鳥取市のシティプロモーション「#鳥取家族」と「ロバート秋山の『クリエイターズ・ファイル』」がコラボし、「CHARMY♥K(チャーミー♥ケイ / イリュージョニスト)」が登場する2本の動画を7月末に公開。深澤義彦鳥取市長が登場する前篇は、現在22万回再生となっている。
©クリエイターズ・ファイル
CHARMY♥K(チャーミー♥ケイ / イリュージョニスト)①鳥取市長を瞬間移動させる?!
CHARMY♥K(チャーミー♥ケイ / イリュージョニスト)②アシスタントの暴露で真相が明らかに!
「#鳥取家族」は、鳥取市が2014年度にスタートした「すごい!鳥取市」キャンペーンの第2弾で、今年度で5年目を迎える。そして、「ロバート秋山の『クリエイターズ・ファイル』」とは、2023年に続き2度目のコラボが実現した。
これまでも市民が参加する形で、さまざまなプロモーションを展開してきた鳥取市が、こうしたコラボを実施した背景をクリエイティブディレクター 田中淳一氏は次のように話す。
「鳥取市の指針としては、動画や施策の中で“鳥取市民”を主役にするということを大事にしていて、写真家の浅田政志さんと一緒にいろいろとやってきたのですが、鳥取市のシティプロモーションを長年担当している中で市民を主役にして届く層にはだいぶ行き渡ったのでは?という話が出ていました。そこで市民を主役にしながらも、すでに強いファン母体のいるコンテンツとのコラボを模索しました」
そしてコラボが実現したのが、『クリエイターズ・ファイル』だった。第1弾は鳥取市立桜ヶ丘中学校を舞台にした「ぼっちん君(鳥取市立桜ヶ丘中学校 応援部部長)①攻めろ!泣き虫応援団長」。中学校3年生で、40代応援部部長の“ぼっちん君”が主人公の動画は『クリエイターズ・ファイル』のファンからも好評を博し、165万回再生を記録。さらに2023年の年末には紅白歌合戦に“ぼっちん君”が応援キャラとして登場したことで、鳥取市としては大きく盛り上がり、再びコラボが実現した。
ぼっちん君(鳥取市立桜ヶ丘中学校 応援部部長)①攻めろ!泣き虫応援団長
観光や移住促進をPRする動画は、2015年に宮崎県小林市の移住促進PRムービー「ンダモシタン小林」が話題を集めてから、全国の各地域で数多く制作されている。しかし、そのすべてが話題になっているわけではない。
「競争も年々厳しくなっています。また特に若い世代が自治体などがつくる動画に対して、少しでも恣意的なものを感じると避けてしまう傾向にあるため、こちらからは最低限の要望と“市民を主役にする”ことだけお伝えして、あとは『クリエイターズ・ファイル』側に極力委ねるということを大切にしました」
鳥取市では今回、『クリエイターズ・ファイル』を好きで視聴している人々の中から鳥取市に興味を持ってくれる人、鳥取市を宣伝してくれる人をつくっていくことを目的に、コモディティ化しつつある自治体のシティプロモーションを、より純粋なエンタテインメントコンテンツ化することを目指した。市民の参加はもちろん、市外の人たちにも興味関心を広げ、感情の部分での関係人口を増やすことを意図している。
「動画コンテンツに対する人々の興味が細分化している中、ひとつの動画で多くの生活者をファンにするのは現実的ではないと考えています。多少狭くてもいいので、深度のあるファンを生み出していくことを重視したプロモーションを意識しています」と、田中氏。
今回、動画の公開と同時に、「鳥取市満喫クーポンがもらえる鳥取市探して!投稿して!得する!キャンペーン」を実施している。キャンペーンPRポスターに「CHARMY♥K」を起用し、写真家の浅田政志さん撮影による鳥取市民とのコラボポスターを制作。動画にも、このポスターに登場している人たちが出演している。そして、このコラボポスターを撮影し、SNS投稿した2万人に、市内の飲食店等で使用可能な3000円分の鳥取市満喫クーポンをプレゼント。この施策で、地域経済の活性化も目指した。
実際に公開直後から動画を視聴して、鳥取市内のお店に来店する市民や観光客が増加。この夏、市民や観光客、動画に登場した店主らとの交流が始まっている。
市役所本庁舎や市内飲食店などに掲出されたポスター。「#鳥取家族」「#チャーミーさん見つけた」をつけてSNSに投稿した人にクーポンがプレゼントされる。2025年2月28日まで実施。