7月下旬に発売したいすゞの小型ディーゼルトラック「エルフミオ」のCMが訴求する直球のメリットとは。元SUBARU宣伝部長の岡田貴浩さんが解説します。
いすゞ自動車「だれでもトラックELFmio/登場」篇(30秒)
トラックの免許要件が大幅に緩和されていた
わたしは長く自動車会社に居たのですが、基本は「乗用車メーカー」だったのでトラックやバスなどの知識が浅く、ここ数年で普通免許で乗れるトラックの限定がだいぶ変わっていたことを知りませんでした。
わたしの遠い昔の記憶では「最大積載量2トン、定員10人まで」だったのですが、2017年に大きく変わっていました。2017年3月12日以降は、普通免許を取得した年度によって、免許区分ごとに運転できる車両の種類が変更され、この新制度では、「準中型免許」が新たに開設されていました。
2007年6月1日までに普通免許を取得している人(わたしもそれです)は、車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満、乗車定員数10人以下の条件を満たしたトラックを運転できることになったみたいです。
ドライバーの人手不足解消の切り札
長々とAdverTimes.に関係ない話をしてしまいましたが、関係ないわけではありません。物流2024年問題、すなわちトラックドライバーの働き方改善や労働規制による人手不足が深刻になっています。
運送会社や大きな物流企業はもちろん免許制度の変更に敏感に反応していると思いますが、中小企業や個人商店の社長、しかも50代以上の社長や物流担当者が普通免許で5トンまで運べるのを知らない可能性が高いのです。まさにこのCMはそこをダイレクトにわかりやすく訴求しています。