コンセプトは「妄想する者が、壁を破る」、ニデックが開発者たちの視点で企業CMを制作

ニデック(Nidec)は、今年7月に企業CM「開発者たちの視点」篇の放映を開始、公式YouTubeで公開した。

同社は、2023年4月に日本電産からニデックへと社名変更。それに伴い、俳優の川口春奈さんを起用し、新社名の認知率向上を目的とした「ニデックって、なんなのさ?」シリーズを展開。7月には第4弾となる「ニデックってなんなのさ 浮遊」篇のオンエアを開始した。「開発者たちの視点」篇は川口さんがメインで登場するシリーズとは異なり、理系学生へのリクルートも意識した企業CMだ。
「妄想する者が、壁を破る」をコンセプトに、ニデックの技術者たちが「世界をもっと良くするためにできること」を日々考え、試行錯誤しながら、世の中になくてはならないものを生み出していく様子を表現している。

「開発者たちの視点」篇

同社は、モーターをはじめたくさんの製品を作っているが、今回の広告でテーマとしたのは乗り物に関するもの、電気自動車や電動バイク、モーターで動く空飛ぶクルマなどを取り上げている。このテーマを選んだ理由を、クリエイティブディレクターの松村祐治氏は次のように話す。

「これらはガソリン・化石燃料を燃やさないためCO2の排出を抑制できる、人間にとって極めて重要なイシューだからです。世界中で使われているモーターの中で、ニデックのモーターの占める割合は非常に高い。つまりニデックのモーターの効率・品質を上げることは、地球環境の問題に直結しているんです。だからニデックで働くことは、CO2を減らすこと、異常気象を減らすこと、地球上の生物と共存すること、私たちが笑顔になることに直結している。
私自身が理系の大学院を卒業しているので、理系学生の就職する時の不安や希望がちょっとわかる気がするのですが、きっと、優しい職場環境とか素晴らしい福利厚生なんかも大事なのですが、もっと大事なのは、自分の選んだ仕事に意味があることじゃないかなと思ったんです。だから『妄想する者が、壁を破る』というコピーで、自由な発想や果てしない夢の重要性をメッセージにしました」

BtoB企業のCMは、そもそも分かりにくい会社であるだけに、明るく楽しく笑顔のCMが多いが、あえてそうはせずに、濃く熱く一心不乱なCMを目指したという。
「学生にとって就職は真剣そのものだと思います。彼らの本心に近づくには、広告も高い熱量であることが必要だと考えました」

CMでは、学生がまるで自分もニデックで研究者になったかのように感じてもらうため、カメラアングルを研究者の主観(目線)にしている。また、映像には川口さんも出演している他、実際にニデックの拠点で撮影されたシーンが登場している。

「いわばCMでのインターン体験みたいなことですかね。当初は全カット、完全主観アングルを目指してコンテを描いていたのですが、後藤匠平ディレクターやスタッフと打ち合わせする中で、よりパワフルにするために、インパクトのある客観アングルも追加して構成しました」

同社では、開発者視点の撮影の様子をまとめたメイキング映像も公開している。

advertimes_endmark

スタッフリスト

企画制作 電通、HAT
ECD 西田新吾
もっと見る

CD 青木大介
CD、企画、C 松村祐治
C 橋口幸生
AD 古久保龍士
CPr 岩佐遼太郎
PR 小林亜佐人、阿部純
アソシエイトPR 中澤達郎
PM 樫葉風太、小西南月
演出 後藤匠平
撮影 小針亮馬
照明 James Thompson
美術 竹末和史
ST 杉本学子、加古高槻
HM 岡野瑞恵、加古高槻
CAS 園部敏、金井俊一郎
CRD 高橋大道
編集 本田吉孝(オフライン)、高木陽平(オンライン)
音楽 鶴丸正太郎
SE 成田明人
MIX 北穣至、坂田 かおる
NA 恩田括
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ