日本デザイン振興会は10月16日、2024年度「グッドデザイン賞」の大賞候補となる「金賞」20点などを発表した。今年は大賞の選出方法を従来の形式から変えたほか、一般投票による「みんなが選んだグッドデザイン」を新設した。いずれの結果も11月5日に開催予定の受賞祝賀会で発表される。
記者発表会で総評を述べた齋藤精一審査委員長。
今年度のテーマは「勇気と有機のあるデザイン」とした。「デザインに関わる人が勇気を持って一歩踏み出し、しなやかに美しく、場面や場所に応じた有機的な考えと体制によって、アイデアを社会に実装していくこと。そのようなデザインの潮流などを探求する」などと説明している。
16日は、今年度の5773 件の審査対象の中から、1142社1579 件が「グッドデザイン賞」に選ばれた。そのうち特に優れた100件は「グッドデザイン・ベスト100」に選出され、その中から特別賞にあたる「金賞」20件と、「グッドフォーカス賞」12件が発表された。
最高賞の「グッドデザイン大賞」は11月5日に、金賞20件の中から発表される。今年度は大賞の選出方法を大きく変更した。
「大賞」の従来の選出方法は、金賞20件の中から審査委員がファイナリスト5件を選んだ後、受賞者と来場者による投票によって大賞が決まる形式だった。それに対して、今回は金賞20件の中から、審査委員と受賞者によるオンライン投票で大賞が決定する形式に変更した。
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受賞者は受賞対象1点につき1票を保有し、自分の作品にも投票できる。票の割合は「受賞者:審査委員=1:20」とし、10月16日から23日までの期間で投票を実施した。
加えて、新たな企画「みんなの選んだグッドデザイン」を新設。金賞20件の中からグッドデザイン賞受賞展、受賞祝賀会に参加した来場者による投票で選ばれた作品を11月5日に発表する。
審査委員長の齋藤精一氏は「選出方法を変えたのは、大賞をデザインにかかわる方たちによって選ぶ形式にするほか、一般の方に近い存在として企画を設けたいという考えによるもの。長いディスカッションの上、実装されました。私自身、デザインとは何かを良くしようという強い熱量から始まるものだと思っています。今回はその源流までさかのぼることができたのでは、と審査を通して感じました」と話した。
16日の発表会では、齋藤審査委員長と副委員長の倉本仁氏、永山祐子氏によるトークセッションも行った。
「大賞」候補である「金賞」は下記の通り。
2024 年度グッドデザイン大賞候補
・シリウス「スイトルボディ SWB-1000JP」 介護用洗身用具
・ADDIX「『くらしに役立つ』シリーズ」 教科用図書
・メディア・インテグレーション「teenage engineering TP-7 field recorder」 多機能ポータブルオーディオレコーダー
・ソニーグループ、ソニー「α9 III」 レンズ交換式デジタル一眼カメラ
・ASUSTeK Computer「ASUS Zenbook DUO (2024)」 Laptop PC
・キヤノン「FPA-1200NZ2C」 ナノインプリント半導体製造装置
・キヤノンアネルバ「Adastra」 半導体製造装置
・富士フイルム「ECHELON Smart ZeroHelium (エシェロン スマート ゼロヘリウム)」 1.5T超電導MRIシステム
・SPACECOOL「SPACECOOL」 日中放射冷却素材
・ラピュタロボティクス「ラピュタASRS」 自動倉庫ソリューション
・ブルースタジオ+竹村眞紀+NPO法人はちくりうす「はちくりはうす」 障害者シェアハウス+シェア店舗
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