大丸松坂屋百貨店は10月23日、大丸梅田店の婦人服売り場にて「座った時のファッションスタイル(すわりコーデ)」を特集したイベントを開始。同月29日まで開催した。
今回、売り場には計30体の“座り姿のマネキン”を設置。座っているときの上半身を華やかに見せる「デザイントップス」や、座っても負担にならない「リラックスシルエット」、立った時に気にならない「しわになりにくい」という3つの切り口から、各ブランドが“すわりコーディネート”を提案した。
売り場の特集を企画した担当者は、百貨店の売り場には立ち姿のディスプレイが多い一方で、近年は長時間座って仕事する人々が増加していること。また、車いすユーザーの存在など、多様なライフスタイルに対応したファッション提案の必要性を感じていたという。
「婦人服売り場は『働く女性』をメインターゲットに展開してきましたが、現在は働き方や価値観が多様化しており、キャリア向けの市場は縮小傾向にあります。そのため、ただ単に洋服を販売するだけでなく、商材や売り方を見直す必要性を感じていました」(大丸梅田 担当者)。
そこで、同社が着目したのが、「座ったままでもオシャレを楽しみたい」との想いで、車いすユーザーの石嵜麻南未さんが考案した「#すわりコーデ」だ。
「『#すわりコーデ』という言葉は、車いすユーザーの方々、そして座って過ごす時間が多い現代のライフスタイルにおいて、幅広いお客さまに関係があると思います。快適さとファッションを両立できる点からも、売り場のターゲットである『働く女性』にもぴったりだと感じ、売り場に活用することにしました」(大丸梅田 担当者)。
座った状態のマネキンを使用することで、立った時に気にならない「しわになりいくいボトム」を訴求。
約1週間、売り場を展開したところ、来店者からの反応は好調だという。
「『上半身に目がいきやすくなった』などの声が集まりました。座り姿のマネキンが想定以上に売場に馴染んだことも大きな要因だったと思います。今後も、『#すわりコーデ』に限らず、幅広いお客さまに隔たりなく、新しい商材や価値提供でリアル店舗の良さを感じていただきたいと思っています」(大丸梅田 担当者)。
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