コピーライターと辞書編纂者から学ぶ「言葉の探し方」

月刊『宣伝会議』が主催する公募広告賞の第62回「宣伝会議賞」では、11月5日まで作品を募集しています。締切まであと1週間のラストスパート企画として、「ことば」に関わるプロフェッショナルの方々とのコラボ動画を配信します。
 
第1弾は、「ことば」に関する総合的研究機関である国立国語研究所の准教授で、『岩波国語辞典』『広辞苑』の改訂にも携わる柏野和佳子氏と、コピーライターで「宣伝会議賞」審査員の野澤幸司氏の対談です。

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柏野和佳子氏

国立国語研究所
准教授

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野澤幸司氏

HAKUHODO CABIN

野澤氏は、コピーライティングのプロセスについて、「言葉を発明するというよりも発見する作業」と表現。「広告主が伝えたいこと、世の中の人々が感じていること、そして自分自身が思うことという3つの要素が重なるところを探していく営みだ」と話す。まずたくさんの言葉を出してから、この3つの要素でふるいにかけていく作業を意識的に行っているとのこと。

一方、辞書編纂者として言葉と向き合う柏野氏は、新聞やネットの記事などで気になった言葉を見つけると、国立国語研究所のデータベースで用例を確認するという。そして、国語辞典も確認。こうして言葉のアンテナを張り巡らせながら、言葉を探していると話す。

また、言葉の用例を探す際のツールとして、誰でも利用できる国立国語研究所で開発したコーパス(言語データベース)の「少納言」「中納言」や、類義語集の「分類語彙表」を紹介。その活用方法を聞いた野澤氏は「自分も使いたいし、宣伝会議賞の応募にとっても役に立つはず」とコメントした。

さらに、話は「言葉の変化」へと発展。柏野氏が「オタク」「攻める」「映える(ばえる)」などを取り上げ、生き物のように変化を遂げていく言葉の面白さを解説した。

最後に、野澤氏から宣伝会議賞の応募者へ向けてアドバイスも。「実務では商品が売れるという目的地に向かって最短距離で進むことが多いが、宣伝会議賞では、世の中の求めるムードを先に捉えて、それにマッチする企業を探すのもいいかもしれない」と、広告を考える上での新たな視点を示唆した。

――本対談の全編は、宣伝会議公式YouTube、及び国立国語研究所公式YouTubeにて公開中です。後編はこちら

第62回「宣伝会議賞」の応募はこちら

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