「デジタル接客」でEC販売を伸ばす、ビームスのコンテンツ戦略

6月24日から7月1日に開催された「宣伝会議サミット2024夏」に、ビームス カスタマーエンゲージメント本部 デジタル部 部長の岩城澄氏が登壇。「ビームス流デジタル接客の極意 ~スタッフの情熱が生む顧客体験~」と題して、公式サイトで展開しているスタッフコンテンツやファン化の仕組みについて語った。

イメージ ビームススライド

スタッフのデジタル接客で良質な顧客体験を

30以上のレーベルを運営し、国内外から厳選したファッション雑貨の販売を行うビームスは、近年公式サイトを通じたデジタル接客に注力し、成果を上げている。

ビームスの公式サイトの特徴は、商品を販売するだけでなく、豊富なコンテンツを発信していること。特に、スタッフをメディア化した情報発信に注力している。自社のECにおいて、1年前から継続して購入している「継続会員」は40%前後(2023年度)。継続会員は、購買金額が人数に対して非常に高く、リアル店舗との相互利用も多い。

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ビームスの全商品のEC販売を主管するデジタル部では、所属するカスタマーエンゲージメント本部の「相思相愛」というミッションのもと、デジタルでも店舗と同様に、継続会員はもちろん新規会員にも継続的に良い顧客体験を提供できる状態を目指している。その取り組みの一つが、スタッフコンテンツとオムニスタイルコンサルタントだ。

「スタッフコンテンツ」が購入の決め手に

スタッフコンテンツとは、公式サイト上でのデジタル接客を実現する4種類のコンテンツのことだ。

1つ目は、「スタイリング」。スタッフが、商品の着こなしに加えて商品の着用感やシルエット、サイズ感、生地感などを案内するコンテンツで、最も閲覧数が多く、商品詳細ページの中でも最も参考にされ、購入の決め手にもなっている。

2つ目は、「フォトログ」。Instagramの投稿のように気軽にアップできるのが特徴で、スタイリングでは紹介しにくい小物の詳細や新作の紹介など、さまざまな使い方がされている。スタッフによる投稿数が最も多いコンテンツだ。

3つ目は、「ブログ」。一つの商品やブランドをより深く、うんちくなども交えながら紹介できるコンテンツで、メンズドレスの部門では、特定のスタッフのブログにファンがつくという現象も見られている。

4つ目は、「ビデオ投稿」。基本的には音声入りの動画の投稿を推奨しており、各々のスタッフの接客がリアルに体験できるコンテンツとなっている。作成に多少時間がかかるため、投稿数はあまり多くないが、文字よりも直観的に伝わりやすいことから、投稿数に対する売上はブログの次に多い。


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