縦に4つのチーズが並んだパッケージでおなじみのロングセラー商品「QBBベビーチーズ」などを製造販売する六甲バター。実は、同商品の陰で「QBBチーズデザート6P」シリーズが着実にヒットしている。2009年の発売後、当時は珍しかった「チーズデザート」カテゴリーを確立し、現在はチーズデザート市場の約7割のシェアで市場を牽引。今年、誕生から15周年を迎える同ブランドのマーケティング担当 森崎友鹿氏に、ヒットの裏側を聞いた。
チーズデザート6Pの誕生 きっかけに過去の事業撤退
──「QBBチーズデザート6P」について、どのような商品なのか教えてください。
「QBBチーズデザート6P」は、ベースにクリームチーズを使用し、季節のフルーツなどを入れたデザート感覚で楽しめる商品です。フレッシュフルーツや果汁、クリームチーズを合わせた味のハーモニーと、独特の柔らかい食感や口溶けの良さが特徴になっています。パッケージは、丸型の箱に個包装された扇形のチーズが入った、食べきりタイプです。
現在は福岡県産あまおう苺、栗といった季節限定品を含め、10種類ほどを展開しています。
──「QBBチーズデザート6P」の開発背景を、お聞かせください。
実は商品誕生の背景には、当社のデザート事業撤退が深く関わっています。当社は2007年、工場の老朽化やコンビニエンスストアの急拡大などを理由に、デザート事業を撤退しました。
しかし、デザート事業に携われると思って入社してきた社員の存在や、これまで同事業で開発を担当していた社員がいたことも事実です。そして、開発者の一人が、当社のデザート事業で展開していたベークドチーズケーキの味を再現しようと新たな商品開発を進めていきました。
その後当社の持つデザートへの知見やスキル、エッセンスを生かした結果、2009年に発売されたのが「チーズデザート6P」です。初年度で、計画比3倍もの売上を記録し、一躍当社のヒット商品となりました。