AIコピーライター「AICO2」が登場、国内電通グループが新・AI戦略を発表

電通を含む国内電通グループは8月5日、独自のAI戦略を新ビジョン「AI For Growth」として発表した。「”人間の知(=Intelligence)”と”AIの知”の掛け合わせによって、顧客企業や社会の成長に貢献していく」をビジョンに掲げ、グループ各社でAI関連の研究・開発・人財育成などを推進していきたいとしている。

「AI For Growth」のビジョンのもと、主には次の8つの領域に注力していく予定。

①マーケティング支援
②トランスフォーメーション支援
③プロダクト開発
④データインフラ拡充
⑤AI人財育成
⑥技術研究・開発
⑦AIガバナンス整備
⑧組織構築・経営

発表当日に開催されたメディア向けの説明会に登壇したdentsu Japan(国内電通グループの総称)データ&テクノロジー プレジデント/事業会社担当の山口修治氏は、2016年に発表された「AIコピーライター AICO」に始まる、国内電通グループのAI活用の歴史について言及。具体的には、次のようにコメントしている。
「当社グループにおけるAI活用は8年ほどの歴史があるが、これまではPoC案件が多かった。背景にはAIを活用したプロジェクトが収益化しづらいという課題があった。そうした中で、世界的に訪れた生成AI活用の波をとらえ、エンジニアとお客さまに対する商流を見ているメンバーが一緒に動いた方がよいという判断に至った。その結果、例えば電通デジタルと電通グループ内でAI活用を推進してきたデータアーティストを合併するなどの判断をしている(合併の完了は2023年4月)」

イメージ ロゴ 発表された「AI For Growth」のロゴ。

発表された「AI For Growth」のロゴ。「AI For Growth」のビジョンは、国内電通グループが提供するすべてのサービスにAIを適用し、アップデートするための戦略的かつ包括的な活動という位置づけだという。

また、電通 CXクリエイティブセンター センター長 並河進氏も登壇し、「クリエイティブ領域におけるAI活用」について説明があった。並河氏から発表があったのは同社が開発した「創造的思考モデル」で、クリエイター/プランナーの創造的な思考を学習させた人工知能のモデルだという。

並河氏は「人の心の琴線に響くコピーを生み出すには、大規模言語モデルでは不十分であり、コピーライターの知恵や経験によるさらなる進化が必要と考えた。そこで電通のコピーライターが培ってきた思考プロセスを学習させた『創造的思考モデル』を開発。今回はコピーライティングにおける活用だが、今後は様々なクリエイティブ領域で導入・検証をしていきたい」と話した。

また同日、創造的思考モデルを活用した、AI広告コピー生成ツール「AICO2」も発表された。「AICO」は2016年に発表されていたが、当時のモデルは様々なコピーのパターンを学習し、新たな入力に合わせて、学習したパターンを適用し、出力するというものだった。今回のモデルでは、コピーライターの思考回路を学習し、新たな入力に合わせて、思考回路に基づき、出力してくれるという。

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イメージ 「AICO2」が生成したコピーの事例。

「AICO2」が生成したコピーの事例。


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