消費者庁は3月12日、ドイツの自動車メーカー「メルセデス・ベンツ」の日本法人「メルセデス・ベンツ日本」に対して、景品表示法に基づく課徴金納付命令を出した。同社が販売する普通自動車とパッケージオプションに関して、購入時に通常では含まれない装備や機能を「標準装備」であるかのように示していた。課徴金の合計は12億3097万円。
対象商品は「GLA200d 4MATIC」「GLB200d」「GLB250 4MATIC スポーツ」と称する普通自動車と、「GLA200d 4MATIC」「GLB200d」に係る「AMGライン」と称するパッケージオプション。「AMGライン」はパーツや内装などのオプションで、取り付けることでスポーティーな見た目に変えることができる。
「GLA200 d 4MATIC」に関して、同社の冊子やWebサイトで「Equipment 標準装備」「<機能装備>」「●ダイレクトステアリング」と表示。実際は異なるにもかかわらず「ダイレクトステアリング」が標準装備であるかのように示していた。また、「Equipment 標準装備」「<機能装備>」「●サングラスケース」などと記載していたが、実際には「サングラスケース」が標準装備ではない車両があった。
「Equipment 標準装備」「<セーフティ>」「アクティブ ディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付*5)」とも表示。自動再発進機能が標準装備であるかのように表示していたが、実際には、「ナビゲーションパッケージ」と称するパッケージオプションを別途装備しなければ機能しないものであった。「*5:ナビゲーションパッケージ(パッケージオプション)を同時装着した場合は、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックに『自動再発進機能』が追加装備されます。」とも表示していたが、一般消費者が受ける認識を打ち消すものではないと指摘された。
同社は「GLA200d 4MATIC」について報告書の提出を行ったが、景表法が規定する報告に該当するものとは認められなかった。
「GLA200d 4MATIC」に係る「AMGライン」については、「Equipment」「モデル別標準・オプション装備」と題する表中で「GLA200d 4MATIC」「シャーシ」「スポーツサスペンション」などと表示。実際には「スポーツサスペンション」ではなく、「スポーツコンフォートサスペンション」と称する別種のものだった。
そのほかの車両やオプションについても、実際とは異なる「標準装備」の記載などが問題視された。「GLB200d」に係る「AMGライン」については、課徴金対象行為に該当する事実を消費者庁長官に報告したため、課徴金額を2分の1に減額した。