企業広報の戦い方を左右する「3つの風」の読み方~広報は桶屋であれ

こんにちは、株式会社はねの矢嶋です。

前回コラムでは、「広報のプロが『広報計画』を立てる前に必ずやっていること」と題し、広報計画のプランニングの前に、前提となる「戦況分析」に時間を使うことの重要性についてお話させていただきました。

今回は、改めて「戦況分析」の重要性についてお伝えしたく、もう少し補足説明させていただきたいと思います。

まず、市場・顧客・競合の状況を分析し、限られた経営資源のなかでどのターゲットに対して、どういうポジションを獲得すれば自社が競合優位性を築き、顧客の支持を得られるか、というのは広報に限らず、事業計画を立てる際やマーケティング計画を立てる際にも、共通して行うアプローチではないかと思います。

一方で、そのなかでも広報に特有の分析手法・考え方として「風を読む」ことが非常に重要である、というお話をしたいと思います。

広報は世の中の時流を捉えるプロであるべき

広報という仕事は世の中の時流を捉えて会社・事業の「追い風」にしていくことにより、企業価値向上に繋げていくのが本義であり、広報戦略を立てるうえでも、“いま風がどこに吹いているのか”=「風を読む」ことが戦い方に大きく影響します。

私がLINE・メルカリ時代、およびその後独立して様々なクライアント企業の広報戦略立案のお手伝いをさせていただくなかでも、最初に取り組むのが、自社および自社を取り巻く業界・事業領域に対する世間・メディアの関心が「追い風」なのか「向かい風」なのか、はたまた「無風=凪(なぎ)」なのか、戦況分析を通じて大局を掴むことです。

筆者作成

風の方向ごとに指針となる戦い方・アプローチが変わるため、今回のコラムではその類型ごとの傾向と対策についてご紹介したいと思います。

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矢嶋聡(はね 代表取締役/元LINE、メルカリ広報責任者)
矢嶋聡(はね 代表取締役/元LINE、メルカリ広報責任者)

早稲田大学卒業後、ネットベンチャー立ち上げ、留学、PR会社勤務を経て、2008年にネイバージャパン(現LINE株式会社)入社。検索サービス「NAVER」・コミュニケーションアプリ「LINE」の広報・マーケティングを統括。2017年10月にメルカリに転職。グループ広報責任者として現金出品問題などのリスク対応や東証マザーズ上場、新規事業立ち上げ、大型業務提携/M&Aなどの広報を統括。2023年3月末にメルカリを退社し、7月に独立し戦略広報マネジメントに特化したPRコンサルティング会社「はね」を設立。

矢嶋聡(はね 代表取締役/元LINE、メルカリ広報責任者)

早稲田大学卒業後、ネットベンチャー立ち上げ、留学、PR会社勤務を経て、2008年にネイバージャパン(現LINE株式会社)入社。検索サービス「NAVER」・コミュニケーションアプリ「LINE」の広報・マーケティングを統括。2017年10月にメルカリに転職。グループ広報責任者として現金出品問題などのリスク対応や東証マザーズ上場、新規事業立ち上げ、大型業務提携/M&Aなどの広報を統括。2023年3月末にメルカリを退社し、7月に独立し戦略広報マネジメントに特化したPRコンサルティング会社「はね」を設立。

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