ジェイアール東日本企画は21日、2023年12月から2024年1月にかけて実施した「推し活・応援広告調査2023」の結果を発表した。調査によると、アイドルやタレントなどの “推し”の広告を消費者自ら出稿して応援する「応援広告」の2023年度の市場規模は推計377 億円で、前年度の約1.16倍(約52億円増)と拡大していることが分かった。
これは2023年の屋外・交通広告費の約10%とされ、出稿未経験者にも応援広告の価値が浸透していることが拡大の要因として考えられている。
「応援広告」は企業などの営利目的でなく、“推し”を応援するために、ファン同士や個人が資金を出し合い出稿する広告のこと。近年、アイドルや芸能人の宣伝や記念日のお祝いを目的として、主要駅や街頭ビジョンなどに数万円から数十万円ほどの料金を出して出稿される事例が多く見られる。
調査は、同社が2023年12月26日から2024年1月9日にかけてインターネットで実施。東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の15歳から69 歳の男女1万9202人を対象にアンケートを行った。
調査によると、“推し活”経験者の約4割が応援広告を認知しており、主催者・出資者の約 4 割が「実施後にファン同士のつながりが深くなった」と回答。一方、広告を見に行ったファンにも影響が。応援広告を見に行った人のうち、53.8%が「広告の写真をSNSに投稿した」と回答。広告の実施後、イベント参加やグッズ、CDの購入といった“推し活”の費用について「増えた」「やや増えた」と回答した人は82.9%に上った。
応援広告の主催者・出資者を対象に、広告の再実施意向を聞いた質問では、主催者の97.2%、出資者の89.8%が「あてはまる」「ややあてはまる」と回答。いずれも再実施意向が高い傾向とわかった。
未出稿者を対象にした質問でも、「応援広告に使用しても良い金額(年間)」が前年比約1.76倍の「47,000 円」という結果になった。同社によると、応援広告の価値浸透が未経験者にも広がっていると考えられ、市場拡大の要因としている。