P&Gジャパン、ジョンソン・エンド・ジョンソンで、トレードマーケターとして20を超える新製品開発や流通戦略策定に携わり、複数ブランドでNo.1シェアを獲得。4度の年間アワード受賞などの実績を残した。2019年4月フェズに参画し、リテールメディアを活用した統合プランニングの責任者を務める。また、自身でもコンサルティング会社のキャプロを創業し、大手メーカーやD2Cブランドの流通戦略策定を支援するほか、講演や寄稿などを通じてトレードマーケティング領域の啓発に努めている。
トレードマーケティングとは
トレードマーケティングとは、「流通業(小売業・卸売業)やショッパー(購買者)を対象とし、彼らのインサイトを深く理解し、その理解に基づく戦略・アイデアを実行することで、ビジネスバリューチェーンや売場基点での自社商品の需要拡大を実現すること」です。一般的に「販促」と呼ばれている様々な活動は、小売業からの仕入れ需要を促進したり、来店したショッパーの店頭需要を喚起したりしていることから、このトレードマーケティングの具体的な戦術のひとつといえます。
「トレードマーケティング」という言葉は外資系メーカーで使われることがあるものの、まだ一般的な呼称ではありません。歴史は浅く、1980年代に、欧米での過当競争下における店頭プロモーションの重要性の高まりを背景に生まれたマーケティング領域ともいわれています。日本に入ってきたのは1990年代と考えられています。
多くのメーカーでは、これらの領域を担当している部署は「営業企画部」「営業推進部」「流通戦略部」などの呼称がついていることが一般的です。
<本書の構成>
第1章 トレードマーケティングとは何か
- ――バイヤーもショッパーも動かす「ストーリー」をつくる
- トレードマーケティングは「これから」の領域
- マーケティングの定義をおさらい
- インサイトの言語化・定量化が重要
- 顧客の定義から始まる
- メーカーと小売が重なる領域を最適化
- 4C領域の施策で「買い求めやすさ」を最大化する
- ショッパーは多重人格者である
- ブランド成長だけでなく、得意先成長の視点で捉える
- 「百戦錬磨のベテラン営業=優秀なトレードマーケター」ではない
- バイヤーもショッパーも動かす「ストーリー」をつくる
第2章 トレードマーケティングが必要とされる理由
- ――環境変化と本質的な価値
- これまでの「勝ちパターン」が通用しない
- 市場環境が変われば、勝ちパターンも変わる
- 商品販売の難易度を上げる4つの環境変化
- 販売手法の多様化とリテールメディア
- バイヤーインサイトの変化をもたらす環境要因
- 経験に頼ったプランニングは今すぐやめよう
- なぜトレードマーケティングを理解すべきなのか
第3章 【実践1】 小売(バイヤー)インサイトを理解する
- すべてはバイヤーインサイト理解から始まる
- なぜバイヤーは、あなたのブランドをサポートしたいと思うのか
- 売りたいか:あなたの商品は、小売やバイヤーの課題を解決してくれるのか
- バイヤーは常に「カテゴリー視点」で考えている
- 意思決定に影響を及ぼすバイヤーの心理的課題
- 売れるのか:ショッパーが店頭で手に取る理由を言語化する
- 市場環境の変化でバイヤーインサイトも変わる
第4章 【実践2】 流通戦略・戦術を企画する
- トレードマーケティング実践の3つのフェーズ
- なぜビジネスレビューが必要なのか
- バイヤーインサイトでビジネスレビューを「構造化」
- 「売れるのか」から、売上拡大に寄与する打ち手を導く
- 「売りたいか」から、カテゴリー成長戦略を抽出する
- 「自社レビュー」から、自社の強みを抽出する
- 「店頭レビュー」から、バイヤーインサイトを掘り起こす
- 戦略とは、限られたリソースの最適配分である
- 目的と目標、戦略と戦術、KGIとKPI
- リソース投下の「優先順位」と「最適配分」を考える
- トレードマーケティング視点の流通戦略
- KPI設計は4C領域から考える
- アクションプランで「強みの発揮」を具体化させる
第5章 【実践3】 正しく伝え、正しく伝わる
- バイヤーインサイトに基づいた表現で「伝わる」
- 「自分ごと化」させる内容で期待感を醸成
- バイヤー視点に立った言葉で伝える
- 「売上要素分解」で施策効果の解釈を伝える
- 売り込む=安心して買ってもらうこと
- 提案内容を「客観化・一般化」させ、説得力向上
- 中長期のブランド育成プランで安心感を醸成する
- 社内への配慮を見据えた伝え方
第6章 【実践4】 4つのステップで振り返る
- 「売上テコ入れ策」を連発する前にすべきこと
- 振り返りの4つのステップ
- 常にバイヤーインサイトベースで振り返る
第7章 営業担当者が身につけるべき思考法
- 優れた営業はトレードマーケティングを無意識に実践している
- マーケティングと営業の「視点」の違い
- セリングストーリーを小売インサイトで味付けする
- 小売の環境変化に対応できる営業担当者になろう
第8章 最適な組織と人材のあり方
- ――ブランドとショッパーをつなぐ唯一の架け橋に
- ブランド傘下で「企画」機能に特化させるのが理想
- バイヤーインサイトに迫る仮説構築力を磨こう
- 良い商品をショッパーに届けることが社会的価値
〈本書の概要〉
- 発売日:2024年2月26日
- 著 者:井本悠樹
- 定 価:2,310円(本体2,100円+税)
- 判 型:A5判 268ページ
- ISBN978-4-88335-589-1
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