交通広告・OOHに強みを持つメトロアドエージェンシーと、マーケティング・広告の専門メディア「AdverTimes.(アドタイ)」とのコラボレーションで、OOH領域の知見をより広く、深くお伝えしていく短期連載。
最終回(第5回)は、unerryの平井健一郎氏が、OOHと人流ビッグデータの掛け合わせによってできることについて解説します。
最終回(第5回)は、unerryの平井健一郎氏が、OOHと人流ビッグデータの掛け合わせによってできることについて解説します。
人流の回復でOOH広告市場は復調へ
今年2月に発表された2023年 日本の広告費(電通)では、全体の広告市場が過去最高の7.3兆円を記録しました。依然としてインターネット市場の成長が続くことに加え、特に大きな伸びを見せたのがプロモーション広告市場です。その中でも、交通広告や屋外広告、イベントを合わせたOOH市場は8,183億円(※1)となり、前年比114.1%の成長となりました。
昨年は、5月のコロナ5類移行で実質的な外出制限がなくなり、人の外出が大きく回復した年でした。観光やレジャーといったお出かけ市場も回復し、人々がよりリアルな体験の大切さを数年ぶりに嚙み締めた年といえます。
OOHはその名の通り、「家庭の外」で触れるメディア全般を指します。そのため、人の外出や人流に最も影響を受けるメディアであり、人の外出や移動の総量がそのまま媒体価値に反映される特徴を持ちます。
一方で、インプレッションやコンバージョンの計測が当たり前なインターネット広告と異なり、これまでOOHはこうしたデータの取得手段が確立しておらず、媒体の価値や効果を客観的な数字やデータで表すことが非常に難しいメディアとして扱われていました。
広がる人流ビッグデータの活用
前置きが長くなりましたが、私の所属するunerryでは、スマホ経由で取得される約3.9億IDの人流ビッグデータを保有するBeacon Bank事業を手掛けています。連続的に取得されるGPS由来の人流データから、ビーコン反応ログによる詳細の人の動きまで取得できるのが大きな特徴です。このデータを活用して、人々のリアルな行動を分析・可視化したり、行動に基づく広告配信を行ったりしています。