今年で9年目を迎えた「宣伝会議賞」中高生部門では、毎年、応募促進の一環としてプロのコピーライターを講師に迎えた出張授業を実施している。
本年は、課題協賛企業のうち川田工業、第一三共ヘルスケア、日本製鉄、日本郵船、マルホの5社も各校の授業に同席。課題に取り組むためのポイントや、市場環境などを解説した。
本記事でレポートするのは、東京都立王子総合高等学校(東京都北区)の授業。TBWA\HAKUHODOのクリエイティブディレクターで、「宣伝会議賞」一般部門の審査も務める高橋律仁氏を講師に迎え、「マーケティング」の科目を選択する高校3年生23名がコピーライティングを学んだ。
高橋氏はコピーライティングの原則として、「課題の裏側を見つめること」「視点を変えてみること」「言い方を工夫してみる」と3つのポイントを提示。物事の捉え方から、具体的な表現方法まで、事例を示しながら解説した。
今回ワークショップで取り組んだ課題は「川田工業の魅力を伝えるアイデア」。
同社総務部人事課の釘田まこと氏が、動画も用いながら川田工業の歴史と業務について説明。東京ゲートブリッジや渋谷ヒカリエ、同高校の近くにある小学校など、生徒にとっても身近な建物の建設に携わっていることを紹介し、「インフラを支える仕事にもっと興味を持ってほしい」「川田工業を知ってほしい」と想いを伝える。
川田工業では、コーポレートサイト内に宣伝会議賞中高生部門の特設ページを設け、同社の取り組みを紹介している。
ワークショップは15分ほど。高橋氏によるヒントを基に、釘田氏にも質問を投げかけながら、コピーづくりに取り組んだ。
その後のフィードバックでは、いくつかの作品をピックアップ。「視点を広げたり、未来を見据えたり」と、さらによいコピーにするための具体的なアドバイスを提示した。
今年度は、全国で9校延べ733名が受講した宣伝会議賞の「出張授業」。これらの授業で制作した作品も含め、11月から2月にかけて、コピーライター12名による審査が行われる。
各校での出張授業の様子。このほかに岩手県、茨城県、山口県の学校ではオンラインで授業を行った。
「この後一人100本の作品提出を目標に取り組みます」という学校も。「宣伝会議賞」を取り扱う授業は国語科や社会科、情報科など様々で、全校を挙げて実施する学校も増えてきている。広告と学校、企業と学校をつなぐきっかけのひとつとして、今後も中高生部門の取り組みを発展させていく。
中高生部門の団体応募の締め切りは11月5日まで。
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