博報堂生活総研30年ぶりの「若者調査」、逆転する親子の意識差

博報堂生活総合研究所は、19~22歳未婚男女を対象に、若者の長期的な意識、行動の変化の把握を目的とする「若者調査」を実施した。同研究所が、「若者調査」を行うのは、1994年以来30年ぶり。30年前の調査時は、団塊ジュニア世代が19歳から22歳の年代の時で、今回の調査では団塊ジュニアの子ども世代が対象となる。
30年前と比較し、若者の意識や行動に大きな変化が見られたのは親子・交友・働き・学びに関する項目だ。

親子関係の項目では、母親の存在感が大きな高まりを見せた。母親と共通の趣味がある若者は1994年から20ポイント以上増え、持っていない若者を逆転した。特に男性で「母親と共通の趣味がある」人の割合が増え、30年間で2倍以上に増加した。

また、「尊敬する点が一番多い相手」は母親が父親を逆転し、「自分の価値観や考え方に一番影響を与えている相手」については父親と母親がほぼ同率だった30年前に対し、母親が大きく伸長した。30年前は父親の役割とみなされていた項目も、現在では母親が担っていることがうかがえる。

交友関係では「デートをする相手がいない」若者は45.2%から67.3%と22.1%と増加。今一番欲しい人ランキングでも、恋人が優先順位を5位から10位へと大きく順位を下げた。
一方で、「自分にとって居心地のいい組み合わせ」「落ち込んだ時にそばにいてほしい人」は同性が異性を逆転し、20ポイント以上、上回った。

また、働き方に関する意識を聞いた調査ではベンチャーよりも大企業であることを重視する人が、39.1%から63.0%に増加。現在の若者のリスク回避志向の高さが見える結果に。
そのほか、学びに関する項目では「学歴で将来差がつくのは仕方がないと思う」、との問いに対して、「はい」と答えた人が30年前の46.3%から72.7%へと26.4ポイント増加。地球環境に関する意識では、「環境を考えた商品であれば、今より価格が高くても買うと思う」を選んだ人は51.9%から29.5%へ、「環境を守るためなら、今より不便な生活になっても我慢できると思う」と回答した人の割合が58.6%から36.5%へと減少していることがわかった。

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