いま押さえておきたい!基本のデジタルマーケティング用語5選

マーケティング業界では、業界ならではの用語が多くある。特にデジタルマーケティングに関する用語は横文字が多く、新任の方は戸惑うことも多いのでは。そこで新しくデジタルマーケティング担当になった人にもわかりやすく理解できるよう、Hakuhodo DY ONE 執行役員の青山友樹氏が解説する。
※本記事は、月刊『宣伝会議』7月号 の巻頭特集に掲載されています。誌面では10選を紹介しています。

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青山友樹氏

Hakuhodo DY ONE
執行役員・プランニング本部 本部長
・マーケティングマネジメント本部 本部長

2014年にアイレップに入社。運用型広告スペシャリストとしてアプリ、通信、金融、不動産などさまざまな業界における国内大手クライアント企業の担当を歴任。ダイレクト案件・ブランディング案件問わず、多岐にわたるプランニングや運用・効果検証の実績を持つ。その後ストラテジックプランナーに転身し、クライアント企業のマーケティング課題定義・価値定義のうえで、認知から獲得までの一貫した広告プロモーションの設計を得意とする。2024年よりHakuhodo DY ONEにて執行役員、プランニング本部・マーケティングマネジメント本部の本部長を兼任。

本稿では、最近異動になった新任の担当者にも伝わるよう、デジタルマーケティングに関わるすべての人が知っておきたい5つの単語を解説付きで紹介していきます。

①KPIツリー

KPIツリーとは、目標を因数分解し具体的な指標に分けて展開する方法です。例えば、企業の重要目標が「売上の増加」であれば、その下位指標には「顧客数の増加」「平均購入額の増加」「リピート率の向上」などがあります。

各指標をさらに細分化し、ボトルネックを特定して具体的なアクションプランにつなげることで、効果的な目標達成に向けた業務遂行が実現できます。KPIツリー自体はデジタルマーケティング以前からある言葉ですが、特にデジタルマーケティングと相性がよく、必ず覚えておきたい思考方法です。

用語②以降は、昨今のWebサービスで多く用いられる指標・用語を説明しています。KPIツリーとあわせて考えてみてください。

イメージ 図 KPIツリー

【図】KPIツリー

②LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)

LTVは、ひとりの顧客がビジネスとの関係を通じて生み出すと予想される利益の総額を示す指標です。この指標は、顧客が初めて製品を購入する時から関係が終了するまでの間に企業が得る収益を推計したものであるため、顧客一人ひとりからの長期的な価値を把握するのに役立ちます。

LTVは、マーケティング戦略や顧客サービスの計画において重要な指標とされ、企業がマーケティングや顧客獲得の予算をどのように割り当てるべきかを判断するのに用いられます。高いLTVはリピート購入などの高い顧客ロイヤリティを意味し、企業の持続可能性と成長に寄与します。

③CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得コスト)

CACは、新しい顧客を獲得するために企業が費やした総コストを新規顧客数で割った指標です。この指標には広告費、マーケティングキャンペーンの経費、営業チームの人件費、技術的な支出などが含まれます。CACの値が低いということは、より少ないコストで顧客を獲得できているため、企業のマーケティング戦略が効率的であると評価されます。

一方で、高いCACは顧客獲得戦略の見直しが必要である可能性を示しています。また、顧客生涯価値(LTV)とCACの比率はビジネスの持続可能性と収益性を測る重要な尺度とされるので、理想的にはLTVがCACを上回ることが望ましいです。

④ユニットエコノミクス

ユニットエコノミクスは、一人ひとりの顧客取引が企業にとって利益をもたらすか損失をもたらすかを判断する経済指標です。LTV÷CACで導くことができます。この指標は、個々の顧客に関連する直接収益と直接コストを評価し、それぞれの顧客が企業にどれだけの利益をもたらしているかを明らかにします。

効果的なユニットエコノミクスは、ビジネスが規模を拡大しても利益を維持できるかどうかを示し、長期的な財務健全性の指標となります。ユニットエコノミクスはLTVに直結する指標であるため、顧客一人ひとりから得られる収益がその獲得コストを上回ることが重要です。

⑤ROI(Return On Investment:投資収益率)

ROIは、特定のマーケティング戦略やキャンペーンに投資したコストに対して、どれだけの収益が得られたかを測定する指標です。計算方法は、「(得られた収益 – 投資したコスト)/投資したコスト」です。

この比率が高いほど、投資からのリターンが大きいと評価され、マーケティング効果の成功を示します。ROIの評価を通じて、企業はどのマーケティング戦略が最も効果的であるかを評価し、将来の予算配分や戦略調整のためのデータに基づいた意思決定が可能となります。また、LTVの向上に寄与する施策や投資額を判断するためにも使用されます。

マーケターの基礎スキルは「妄想力」

変化の激しい時代ですが、私は時代が変わっても変わらない、マーケターの基礎スキルは「妄想力」だと思います。

「こうやったらうまくいくのではないか?」「もしかして、うまくいかないのはあれが原因なのではないか?」このように発想することから、マーケティングは始まります。仮説を継続的に磨き続けることで、ユニークでワクワクするアイデアが生まれ、それが生活者に新しい価値を提供することにもつながるのです。

…続きは、月刊『宣伝会議』7月号 でお読みいただけます。

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月刊『宣伝会議』2024年7月号

【巻頭特集】
センスも発想力も、日々の努力で磨かれる!
マーケター脳を鍛える!トレーニング指南

 

・スキル①「数字」に強くなる/山下吐夢
・スキル②「デジマ脳」になる/青山友樹
・スキル③「フレームワーク」を使いこなす/北村陽一郎
・スキル④「プロジェクトマネジメント力」を鍛える/冨田良介
・スキル⑤「EQ力」を高める/加来勝正

 

・「生活者トレンド」を体得する①~③
並河進/澤裕貴子・土屋映子/モメンタム ジャパン

 

・自分に合った、生き方・暮らし方を見つけよう①
志伯健太郎/銭谷侑
・センスを磨く! プライベートの過ごし方
杉井すみれ

 

・米国最大規模のマーケティング特化型カンファレンス
「POSSIBLE2024」で語られた米国マーケターの関心事
森直樹

 

・ミレニアル世代攻略と次世代マーケター育成
AmexのCMOに聞く、マーケターの役割
エリザベス・ルトリッジ

 

・あのマーケターが実践!34名に聞いた、
「マーケティングの筋力」を鍛える、私のトレーニング

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