多様なITメーカーの商品を設置しショールーム化した TD SYNNEXの新オフィス

リアルの価値が再認識される中、オフィスは企業にとってコミュニケーションツールとしての存在感を高めている。本記事ではグローバルIT商社のTD SYNNEXのオフィスに潜入し、同社のコミュニケーション戦略を紐解いていく。
※本記事は、月刊『広報会議』8月号の連載「オフィスに見るコミュニケーション戦略」を転載した内容です。
ロゴ TD SYNNEX
社名/TD SYNNEX
リニューアル時期/2024年5月
従業員数/520名(東京オフィス)

グローバルIT商社のTD SYNNEXは2024年5月、本社を東陽町から「msb Tamachi 田町ステーションタワー」に移転した。社内外のコラボレーション促進とイノベーションを生み出すオフィスづくりにこだわった。

移転に際し、各部署から横断的に選出した推進チームを結成。完成した新オフィスはハイブリッドな働き方を前提に執務エリアを縮小、イノベーションの促進とコミュニケーションの活性化を目的としたスペースを増やした。

エントランスには、ショールームと接客スペースとして使用できる「たまちのたまり場」を配置。またゲストが見学可能なサーバー室や自社が取り扱う多様なメーカーのITシステムを試用できる部屋も設けた。顧客の要望に応じ、取り扱い商材の最適な組み合わせを提案するという「ソリューションアグリゲーション」の体現の場とした。

写真 店舗・商業施設 TD SYNNEXオフィス
写真 店舗・商業施設 TD SYNNEXオフィス

エントランスにある「たまちのたまり場」は、ショールームと接客エリアの融合スペース。ショールームは各ITメーカーの商材を比較してクライアントへ最適な組み合わせを提案できる「ソリューションアグリゲーションの場」として活用されている。また展示品を撤去すればイベントスペースにもなる。

写真 店舗・商業施設 TD SYNNEXオフィス

「従業員が主役のウェルビーイングなオフィス」がコンセプトの執務エリアは、推進チームによる従業員へのリサーチをもとに設計。フレキシブルな座席配置が、偶発的な対話機会を増加させているという。

写真 店舗・商業施設 TD SYNNEXオフィス
写真 店舗・商業施設 TD SYNNEXオフィス

顧客が利用できる5つの会議室には、取り扱い商材のうちそれぞれ異なるメーカーの映像・通信機器を設置。各メーカーの商材を試せる場とし、ゲストへの商材のセールス活動につながる。会議室入口に設置された、一目で利用状況が確認できるモニターなど、オフィス内にあるほとんどの機器が自社の取り扱い商材だ。

「コロナ禍でリモートワークがメインとなりオフィスの意義が問われることもありましたが、従業員が自ら『出勤したくなるオフィス』をつくり、自社への帰属意識が強くなりました。新たなオフィスを通してイノベーションやオーケストレーション(外部との共創)が活性化することを期待しています」とGA & Internal Communications部部長の内藤雅夫氏。

また社長の國持重隆氏は「オフィスでの自発的・能動的な行動が“ソリューションアグリゲーター”としての自信を高めます。ビジネス市場における、メーカー・販売店・エンドユーザー間のハブの役割を担うことで企業価値向上につなげたい」と展望を語った。

写真 店舗・商業施設 TD SYNNEXオフィス

執務エリアはフレキシブルに座席が配置されており、従業員のコミュニケーションを促進する仕様に。またデスクは可動式で用途に合わせて簡単に移動できる。

写真 店舗・商業施設 TD SYNNEXオフィス
写真 店舗・商業施設 TD SYNNEXオフィス

外資系会社ながらもオフィス各所に「和」を感じるスポットを設置。「和」の力とグローバルとのコラボレーションを企業テーマにしていることが感じられる。

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