ゴールドウイン、高校生向けサステナ教材で「消費者教育教材資料」の優秀賞受賞

サステナビリティへの姿勢や取り組みに関する発信は、いまや企業価値の向上に欠かせない。そこで月刊『広報会議』では、サステナビリティについて効果的な発信をしている企業の広報担当者に、「反響のあった情報発信」やそのこだわりを聞く連載企画「広報担当者のためのサステナビリティ実践ノート」を掲載している。

『広報会議』9月号(8月1日発売)では、アウトドアブランド「THE NORTH FACE」などを展開するゴールドウインが推進する、次世代教育の取り組みについて紹介した。
※本記事は、『広報会議』9月号(2024年8月1日発売)の転載記事です。

スポーツアパレルブランドを展開するゴールドウインは7月3日、高校生向けに制作したオリジナル教材「服の一生を考えよう」が、「消費者教育教材資料表彰2024」(消費者教育支援センター主催)で「優秀賞」を受賞したと発表した。

写真 人物 複数スナップ ゴールドウイン出前授業

そもそも同社は、環境配慮素材を活用した製品開発や店舗でのグリーン電力の使用といったサステナビリティ活動を長年実施してきた。2021年5月には、中期5カ年経営計画「PLAY EARTH 2030」を発表しその姿勢を明文化。

「広報に求められているのは、当社のサステナビリティの考えや『PLAY EARTH 2030』を正しく発信すること」と、同社のコーポレートコミュニケーション室PRグループ 関瀬里氏は語る。

2024年からは“伝えたい人に直接伝えよう” と掲げ、広報主導でもサステナビリティ領域のコミュニケーションを展開。小学生から大学生の次世代に向け、ファッション業界の環境課題や同社の環境配慮の取り組みを伝える授業を開始した。

前述のオリジナル教材「服の一生を考えよう」は、身近な衣服と環境問題の関係から学生が「環境負荷を低減するためにできること」を考えるきっかけになるよう開発したもの。2023年9月から教材使用の募集を開始し、約3週間の応募期間で1万人以上の申し込みがあった。

また2024年からは、社員が講師として学校に出向く出前授業と、学生が店舗やオフィスを訪れる企業訪問を実施し、環境配慮の重要性を周知している。

写真 人物 複数スナップ ゴールドウイン出前授業

ゴールドウインは小学生から大学生までの次世代に向け、ファッション業界の環境課題や同社の環境配慮を直接伝えることに注力。2024年からは、社員が講師として学校に出向く出前授業と学生が店舗やオフィスを訪れる企業訪問を開催している。

中でも次世代向けコミュニケーションに注力した背景を関氏は「当社はコーポレートビジョンのひとつに『子どもたちの可能性を引き出し、美しい未来を形づくるための閃きと機会を提供する』と掲げています。その実現のため、自分たちの言葉で伝えることにこだわりました」と明かす。

教材開発では、環境配慮の自分ゴト化につながる内容を重視した。分野問わず課題解決ができる人材の育成にも寄与するように設計した結果、冒頭の受賞などにつながった。

また教材を使用した授業を受けたことがきっかけとなり、「ファッション業界の環境配慮」に関心を持ち、東京・原宿のリペアイベント「DO REPAIRS(ドウ リぺアーズ)」にボランティアスタッフとして参加した学生も出てきた。興味の喚起に加え、行動変容にまでつなげた事例だ。

「授業が生徒にとって自ら動くきっかけになったことは大きな成果です。広報として、そいった行動変容も社外に伝える必要があると考えています」と同 別井瑛奈氏。実際に、学生のボランティア参加の取材記事をコーポレートサイトなどに掲載して発信する施策も実施した。

関氏は今後について「取り組みを単発で終わらせるのではなく、継続的に実施することが重要です。例えば着用しなくなった衣服を回収するリサイクルボックスを各学校に置くなど、双方向のコミュニケーションと行動が持続するスキーム構築ができれば」と語った。

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