全種類コンプリートを目指す人も続出、森永ビスケットの螺鈿パッケージが話題

森永製菓の森永ビスケットシリーズは、9月末に京都 嵯峨嵐山の若手螺鈿職人 野村拓哉氏とコラボレーションしたパッケージを期間限定で発売した。

写真 商品・製品 若手螺鈿職人 野村拓哉氏とコラボレーションしたパッケージの森永ビスケットシリーズ

今回は、ムーンライトをはじめ、森永ビスケットシリーズ8つのラインアップが螺鈿デザインのパッケージで展開されている。コラボレーションしたのは、京都・嵯峨嵐山に工房を構え、100年以上の歴史を持つ嵯峩螺鈿野村の職人・野村拓也氏だ。

「ビスケットを30~40代女性が食べてもいいというものにしたい、というオリエンがありました」と、クリエイティブディレクター 河西智彦氏。

こうした背景から、2022年に森永ビスケットとしては13年振りとなるテレビCMを開始。イメージキャラクターに北川景子さんを起用し、この秋のCMでは月の女神をイメージしたビジュアルや人気画家ミュシャ初の実写化コラボレーションで、女性たちの「憧れ」を醸成した。

写真 CM カット 「ムーンライト ミュシャの実写」篇

「ムーンライト ミュシャの実写」篇

「しかし、今の時代、全員がCMを見て店頭に来るわけではありません。さらに、世の中の情報量が多すぎて店頭に来ても覚えていられないことも多くあります。そこで、広告をしている期間で『売り場で見てもらえるパッケージ』『感覚的につい手を伸ばしてしまうパッケージ』をつくって、売りの現場である店頭でも売上増を作り出すことを、森永製菓の方々や営業を含めたみんなで目指しました」

河西氏が本シリーズを担当してから、毎年春と秋に制作していた期間限定パッケージのテーマを「スーパーを訪れるターゲットの感情を動かす」ことに設定。毎年、見る人の感情を動かす数十のパッケージを提案しているという。

「この螺鈿パッケージは実は昨年も提案したものです。昨年は最終的にコンテンツとのコラボになって実現しなかったので、今年も提案の中に入れていたところ、2年越しで実現しました」

「螺鈿」は、貝殻の内側にある真珠層を用いて様々な工芸品に美しい図柄を加飾する技法だ。その図柄を用いて、ビスケットのパッケージにはキラキラとした細かい文様が描かれている。

「元々螺鈿細工が好きで、螺鈿ならビスケットの箱が宝石箱になるなぁと。そうすればキレイ!という感情で見てもらい、手に取ってもらえる、と計算しました。また螺鈿は一般的に認知が高くないため、見た人の驚きや螺鈿ファンのSNS拡散が作れるとも考えました」

そして、河西氏はかねてからSNSで見ていた螺鈿職人の野村氏に自ら連絡をとり、協力を依頼。味とパッケージごとにテーマを決め、それに合わせて野村氏がパーツを提案。実際に野村氏がつくった螺鈿細工のモチーフを撮影し、それぞれのパッケージに合わせて、位置や大きさなどを調整している。

「螺鈿はやはり黒を背景にしたときにいちばん映えます。でもパッケージ8種類のベースの色はすべて違います。そこで、螺鈿の美しさを残しつつ、様々な色にも合うよう、アートディレクターの竹上淳志とデザイナーの島崎周麻さんがたくさん検証してくれました」

発売後、野村氏がXで発信した螺鈿パッケージの投稿は8.6万いいね!を獲得。トレンド入りを果たした。

その後の投稿を含めて、のべ20万近いいいね!がついており、パッケージ全種類をコンプリートした人や野村氏が手がけた螺鈿のアクセサリーと共に投稿する人など、購入者のパッケージ写真の投稿も続いている。

「美しすぎる、パッケージをとっておきたい、噂のパッケージ買いました、など狙った通りの感情が動いていました」

過去2年にわたるパッケージの施策とテレビCMのオンエアの効果から、森永ビスケットは過去最高の売上を更新中で、今年もさらなる更新を狙っている。

スタッフリスト

企画制作 博報堂、スパイス
クリエイティブ・スーパーバイザー 可児綾香、山田美希、中原仁(森永製菓)
CD、企画 河西智彦
企画、AD 竹上淳志
D 島崎周麻
BP 山本創太、石毛陽子、矢野未夏
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螺鈿デザイン 野村拓也(嵯峨螺鈿野村)
TVCM
制作 太陽企画
PR 高尾優一、松田一郎
PM 丹司宙、鶴丸真雪、松尾うらら
演出 芳賀隆之
撮影 伊藤元
照明 西田真智公
美術 金子恵美
音楽 松宮聖也
ST 宇都宮いく子
HM 板倉タクマ
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