ルミネ、タイパ重視のグルメ施設 通勤客や訪日客をターゲット

従来の女性客だけでなく、多様な客層を狙う

ルミネは4月17日、JR新宿駅改札内に新たな商業施設「EATo LUMINE(イイトルミネ)」をグランドオープンした。新宿ではファッションを中心扱う「ルミネエスト新宿」や「ルミネ新宿」などを展開しているが、今回はグルメに力を入れた施設となっている。「駅ナカ」の立地を生かし、「タイパ」重視の人にも飲食を楽しんでもらう狙い。ECが台頭する中、リアル店舗ならではの体験価値を高めるため、アパレルだけでなくライフスタイル全体の提案を強化する。通勤客や外国人客などの利用を想定しており、年商80億円を目標に掲げる。


写真 人物 集合 表輝幸社長(右から2番目)
4月17日に実施したオープニングセレモニー。テープカットを行う表輝幸社長(右から2番目)

新宿駅周辺の再開発計画「新宿グランドターミナル構想」に合わせて出店計画を進めてきたという。人流の多い駅ナカでオープンすることで、これまでルミネの施設を利用したことがない新規客を獲得する狙いもある。割引特典などがある「ルミネカード」の会員になってもらうことで、駅外のルミネ来店にもつなげる考え。今年2月にJR東日本のポイントサービス「JRE POINT」がルミネや「ニュウマン」の全館で利用できるようなったため、カード会員の獲得が進むとみている。

ルミネの利用者は20~30代女性がメインだが、イイトルミネでは通勤者や旅行者が多い新宿駅内の強みを生かし、年齢や性別に関わらず多様なニーズに応える。インバウンド需要も想定しており、施設には寿司やラーメンなど外国人に人気のカテゴリーも充実。同店限定商品なども用意し、お土産需要にも対応する。

リアル店舗ならではの体験価値を提供するため、プロジェクションマッピング演出を取り入れた自動販売機「THE BENCH(ザ ベンチ)」を導入。購入商品に関連した映像や香りなどの演出で、瞬間的に商品の世界観に入り込むことができる。競合の駅ナカ商業施設との差別化としても期待。表輝幸社長は「新宿駅は利便性や機能性の価値提供が多いが、ルミネでは非日常感を味わえる体験を提供したい」と話した。


写真 店舗・商業施設 EATo LUMINE(イイトルミネ)
グランドオープン早々、来店客が押し寄せた

場所はJR新宿駅の地下1階改札内(西改札方面)。売り場面積は約950平方メートルで、28店舗を展開している。施設内ではベーカリー、総菜、スイーツなど多様なジャンルが並ぶ。ロゴデザインは人間が集合する場所を想起させる「軒先」「ひさし」をモチーフに、カタカナの「イイト」の形で表現している。

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