【2024年版】デジタル広告頭打ち!今こそ本気のSEO対策 事業会社マーケターが考えるSEO対策

マーケティング、デジマ、クリエイティブにかかわる素朴な疑問・お悩みを解決します!「AdverTimesの基本用語解説」、今回は「SEO対策」篇です。
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最近デジタル広告での成長が頭打ちになった、という話をよく聞きます。背景には、デジタル広告がコモディティ化した結果の圧倒的な競争過多状態などがある気がします。何はともあれ、その結果として、再度成長を実現するために、オーガニックなチャネルであるSEOやSNS、CRMなどを取り組もうとしている人が周りにも出てきています(もちろんもともと一定程度取り組んでいたところが多いですが)。

この記事は、SEOが非常に重要な事業会社(大手メディア企業⇒大手専門小売企業)で、事業会社の中の人として10年以上SEO対策にかかわってきた筆者が、改めて事業会社のマーケティングの中で、SEO対策でチャネルとして検索エンジン経由のオーガニック流入数をどのように増やすか? について考察・解説するものです。

あくまで代理店目線ではなく、事業会社のメディア・サイト担当者として押さえておくべきSEOの用語・勘どころをお伝えする記事です。また、約28000文字と非常に長いですが、一通り事業側の担当が押さえておくべきポイントについて記述したので、気になる点、興味がある点、自社に関係する点だけ読むような形で使ってください。

序文の最後に、SEO対策は事業会社の中でやるとクリエイティブで非常に楽しいチャネルです。ぜひとも、楽しさの一端でも伝えられて、SEO対策に前向きになっていただければ嬉しいです。

■この記事の対象読者
・「今さらWebサイトの担当者になった」「SEO流入を伸ばす必要が出てきた」という事業会社のマーケター
・デジタル広告での成長が頭打ち、難しくなってきて新しい打ち手を考えている事業会社のマーケター
・SEO経由のトラフィックが半分以上を占める事業会社側の考え方を知りたいSEO代理店の中の人

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上田 寛人

一橋大学法科大学院卒業後、2014年からリクルートにて提携集客・SEO担当、2018年からキタムラにてSEO含むデジタルマーケティングやDX全体を担当し、2023年にデジタル担当執行役員に就任。代理店ではなく事業会社側でSEOを10年以上経験してきた。現在は株式会社デジタルレトリバーにて、マーケティング全体の支援や、会社の資産を活かしたSEO対策・CRMなどのオーガニックチャネルの支援を行っている。

第1章: 事業担当者にとってのSEO対策とは?事業担当者として知っておくべき位置づけ

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SEOとは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、日本ではSEO対策として20年以上前から徐々に広まってきました。事業・サイト運営上は、広告偏重の事業でない限り自然検索経由のトラフィックがトラフィック全体の半分以上を占めることが多いです。

事業会社のマーケターとして、チャネル全体の中で考えたとき、デジタル広告と比較したときのSEOの特徴をご説明します。

(1)効果がストック型で積みあがる

SEO対策は、ページを公開し、実際に集客できるようになれば、ストック型で集客が積みあがるのが一番の特徴です。

要は、SEOで集客できているページ数が増えれば増えるだけ、ストック型でWebサイトの流入が増えていきます。継続的な成長を実現したい事業にとっては、毎月ページ数・コンテンツ数を増やしていくことで継続的なサイト流入の成長の土台をつくることができます。

資本主義下の現代において、どの事業も基本的には成長を求められると思います(私も求められていました)。そんな中、事業の成長を目指すマーケターが、SEOで継続的な流入の成長を実現することは非常に重要です。また、もう一つ見落としがちな観点として、検索して情報を探す・サービスを探す人が年々増えていることもあります。この市場の継続的な成長の後押しもあって、継続的に成長を実現しやすいのがこちらの継続的なSEO施策になります。

(2)クリックされてもお金がかからない無料集客チャネルである

デジタル広告と比較した時のSEOの大きな特徴として、表示・クリックされた時にお金がかからないという点があります。

デジタル広告の場合は表示またはクリックされた時に100円、または1000回表示されたときに100円、などという金額が広告費としてかかりますが、SEOの場合は検索されて表示された時もクリックされた時も基本的にお金がかかりません。

なので、私がいた企業ではSEOを「無料集客チャネル」などと定義して、非常に重要視していました。

一方、よく勘違いされるのですが、これはSEO対策に全くお金がかからないということを意味しません。基本的にはSEOはクリックされてもお金はかかりませんが、ページ・コンテンツをつくることにはお金がかかりますし、ページの改修にもお金がかかります。また、SEOコンサルタントにSEO診断をしてもらったり企画してもらったりすることにもお金がかかります。そしてサイトの維持にも金がかかるようになっており、デジタル広告とは別のところにお金がかかります。

ただ、1回コンテンツをつくって上位表示されてしまえば、以降いくら検索経由でクリックされてもお金がかからないので、相対的にデジタル広告よりお金をかけずに流入を獲得しやすく、優先的に対策をすべきチャネルというように扱われていました。

(3)効果が出るかも不確実で、かつ効果が出なかった理由は明確にはわからない

こう見るといいことばかりのように見えるSEO対策ですが、一方でデジタル広告と比べて、「対策しても効果が出るか不確実」という非常に取り扱いが難しい特徴があります。さらに、表示回数や出た場所などを詳細にレポートしてくれる広告と違い、SEOで「なぜ順位が上がらないか」は究極的にはGoogleにしかわからず、どこを改善したら効果が上がるのか、は最後まで仮説であり続け、仮説の域を出ないまま終わります。

この効果の不確実性と不明瞭性は、SEO対策の特徴が事業会社のマーケターとして非常に扱いづらい点で、私も非常に苦労してきました。

※ただし、ある程度仮説ベースでは何が原因で予想に達しないかが推測できるレベルにはSEO業界も進歩してきています。私が言っているのは「保証がない」という点です。

これは何を意味するかというと、要は当たるか当たらないか、お金が無駄になるかならないかわからないチャネルであるということです。これを乗り越えられない場合は、最悪、「お金をかけたのに流入すら上がらない」ことになりかねません。

デジタル広告でもお金をかければかけるだけ、最低限流入は入ってくることを考えると上長への説明を考えるだけで気分が沈んできますよね……

もちろんこのようなリスクを経営者・事業責任者が理解してくれる場合はコスパの高さからSEOに積極的に投資をするというモードになりやすいのですが(幸い私のいた会社はどの会社も上層部の理解度が高く、積極投資が得られやすかったです)、一方でこのようなリスクを理解しがたい場合は、お金を払ったのに流入が増えていない、と大事な信頼貯金を減らしてしまうことになりかねません。

そうすると担当者も多少リスクがあるSEOよりもデジタル広告を優先してやっていこうという風になりやすいので、ここのリスク許容度が高くない会社ではSEO対策が比較的難しいです。

(4)効果が出るまでに時間がかかる

次の特徴は、SEO対策が、効果が出るまでに時間がかかることが多いというものです。SEOは戦略をつくったうえで、コンテンツを作成したり、被リンクを獲得するのにも時間がかかったり、さらにそれがGoogleに評価されるのも時間がかかるので、どうしても他の広告施策と比べて効果の即効性に乏しいです。

特に、SEO対策をする時に現状のドメインがそこまで強くない場合は、まずそもそもドメインを強くするところからやらなければなりません。そうすると年単位で対策をする必要があり対策に時間がかかる上、結果が出るまでにも時間かかるということになりやすいです。

もちろん、SEO対策でも効果が比較的早く出る施策もあれば、ハナから長期効果しか狙えないものもあり、ここをどのように組み合わせて年間のマーケティングプランを組むかが事業会社マーケターの腕の見せ所といえます。

(3)(4)のSEO対策の不確実性と時間軸の長さは、改めてSEO対策を企画して事業プランに組み込んで上に上げる時に、意識していないと致命的な未達原因になりやすいので注意をしなければならないところです。

(5)目的が明確な人が来るので、丁寧につくればCVさせやすい

SEOは何か検索ワードを検索してくるという、バナーを踏んでくる人より目的が明確な人が来ることが多いので、丁寧にコンバージョンの動線をつくってあげればコンバージョンをさせやすいのも特徴の一つです。

デジタル広告ではターゲティングで実現することを、SEOの場合は今検索しているキーワードによって実現しています。そのキーワードを検索した人の気持ちを想像しコンバージョンまでの説得動線をつくれれば、かなり他のチャネルと比べてコンバージョンレートが高くなりやすいです。

特に「赤いTシャツ」のように、製品・サービス自体を探しているであろう顕在層と言われるキーワードで流入してきた人のコンバージョンレートは高くなりやすく、一方で、「赤いTシャツ コーディネート」のように、その製品・サービスに関する知識などを調べる記事系の流入ユーザーについては、コンバージョンレートが低くなりやすいです。

ただしそのような記事系のユーザーについても、その記事を検索したユーザーの気持ちを想像し適切な情報を与えていけばコンバージョンレートを大いに改善させることができることも多く、とにかくキーワードの選定を間違えなければコンバージョンにつなげやすいのがSEOチャネルの特徴です。

ここまで色々と書いてきましたが、ざっくりとまとめると、「時間・効果ともに不確実だが、当たればコスパが高い」チャネルがSEOです。マーケターからすると、説明の仕方含め、難易度は高いですが腕の見せ所のようなチャネルだと感じていました。

第2章: 事業担当マーケターとしてのSEOチャネルの立ち位置と最適な向き合い方

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それでは、マーケターはSEOチャネルをどのように位置づけるべきでしょうか?

私が考えているのは、攻めのSEOと守りのSEOで活動・投資を分けて、それぞれ目標を設定する方法でした。

攻めのSEO:新たにコンテンツをつくって新しい流入を獲得する・既に評価されているキーワードの順位を上げる活動

自社のサービスに関連するキーワードでSEO的に獲得・上位表示できていない白地が存在するSEOは、「攻めのSEO」と定義していました。

こちらでは、新たな流入・コンバージョンが獲得できる可能性があるものの、不確実性が高いため、多くのページを作成しそのうちの数割が成功する、という試算で効果を見込んでマーケティングの計画を立てていました。

攻めのSEOのKPIは狙ったキーワードでの順位がどうか、流入した後の送客率・CVRがどうかで測定していました。順位を上げられるかどうかはそのサイトのサイト自体の評価が高いかどうか(ドメインランク・被リンク数等)と、そのサイトの専門性とコンテンツがマッチしているか、さらにコンテンツの品質が良いか、競合が強いかどうかなど、様々な要素が影響しており、確実には言い切れませんが大量のコンテンツをつくって計測することである程度傾向をつかむことはできます。コンテンツをつくること以外にも、サイト内のクロスリンクやパンくずの最適化など、サイトの改修もこちらに含めて良いと思います。

とはいえ、攻めのSEO活動は、ある程度投資対効果が可視化できるのが特徴で、マーケターとして社内に説明しやすいテーマかと思います。

守りのSEO:ドメインの評価を上げる活動、マイナスをなくす活動

既にSEOが重要なチャネルになっている場合、現在のトラフィックを守る活動も重要になります。被リンク獲得活動や、外部被リンクの否認、サイトスピードを上げたり、コーディングをキレイにしたりする活動などです。

こちらの活動は、「投資対効果が測定しづらい」点が特徴です。

サイト自体の評価を上げ、全体の評価を上げやすいので引いてみるとコスパが良い活動だったりするのですが、どこまでやるべきか、私が見ている限りは「勘と経験」にある程度左右されてしまう領域に思えます。

自社の状態によってどこまでやるべきかは変わるうえに正解はないので、守りのSEOをどこまでやるかはプロのアドバイスをもらって見極めると良いでしょう。

第3章: 実際のSEO対策のプロセス

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SEO戦略を基本から応用まで、網羅的に解説していきます。あなたにとって気になっているところ、関係があるところをチョイスして見ていただければ幸いです。

攻めのSEOのプロセス:戦略設計

(1)キーワード選定の重要性
キーワードの選定は、SEO対策のキモにして奥義とも言えます。

どのキーワードを狙うのかを決めてしまえば、SEO対策の半分は終わっているともいえます。なぜキーワード選定が大事かというと、SEO対策のコスパを決めるのがこのキーワード選定だからです。キーワードを決めた時点で、その後のコンテンツを最高にうまくつくった前提で、「自社サイトで上位に上がれるか(表示回数・クリック数)」「効率よくコンテンツを作成して当てられるか(コスト)」「コンバージョンが発生するか(コンバージョンレート・CVR)」が大体決まってきてしまいます。

・クリック数×コンバージョンレート=リード数
・リード数-かけたコスト=利益

なので、SEO対策のコスパ(利益)は、キーワードを決めた時点である程度決まってくるといえます。

(2)どのようにキーワードを選定すべきか?

では、キーワードはどのように選定すべきか?
ポイントは、上で書いた指標通りで、

・そもそも検索数があるキーワードか?(検索数・表示回数)
・自社サイトで上位に上がれるか?(順位・クリック率)
・効率よく質の高いコンテンツを作成できるか?(コスト)
・自社サービスへのコンバージョンが発生するか?(コンバージョンレート(CVR))

の4点です。

・そもそも検索数があるか?

検索数は、無料のツールではGoogleのキーワードプランナー(広告出稿していないと正確には出ませんが)、有料ツールだとUberSuggest、SEMRush、Ahrefs、Similarwebなどで出すことができます。

そもそも検索数がないとキーワードを狙っても誰も見に来てくれないので、検索数が一定以上あるキーワードを狙うのが良いです。

一方、検索数が少なくとも非常にコンバージョンレートが高いキーワード(「〇〇 おすすめ」など)もあるので、一概に検索数だけを見て決めるのが良いわけでもありません。

また、検索数が多いキーワードは当然競合も強いので、自社のドメインランクが高くなければ勝てない可能性もあります。あくまで狙うキーワードを決める時の重要な一つの指標だと考えるべきでしょう。

・自社サイトで上位に上がれるか?

自社サイトでは上位に入りづらいキーワードというものがあり、それは実際にそのキーワードを検索してみればある程度わかるようになります。そのキーワードの検索結果画面(SERPs)を見ていると、Googleに評価されるページの種類や、どのような会社やページがライバルにいるのかなど、なんとなく直観的に自社でつくるページがランクインできるか見えてくるようになります。

いくつかの要因が絡んできますが、いつも私が気にしている主要な要因は、

・自社よりドメインランクが高いところばかりが上がっていないか?(競合が強すぎないか?)
・評価されているページの種類が自社でつくれるか?
※例えば、店舗ページばかり評価されている場合、自社で店舗を持っていないならランクインするのは難しいです
・自社とテーマがマッチしているか?(自社で、同じようなテーマのコンテンツが上位表示されている実績があるか?)
・自社で独自性があり、ユーザーに役立つコンテンツを提供できるイメージがあるか?(自社独自の専門性があるコンテンツの制作プロセスが思い浮かぶか)

などを見て、自社サイトが上位に上がれるかを判断しています。

・効率よく質の高いコンテンツを作成できるか?(コスト)

ここはSEOコンサルや代理店ではカバーしづらいところなのですが、一方で非常に重要な点でそのキーワードに対応するコンテンツをコスパ良くつくれるキーワードであれば、私は割とチャレンジしていました。

例えば、自社のお客様の声や、自社で実際にお客様にサービスを提供している人の生の声をコンテンツにしたり、メーカーであったら製品づくりでこだわった点をコンテンツにしたり、自社しかもっていない統計データやアンケートデータを加工してコンテンツにしたり、ここはまさに機械的ではないクリエイティビティが必要なところで、社内SEO担当者の力が最も活きるところであり、楽しいところです。あくまで検索したユーザーに対して役に立てる独自コンテンツを、自社のネットワークや資産を使って簡単につくれる場合は、ぜひともつくってみてください。

・自社サービスへのコンバージョンが見込めるか?

私の経験ですが、コンバージョンの内容が変わらない限り、検索ユーザーの検索内容によってコンバージョンするかどうかはほぼ決まっています。なので、よくあるのが記事をつくって流入は取れたものの、コンバージョンはしなかった、という事例です。

それをいち早く見つけるなら、例えばリスティングでコンバージョンが出ているならSEOでもコンバージョンを狙いやすいキーワードと考えて狙いにいって良いでしょう。

以上のような4つの点を鑑みつつ、キーワードを選定するとよいでしょう。

基本的には、足きりラインは異なりますが、どの観点も一定満たすキーワードならかける価値あり、1つだけ満たさない場合も場合によってはチャレンジしてみる、くらいの基準でキーワードを選定していました。

攻めのSEOのプロセス:コンテンツ作成

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それでは、攻めるべきキーワードが決まったら、実際にコンテンツを作成していきましょう。

コンテンツ作成のプロセスは、以下の3プロセスになります。

・コンテンツのフォーマット・型を決める
・コンテンツの中身を設計する(構成をつくる)
・コンテンツの中身を入れる・執筆する

(1)コンテンツのフォーマット・型を決める

上でも少し書きましたが、Googleが評価するコンテンツには情報の種類というか、型みたいなものがあります。

代表的なモノには以下のようなフォーマット・型があります。

・記事ページ
・商品・サービスの一覧ページ
・商品・サービスの詳細ページ
・会社の公式ページ
・店舗ページ

そして、実際に様々なキーワードを検索してみると、記事ページが大量に出てくるページや、商品・サービスの一覧ページばかりが出てくるページなどがあり、かつ、一つのキーワードの検索結果でも、色々な型が出てきていると思います。

そして現状、SEO界隈でよく私が聞くのは、一つのキーワードに対して、記事ページや店舗ページ、商品・サービスページなど、出てくる「枠」のようなものをGoogleで決めていて、その枠の中で順位を争っている、という考え方です。

このように検索結果に多様性を持たせるのは、Googleとしても一つのキーワードに含まれる様々な検索ニーズに対応しやすくして、なるべく1回の検索でユーザーが求めるコンテンツを幅広く出すためと考えています。

要は、Googleがある程度、出す枠を決めている以上、まずあなたがつくるコンテンツの「型」を決めるのが大事だということです。

記事ページなのか、サービスや情報の一覧なのか、店舗ページなのか。それによって開発が必要なのかなど、コストや期間が大きく変わってきます。

特に、機械的な一覧ページ・詳細ページのDB型・カタログ型のページを生成するには仕組みが必要で、大規模な開発になりやすいです(その代わり、たくさんのキーワードを一気に対策できます)。

ここからは、記事ページで対策をすると考えてより具体的なSEO対策を見ていきましょう!

(2)コンテンツの中身を設計する

では、いよいよコンテンツの中身を設計していきます。

Googleに評価されるコンテンツをつくるためのコツについては、もうかなり色々な人が色々なことを言っていますのであくまで私の考えになりますが、ズバリコツは3つだと考えています。

・ユーザーの検索意図に合ったコンテンツをつくる
・E-E-A-Tに配慮し、「信頼できるコンテンツ」であることを示す
・独自性あるコンテンツをつくる

それぞれについて見ていきましょう。

・ユーザーの検索意図に合ったコンテンツをつくる

まず、すべての基礎となるのがユーザーの検索意図に沿ったコンテンツをつくることです。「検索意図」という言葉は耳慣れないと思いますが、現代のSEOにおいて最も重要な概念の一つです。意味は読んで字のごとく、「ユーザーが検索している意図・欲している情報」という話なのですが、ここで知っておくべきことは、「同じ検索キーワードでも、同じ検索意図で検索しているとは限らない」ということです。

例えば、「新宿 焼肉」と検索している人は、

・クライアントの接待のため、新宿で接待のために個室で高級感のある焼肉屋を探しているサラリーマン
・久しぶりに新宿で会う友だちとわいわい騒げる焼肉屋を探している大学生

など、様々な意図で検索していることが予測できます。

同じ検索キーワードですが、探している焼肉屋さんはかなり異なる、でも、欲しているコンテンツは、「シーン別の焼肉のおススメ店舗」「満足度が高い人気の焼肉店舗」だと推測できるので、検索結果には焼肉屋の店舗ページ・シーンに沿った焼肉のおススメ店舗が出るのではないでしょうか。
※私が2024年9月に検索したときはそのような検索結果でした

要は、検索意図は、「ユーザーがその検索キーワードを検索することで本当に見たい・したいモノ」と言い換えられます。これを満たすコンテンツをつくるのが第一歩。

ただし、様々な検索意図があるため、「すべての検索意図を満たす大長編のコンテンツをつくる」のか(今回の場合は『接待・飲み会・デートなど、シーン別の新宿の焼き肉おススメ店舗』)、「特定の検索意図に絞ってその人向けには見やすいコンテンツをつくる」のか(今回の場合は『接待の満足度が高い!新宿の焼肉店舗ベスト3。ポイントも解説』)、戦略次第ですが、とにかく検索意図に対してどんな情報を提供するかを考えるのが重要です。

そしてこの検索意図、そうはいってもどのように想像するかが難しいところがあると思います。しかし、実はある程度確実に、「Googleが考えているユーザーの検索意図」を知る方法があるのです。

それが、実際に検索で評価されているページを見てみることです。

要は、実際に評価されているページは、Googleが検索意図を満たしていると判断したページになるので、検索結果で1ページ目に来ているページをすべて見てみると、大体どのようなコンテンツがユーザーに評価されるか推測することができるのです。

現代ではおそらくかなり広がったやり方だとは思いますが、やはりどうしても重要な基礎になるので、まずはこのプロセスを押さえましょう。

・E-E-A-Tに配慮し、「信頼できるコンテンツ」であることを示す

さて、上述の検索意図に合わせたコンテンツについて見た方は、「これだと、どんなサイトでも検索結果上位を模倣すればSEO上位に出てくることができてしまうのでは?」と思うかもしれません。

実際、かなり前から現在に至るまで、この手法はかなり広まり、検索結果のコンテンツは非常に似通ったものが上位に来るようになってきています。

それでは、みんなが同じようにコンテンツをつくってくる中で、Googleがどのように上位表示されるコンテンツを判断しているのか?

これが正解というわけではないですが、重要な要素が「E-E-A-T」と「オリジナリティ」です。

おそらく皆さんも一度は聞いたことがあると思いますが、「E-E-A-T」とは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の略で、Googleの検索品質評価ガイドラインで言及されている、信頼性をどのように評価するかの評価ポイントです。

割と定義論では色々見かけるのですが、私としては、「このページのこのコンテンツが信頼できること」を読者・Googleに示すことだと解釈しています。

ではコンテンツが信頼できること、をどのように示すのでしょうか?

みんなが同じことを言っているなら、やはり「誰が言うか」が大事ですよね?

皆さんも例えば健康に関する情報であれば、お医者さんからの情報を信頼するのはよくわかると思います。Googleは主に「そのWebサイトは、そのコンテンツのテーマに詳しいか?」「それを書いた著者・監修者は、そのコンテンツのテーマに詳しいか?信頼できる人か?」という点を見ています。

さらに、Web情報を単にまとめただけの記事が多い中に、「経験」が含まれている記事があると、信頼性が高いということができます。一度も新宿の焼肉屋さんに行ったことがない人がネット情報をまとめた記事より、新宿勤務のグルメが好きな人がおススメする焼肉屋さんの方が信頼できますよね?

なので、
・サイトのテーマに合ったコンテンツであること
・著者情報を示し、専門性・権威性が高い人が書いている、または監修していること
・コンテンツが経験に基づいていること

を示すことでこのコンテンツが信頼できることを示すことができるのです。

ちなみに、YMYL(Your Money or Your Life)に関するトピック、つまり健康や金融など、ユーザーの生活や財産に大きく関わる情報を扱うサイトでは、信頼性の確保が極めて重要です。この領域で信頼性が低い情報をユーザーに提供して、万が一間違っていたらユーザーに大きな悪影響を及ぼすからです。

・独自性あるコンテンツをつくる

さて、最後の項目は独自性です。これについてはわかりやすいと思うので、特段細かく解説する必要もないかと思いますが、「独自性があり、かつ、ユーザーにとって役立つ情報」を入れることが最終的には決め手になると思います。

こちらは基本にして奥義のようなもので、自社のどのような情報を使えば独自性を出せるのか、頭をひねって考えるしかないのです。

ただ、ポイントは、自社のネットワークやお客様、自社の専門家など、自社資産を効果的に活用することです。私も自社の店舗スタッフにアンケートで聞いた内容などをコンテンツに入れ込んで評価を上げていました。

ただ、ページ構成を設計する中で、「このコンテンツは独自性があるか?」と改めて検索結果を見て考えてみて、感覚的に独自性が薄いと考えたら、記事であれば少し面白くて独自のトピックを足すなどするとよいと思います。

(3)コンテンツの中身を入れる・執筆する

最後に、コンテンツの中身を入れていきます。

ここについては、各論で様々な注意点がありますが、

・ユーザーにとって読みやすい・理解しやすいように心を砕く
・画像や表・箇条書きなどで整理して積極的に理解しやすい用につくる
・情報を引用した場合は臆さず引用元をリンクつきで記載する

– 重要なキーワードを冒頭に配置する:
ユーザーとGoogleの両方が、コンテンツの主題を素早く理解できます。

– 読みやすい短い文章を心がける:
一文は40字程度を目安に。長すぎる文章は読者を疲れさせてしまいます。

– 箇条書きやリストを効果的に使用する:
情報を整理し、読者が必要な情報を素早く見つけられるようにします。

– 適切な見出し(H2, H3など)を使用する:
コンテンツの構造を明確にすることで、読者とGoogleの双方が理解しやすくなります。

守りのSEOについて

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さて、攻めのSEOについては一定の決まったプロセスがありますが、守りのSEOにはこれといって定型的なプロセスはないと思っています。

あるとすると、「SEOの診断をしたうえで、自社サイトの弱点や補強点・重要な点を洗い出し、その部分を補強する」ということでしょうか。

その中で、絶対に逃せない二つのトピック、

・外部被リンク獲得によるドメイン評価の向上
・スコアロスの対策

についてお話ししていきます。

外部被リンク獲得によるドメイン評価の向上

外部被リンクは、読んで字のごとく外部からの被リンクですが、ペンギンアップデート以降、外部被リンク施策は、昔ほど効かなくなったという話を聞いたことはあるかと思います。しかし、今でも優秀なSEOの担当者・コンサルで外部被リンクを軽視している人はいないと思います。

私の視点で感じているのは、外部被リンクは量より質方向に継続的に向かっている、外部被リンクの質をGoogleが細かく評価できるようになっている、という点かと思います。

質が高い被リンクとは、「自社に関連性があるサイト・ページからのリンク」「ドメインランクが高い、Googleが信頼できると考えているサイト・ページからのリンク」「官公庁からのリンク」などが当たります。

では、質の高い外部被リンクはどのようにしたら獲得できるでしょうか?これは、地道な活動になってしまいます。

-相互リンク申請による相互リンク獲得
-カオスマップや調査データなど、ブックマーク・引用されやすいコンテンツの作成と展開
-コラボレーションの実施で外部被リンクの獲得
-外部メディアに寄稿して外部リンクをもらう
-プレスリリースなどを積極的に出し、メディアからの被リンクを獲得する
-ソーシャルメディアを運用して自社の質の高い情報を告知する

非常に地道な活動になりますが、これをやらないとなかなか有効な被リンクを獲得していけません。

一方、質が低い被リンクを昔購入していた場合に、それを放置していると、サイト評価が下がることがあり得ます。そのような時は対策として、リンク否認の手続きをする必要があります。

スコアロスの対策

スコアロスとは、様々な要因でGoogleから本来受けられるはずだった評価から、減点を食らってしまっている状態を指します。細かく言っていくとかなりテクニカルな要因も多いため、本気でスコアロス要因を潰しにいくときは、代理店やコンサルなど、専門家に相談するのが良いでしょう。

ただ、事業者内部でやっておいた方が良い比較的わかりやすいスコアロス要因もあります。

それが、サーチコンソール(Google search console)を見てエラー部分などについて対応することです。

現状、スコアロスについてかなりの部分をサーチコンソール上で解決できるようになったと感じています。

決してサーチコンソールを見ておけばよい、というものでもないですが、まず気をつけるべきはサーチコンソール上のエラーでしょう。

具体的に気をつけるべきサーチコンソール上の項目を挙げていきます。

・インデックス作成→ページ→ページがインデックスに登録されなかった理由

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「インデックス」に関する事項です。

この項目は、Googleがあなたのサイトのページをそもそもページの一つとして認識するかどうかを教えてくれています。気をつけるべきは、サーバーエラーが多かったりするとかなり悪い兆候なので、この場合は至急対策を講じましょう。

それ以外の項目については、かなり理解が難しい部分もあるので、一度代理店・コンサルなどの専門家に相談してキレイにしても良いでしょう。

・エクスペリエンス→Webに関する主な指標→不良URL・改良が必要なURL

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Webに関する主な指標は、ページのパフォーマンスでロスがないかをGoogleが判定してくれています。ただし、この指標をどれだけ重視するかはかなり人によって意見が異なります。個人的には不良URLは何とかなくしたいですが、改善が必要なものでも改善が大変であれば優先度を落とすなどの対応をしていました。

まとめ

以上が、SEO施策を行うにあたっての具体的なプロセスになります。

もちろん、社内的にはこのあと投資効果を試算して、社内を通す必要が出たりすると思いますが、今回はSEOの具体的手順に絞ってご説明しました。

この後は、トピックごとに、SEOの話題の論点について解説していきます。また、業種別のポイントなどについても私の経験から記載していこうと思います。

ただ、大筋の流れはここでおしまいですので、この後は興味のあるトピックだけつまんでください。

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第4章:SEO対策の変遷と、基礎的・重要な概念の解説

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SEOの基礎と進化:10年間で何が変わったのか

私が初めて本格的にSEOに携わったのは10年前で、制作会社からメディア企業に転職した時でした。その時からの変遷をお伝えするのはSEO対策を行うにあたって重要になる、Googleの考えを理解するのに役立つと思います。まず、最初に言えるのは、Google自身も言っていることですが、SEOの本質は変わっていないということです。それは「検索するユーザーにとって価値のある情報を提供すること」です。この点は10年前も今も変わりません。

では、事業側のSEO担当として、10年間で何が変わったのか。

一つは、様々な大型のアップデートによって、Google側のアルゴリズムが「検索するユーザーにとって価値のある情報を提供すること」をより精度高く判断できるようになったことかと思います。

Google側が精度高くページ・コンテンツの質を判断できるようになった結果、昔よりもコンテンツの質に集中できるようになりつつあると思います。

さらに、10年で変わったこととして、SEOの知識自体のコモディティ化が挙げられるかと思います。今ではSEOで上位に位置するための基礎的なやり方は、かなり巷にあふれている印象です。

結果、事業者側が気にすべきテーマとしては、「ユーザーにとって価値のある情報を提供すること」を、いかに「品質の高い情報を、コストパフォーマンスよく、Googleにわかりやすく提供する」のかというように戦いが変わってきているような印象です。

これは、今までであればメディア企業の戦い方でしたが、直近の印象としては、各会社、先進的な企業であればメディア企業的なマーケティングをしてきている印象です。

※もちろん、良質な被リンクなど、基礎的な施策の重要性は変わっていませんが、特に大手企業では先進的であればあるほど、どの企業でもメディア企業的な戦い方に近づいてきている印象です。

なので、事業者側のみなさんは、今のSEOが、「いかにユーザーにとって価値のある質の高いコンテンツをつくれるか?」という点が大事になってきていることをご留意ください。とはいえ、それ自体は昔から大事なので、やはり大きな点は変わっていないと言えるかもしれません。

一方で、SEO対策がコモディティ化したことによって、誰でもユーザーの検索意図を満たすコンテンツはつくれるようになった結果、E-E-A-T・信頼性がより重要になってきており、専門性や大手であること、実際にリアルでビジネスを行っていることなど、Web単体で活動評価が閉じなくなってきているのが最近の兆候かと思います。この流れは、AIでより簡単にコンテンツ制作ができるようになってきている昨今、より加速してくものと考えています。

また、モバイル中心のSEOになったこともここ10年間で変わったことです。10年前はまだPC中心にSEOを考えていましたが、現在はモバイルファーストインデックスの実装含め、モバイル中心でSEOが動いています。実際のサイト訪問者も基本的には6~8.5割がモバイルトラフィックです。

最後に、検索結果画面が非常にバラエティに富むようになったのもここ10年で変わったことです。ショッピングやローカルパック、画像や動画など、検索クエリに合わせて様々な種類の情報が出るようになっており、単にページや記事にとどまらない、複合的なSEO対策が必要になってきています。

ユーザーの検索意図の具体例

検索意図は非常に重要な概念なので、ここでもう少し具体的に解説します。
検索意図は主に3つに分類されます:

(1)情報検索:何かを学びたい、知りたい(Knowクエリとも言います)
(2)ナビゲーション検索:特定のサイトや場所を探している(Nクエリと略したりします)
(3)トランザクション検索:購入や行動を起こしたい(Doクエリなどと言ったりします)

例えば、「ダイエット」というキーワードを考えてみましょう。このキーワードで検索するユーザーの意図は様々です:

– 「ダイエット方法」を知りたい人(情報検索)
– 「ダイエット食品」を購入したい人(トランザクション検索)
– 「ダイエットジム」を探している人(ナビゲーション検索)

これらの異なる意図に対して、同じコンテンツで対応することは難しいでしょう。そのため、検索意図に合わせてコンテンツが異なってくるわけです。

検索意図を理解するには、上で書いた通り、実際に検索結果を分析することが最も効果的です。上位表示されているページの内容や形式を参考にすることで、Googleが判断している検索意図を推測できます。

例えば、「青汁 効果」というキーワードで検索してみましょう。上位に表示されるのは、青汁の効果を詳しく解説したブログ記事や、医療専門家による監修記事などです。これは、このキーワードに対してGoogleが「情報検索」の意図を強く感じ取っていることを示しています。

一方、「青汁 購入」で検索すると、ECサイトの商品ページや比較サイトが上位に表示されます。これは「トランザクション検索」の意図が強いと判断されているためです。

そして、意図に合わせて有効なコンテンツが異なります。

– 情報検索の場合:
– 詳細な説明や解説
– 図表やインフォグラフィックの活用
– ステップバイステップのガイド
– FAQ(よくある質問)セクションの追加

– ナビゲーション検索の場合:
– 明確な住所情報
– 地図の埋め込み
– 営業時間や連絡先の明示
– アクセス方法の詳細な説明

– トランザクショナル検索の場合:
– 商品詳細情報
– 明確な価格表示
– 購入ボタンの prominently (目立つ)配置
– ユーザーレビューの掲載

トランザクショナル検索の場合、商品一覧が有効な場合と商品詳細が有効な場合で異なります。そして、商品一覧が有効な場合、なるべく様々な幅で商品を選べるように商品数を拡充しつつ、さらにUX的に選びやすくすることが有効です。

ただし、ここは収益に直結するため極めて競争が激しく、考慮要素も非常に多く複雑です。トランザクショナルクエリで上位に表示したい場合、専門家の知見を借りることをお勧めします。

Googleの評価プロセスについて

基礎的な話なのですが、思った通りにページで対策ができない時に気にすべきこととして、クローリングとインデクシングがあります。まずは基礎的な概念を知っておきましょう。

Googleの評価プロセスは、大きく分けて3段階あります:

(1)クローリング
(2)インデックス
(3)ランキング

(1)クローリング

クローリングは、Googleボット(別名:Googleスパイダー)がWeb上のページを巡回し、新しいページや更新されたページを見つけ出すプロセスです。

クローリングを最適化するためのポイントは以下の通りです:

– サイトマップXMLの適切な設定:新しいページや重要なページをGoogleに知らせる。不要なページはサイトマップに記載しない。
– robots.txtファイルの適切な設定:クロールしてほしくないページを指定する
– 内部リンク構造の最適化:重要なページに適切にリンクを張る

特にページ数が100万以上あるDB型のサイトだと、クローラーにどこに来てもらうべきかを設計するのは非常に重要です。来てほしいページを絞るために、わざとページにno-index処理を施すなどをしていました。逆に言うと、ページ数がそこまで多くないサイトだと、この段階のことは一回頭から外してよいでしょう。

(2)インデックス

インデックスは、クロールされたページの内容を理解し、カタログ化するプロセスです。Googleはこの段階で、ページの主題、使用言語、公開日時などを判断します。ここで問題がある場合はサーチコンソールの「インデックス作成→ページ」という欄に出てくるため、ここで問題を検知できます。

ここでよくある問題が、「ページを公開してもインデックスされない」とか、「重複したコンテンツがインデックスされている」とかの問題です。

インデックスを最適化するためのポイントは以下の通りです:

– サイトマップXMLの適切な設定:新しいページや重要なページをGoogleに知らせる
– 適切なメタデータの設定:titleタグ、meta descriptionの最適化
– 構造化データの実装:Schema.orgを使用し、ページの内容をGoogleに明確に伝える
– コンテンツの質と独自性の確保:薄いコンテンツや重複コンテンツを避ける

特に、サイトマップも送信せず、内部リンクでクローラーに新コンテンツの場所を教えてあげないとなかなかインデックスされないという事態は、割と頻繁に遭遇します。

(3)ランキング

ランキングは、インデックスされたページを検索クエリに対する関連性に基づいて順位づけするプロセスです。

TDKH:今なお重要なタイトル・ディスクリプション・H1

タイトル(title)について

ページのタイトル(titleタグ)は、昔から今までずっと一貫して、非常に重要なファクターです。検索結果に表示される最も目立つ部分で、クリック率にも影響します。ユーザーが「クリックしたい!」と思えるような、魅力的でわかりやすいタイトルをつけることが大切です。

タイトル作成のポイント:
– キーワードを含める(できれば前半に)
– ユーザーメリットを明確に(例:「送料無料」「24時間対応」など)
– 文字数に注意(Google検索結果で切れないよう、60文字程度に)

メタディスクリプション(discription)について

メタディスクリプションは直接的にはランキングに影響しないとGoogleが明言してから、かなりの月日が経ちました。しかし、今もまだGoogleがサーチセントラルに専用のページを用意しており、検索画面でのクリック率も検索順位に影響していると考えられている昨今、メタディスクリプションも重要だといえましょう。

詳しくはGoogleの説明ページに譲るとして、検索ユーザーが魅力的に思ってクリックしたくなるような内容を入れ込みましょう。

個人的には、今であれば、ページができている前提で、AIを使って要約をしていたものを手直しして入れるのも検討して良いかと思います。

hタグについて

文章内のhタグも、変わらず非常に重要で、hタグには不自然にならないようにできるだけキーワードや関連ワードを入れるのが良いと思います。

hタグはh1からh2/h3/h4と、多くのタグで文章の階層を表すことができます。

文章は階層化されていると非常に理解しやすくなるため、ユーザビリティ観点でも適切にhタグを設定しておくのは重要だと思っています。

画像・動画について:わかりやすい画像・動画は極めて重要

特に概念的な説明においては、図解で一発で理解が進むことがあるように、適切な画像の使用は文章の理解を助けます。しかし、SEOの観点からは画像にも一工夫必要です。

画像最適化のポイント:

– alt属性を設定する:画像が表示されない場合や、スクリーンリーダーを使用している場合に役立ちます
– ファイル名を適切につける:「img001.jpg」ではなく「blue-ocean-sunset.jpg」のように内容がわかる名前にしましょう
– 画像サイズを最適化する:大きすぎる画像はページの読み込み速度を遅くするので注意が必要です

画像のファイル形式は、諸説ありますが、WebPを使っていることが私は多いです。

構造化データの最適化

現代のSEO対策において、非常に重要で忘れてはならないのが構造化データの最適化です。構造化データは、様々な情報をGoogleに伝えて、主に検索画面での情報の充実化、およびそれによるクリック率の向上に寄与します。

場合によっては順位を一つ上げるより有効な構造化データで目立たせた方がクリック率が上がることもあったりして、極めて重要ということができます。

ここも詳しくは専門家に相談することを推奨しますが、ページの種類によって非常に重要なデータもあるので、当てはまりそうな場合は一度Googleがサポートしている構造化データのリストをご確認ください。

実装した構造化データが正しく実装できているかは、リッチリザルトテストで確認することができます。

サイトの読み込み速度を上げる:遅いサイトは避けられる

ページの読み込みが遅いと、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。Googleもページ速度を重要な順位要因の一つとして考慮しています。ページスピードについては、できる限りケアしてあげた方が良いです。

速度改善のポイント:

– 画像の圧縮
– ブラウザキャッシュの活用
– CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の利用
– 不要なプラグインの削除

基本的にページスピードインサイトを使って合格点が出るまで改善していくことを推奨します。

Core Web Vitalsの最適化

2021年、GoogleはCore Web Vitalsをランキング要因として導入しました。これは、ページ体験を評価する3つの指標です:

– Largest Contentful Paint (LCP):メインコンテンツの読み込み速度
– First Input Delay (FID):インタラクティブ性
– Cumulative Layout Shift (CLS):視覚的安定性

この改善はどこまでやるかかなり評価が分かれますが、個人的にはページスピードインサイトの範囲で重要な点は対応しています。

これらの指標を最適化するためのテクニック:

– LCPの改善:
– 画像の最適化(WebPフォーマットの採用、適切なサイズ設定)
– サーバーレスポンスタイムの改善(CDNの活用、サーバーのアップグレード)
– 重要なリソースの優先読み込み

– FIDの改善:
– JavaScriptの最適化(コード分割、非同期読み込み)
– サードパーティスクリプトの削減または遅延読み込み
– ブラウザのメインスレッドの負荷軽減

– CLSの改善:
– 画像やアドの事前サイズ指定
– Webフォントの最適化(font-display: optionalの使用)
– 動的コンテンツの適切な配置

特にスコアロスで注意すべき場合:フロントのフレームワークでサイトをつくっている場合

私のキャリアでかなり大きなミスをしたのは、Reactベースでつくったサイトが非常に遅くなり、Googleのクローラーが来てもほとんどコンテンツを渡せていないことが判明した時でした。

もし、あなたのサイトがSPA(Single page action)のサイトを構築している場合、テクニカルなSEOにはかなり慎重になる必要があります。正しくGoogleに評価されているか注意深く様々なツールで確認することを推奨します。

内部リンク構造の改善

内部リンクの構造を改善するのは、あなたのサイトのページ数が多ければ多いほど、実は非常に効果的でコスパが良い施策です。

サイト内の重要なページに適切にリンクを張り、クローラーとユーザーの両方にとってナビゲーションしやすい構造をつくります。

その時重要なのが、アンカーリンク(リンクの文言)に、そのページで評価されてほしいキーワードを入れておくことです。

それだけで、Googleは「このページはXXX(ターゲットキーワード)に関するページなんだ」と認識しやすくなります。

特に、パンくずなど、サイト上の様々な場所に表記されている文言を変えるのは非常に強力で即効性があるSEO対策になります。

第5章: ローカルSEO(MEO)の戦略と実践

イメージ SEO対策

さて、最近あなたは飲食店を探すとき、何を参考に探していますか?私はGoogleマップの口コミを参考にしています。

モバイル中心の検索結果になったあと、検索結果画面の中のローカルパック・地図画面は継続して存在感を増し続けてきたように思えます。いまや、一番目立つ場所にあるのはあのローカルパック。

ローカルSEOは、店舗を持っているビジネスにとって非常に重要なファクターです。MEOとも呼ばれますが、重要性が極めて高い割には対策方法はSEOほど伝わっていません。

ローカルSEOの目的は、特定の地域やエリアで検索されたときに、あなたのビジネスが上位に表示されるようにすることです。例えば、「東京 美容院」や「大阪 ラーメン」といった検索クエリに対して、自社のビジネスが上位に表示されることを目指します。

その時重要なのは、Googleマイビジネスの最適化に他なりません。

Googleマイビジネスの最適化

Googleマイビジネス(GMB)は、ローカルSEOの要となるプラットフォームです。GMBを最適化することで、Googleマップやローカルパックでの表示順位を向上させることができます。

GMB最適化のポイント:

– 正確で完全な情報提供:
ビジネス名、住所、電話番号(NAP情報)を正確に記入し、営業時間、カテゴリー、写真なども漏れなく登録します。

– レビュー促進とレビュー管理:
顧客からのレビューに対して、迅速かつ丁寧に返信します。ポジティブなレビューはもちろん、ネガティブなレビューにも適切に対応することが重要です。

– 定期的な投稿:
新商品情報やイベント告知など、定期的に投稿を行います。これにより、アクティブなビジネスであることをGoogleに示すことができます。

– 属性の活用:
「テイクアウト可能」「Wi-Fi利用可能」などの属性を適切に設定し、ビジネスの特徴を明確にします。

ローカル検索のランキング要因

ローカル検索のランキングには、通常のオーガニック検索とは異なる要因が影響します。主な要因は以下の通りです:

– 関連性:ビジネスのカテゴリーや提供サービスが、検索クエリと関連しているか
– 距離:ユーザーの位置からビジネスの所在地までの距離
– 知名度:オンラインレビュー、引用(サイテーション)、リンクなどによる評価

通常のSEOと比べると、コントロール可能な領域が非常に狭いことがわかると思います。
なので、基礎的なNAP情報を整備したら、後はひたすら口コミ集めに終始するのが良いと思います。

第6章: ECサイト・カタログサイト・DBサイトのSEO対策

イメージ SEO対策

ECサイト・カタログサイト・DBサイト。これらは私が最も得意とするSEO領域なのですが、これらのサイトのSEO対策は、基本は今までと同じですが、大きく異なる点がかなりあり、専門の知見が必要になります。

また、この領域においてはSEOの重要性は極めて大きいことが多いため、ぜひ専門家への相談をご検討ください。ただし、この領域は有効な知見を持っている人があまり多くない点には注意が必要です。

これらのサイトの特徴は、とにかくページ数が多いことです。似たようなページが大量にあり、ページテンプレートの改修で当てればサイト全体に大きな影響を与えることができます。

カタログサイトSEOのポイント:内部リンク構造の設計と最適化

これらのサイトでは、内部リンク構造の設計が極めて重要です。なぜならページの数が多いため、テンプレートの内部リンクを一つ増やすだけで、莫大な数の内部リンクを増やすことができるからです。

適切な内部リンク構造は、ユーザビリティとSEOの両方に大きな影響を与えます:

– 最適なパンくずリストの実装:

ユーザーの現在位置を示し、上位カテゴリーへの移動を容易にします。

場合によってはダブルパンくずも検討してください。その際、リンクの文言にもご注意ください。ユーザーにも検索エンジンにもわかりやすいリンクにしてあげると、構造がより理解しやすくなります。

– インデックスページの整理:

インデックスするべきページを整理します。特に、商品検索などで複数条件の検索結果ページが生じる時に、どのようなURL構造にするのか、no-indexさせるのかどうかを常に考えます。

– 関連商品リンクの活用:
「この商品を見た人はこんな商品も見ています」などのセクションを設け、ユーザーの回遊性を高めます。また、関連する商品検索結果ページへのリンクをクロスリンクとして実装するのも有効です。

カタログサイトSEOのポイント:キーワードを「群」で見て対策

カタログサイト・DBサイト・ECサイトにおいては、同じようなテンプレートで大量のキーワードに対してSEO対策ができます。例えば、「プリウス 中古車」「アルファード 中古車」「ワゴンR 中古車」は、それぞれ「車種名×中古車」のキーワードとして、同じようなページテンプレートで対策をすることができます。

なので、キーワードを調査するときに、「これはこのキーワード群として対策できる」とキーワードを「群」として整理し、それぞれに対して対策をしていくことが有効です。

その場合、一つのページテンプレートで数多くのキーワードを一括で対策できるため、非常にコストパフォーマンスが良い対策ができます。

第7章: 最新SEOツールと競合分析

イメージ SEO対策

SEOをやっていて特に日進月歩を感じるのはSEOツールの進化です。

特に、公式ツールであるGoogle Search Console(サーチコンソール)と、Google Analyticsの進化は著しいです。

一方で、かなり昔はできたのですが、現在SEOは「実際にどのキーワードで流入してコンバージョンしたか」を特定することが難しくなっています。

基礎的ツール

Googleが主に無料で提供しているツール群になります。基本的にはこれらのツールを使いこなすことから始まります。

Google Search Console(サーチコンソール)

サーチコンソールはすべてのSEO担当が立脚する基礎的ツールになります。特に細かいキーワード単位の流入はこれで確認するしかありません。注意点として、Yahoo!検索・Bing検索は入っていません。これ単体のみでパフォーマンスを測定すると抜け漏れが発生してしまうのでご注意ください。

・サーチコンソールでできること
– 検索・パフォーマンスレポート:
クリック数、インプレッション数、平均掲載順位などのデータをクエリ(検索キーワード)単位・ページ単位・国単位などで分析することができます。

– インデックスカバレッジレポート:
サイトのインデックス状況を詳細に確認でき、インデックスの問題を早期に発見し対処できます。

– Webに関する主な指標:
使いやすさ・ユーザビリティに関する指標をチェックすることができます。

– 構造化データ:
仕込んだ構造化データがどれだけワークしているかを確認することができます。

– リンク:
内部・外部の被リンク状況を確認することができます。

Looker Studio(ルッカースタジオ)

Googleが提供する無料のBIツールです。

サーチコンソール・GAとシームレスにコネクトでき、個人的にはライトに細かめの分析をする場合はこのツールをいつも使っています。特に、クエリやページをCASE文でつないで分類することはモニタリングに非常に有効です。

Google Analytics 4(GA4)

ご存知GA4ですが、SEO経由流入のコンバージョンを特定する場合はサーチコンソールのみではできないため、GA4を使うしかありません。しかし、その場合、どのキーワードで流入してコンバージョンしたかは最後まで分からなくなっています。

その他第三者ツール

Googleの提供するツールは基礎的なツールとして必ず押さえる必要がありますが、ツールはこれだけではなく、特にSEOは便利なツールが世の中にあふれています。
特に主要なものとしてSEMrush、Ahrefsなどがあります。これらのツールの選び方と主な特徴を紹介します:

– SEMrush:
キーワードリサーチ機能が充実しています。Googleのキーワードプランナーだけだと不十分と言われるキーワードの網羅性が高い印象です。

– Ahrefs:
バックリンク分析に特に優れている印象です。機能が色々拡張されており、キーワード系の機能の拡張はかなり優れている印象です。

ただし、よく言われますし自分でも気をつけているのですが、これらのツールのデータ・数字が絶対的に正しいと思わず、あくまで相対比較で情報を取得するツールと考えるのが良いかと思います。

競合分析の重要性と手法

最後に、SEOツールを活用した競合分析の重要性と具体的な手法について説明します。競合分析は、自社のポジショニングを理解し、効果的なSEO戦略を立てる上で不可欠です。

競合分析の主な手法:

– キーワードギャップ分析:
SEMrushやAhrefsのようなツールを使用して、競合サイトはランクインしているものの、自社サイトではランクインしていないキーワードを特定します。これにより、新たな機会を見つけることができます。実流入でキーワードを分析したい場合、別の競合分析ツールを活用することもご検討ください。

– 被リンク分析:
競合サイトの被リンクを分析し、質の高いリンクをどのように獲得しているかを見つけます。模倣できるなら模倣するのも重要です。

– コンテンツの分析:
競合サイトの人気コンテンツを分析し、成功しているコンテンツタイプやフォーマットを特定します。

– 推移分析:
自分のジャンルの競合サイト・特定のキーワードを設定したうえで、キーワード順位や想定流入数がどういう推移をしているかを見るのは、大まかなGoogleの傾向を見るためにはかなり有用なプロセスです。

キーワード分析・競合分析はSEO対策において極めて重要なプロセスです。様々なツールを使いながら、あなたがしっくりくるプロセスを見つけましょう。

第8章: AIとSEOの関係性

イメージ SEO対策

ここ最近、最もホットなトピックといえばAIですよね。特にSEOの分野はAIと相性が良く、効率化できる部分が多かったため、積極的に活用されてきました。私見がかなり多くなりますが、AIとSEO対策の現在地について記述していきます(2024年9月段階)。

現状の私のAIレベルは、ChatGPT、Claude、perplexity、GenSparkについて有料契約し、色々と触ってみているくらいのレベルです。

AI生成コンテンツとSEO

まずは最も気になるであろう、「SEOコンテンツはAIで生成できるのか」という点ですが、

・情報の内容:専門家が違和感ないレベルを一発で生成するのは難しいが、専門家の文章の基礎はつくれる
・情報の表現:わかりやすい、読み手に伝わりやすい表現は工夫すればできる
・経験談など:信頼の基礎となる根拠については当然難しい

というのが現在地かと思います。要は、信頼性が高いコンテンツは生成できませんが、専門家が内容を改変すれば使えるようになる、という位置づけになると思います。

正直あまり主観が入らない情報であれば、かなりAIで生成できるところまで来ている印象です。一方、その分野の専門家に聞いたら情報に抜け漏れがある、とか、ここは関連性の説明がおかしい、とか、専門性が高いとか見解・主観が必要なコンテンツについては、人の手を加える必要がありそう、という印象です。

特に、大手メディア・大手企業などのコンテンツの場合は、AI生成物をそのまま使うのは難しいと思っています(逆にそれが結果としてGoogle評価につながる気もしますが)。

また、これは個人の主観になるのですが、どうも情報の強弱をつけるのが苦手なように感じます。文章だと、「これをやっておけばよい」とか情報の重要性・強弱が大事だと思うのですが、強弱をつけるのは苦手なのでなんとなくちょっと読みづらい、そんな印象を受けます。

なので、主観と経験、強弱の部分を人が補ってあげるという、一定人が介入するプロセスにしてあげればコンテンツ制作の補助にはなる、というのが現時点の私の評価です。

また、AI生成コンテンツをそのまま使うことは、Googleによる低評価リスクがあることは頭に置いて行動した方が良いと個人的には思っています。

第9章: 業界別SEO戦略とケーススタディ

イメージ SEO対策

SEO戦略は、業界や企業規模によって大きく異なります。この章では、主要な業界ごとのSEO戦略と、実際のケーススタディを紹介します。

BtoB企業のSEO対策

BtoB企業のSEOは、特に対象となるユーザーが狭く、一方で必要な情報が深いという特徴があります。要は、検索ボリュームに拘泥せず、真のユーザーが検索していそうなキーワードについて、高い専門性で記事を作成していくことが非常に重要です。

BtoBの場合、単価が低いものからかなり高いものまで幅が広いので、どちらかというと単価の高い優良なユーザーを獲得できるスイートなキーワードを攻略していくのが良いと思っています。

主な戦略ポイント:

– 専門性の高いコンテンツ作成
– ロングテールキーワードの活用
– 記事に合わせたオファー(ホワイトペーパー・セミナーなど)

徹底的に専門性の高い記事で流入を獲得したら、次はリードをがっつり取りに行きましょう。その際、BtoBの場合、ウェビナーやホワイトペーパーなど、リードの種類をいくつか試して、一番良いものを実装していくのが良いと思います。

メディアサイトのSEO対策

メディアサイトは、常に新しいコンテンツを生産し続ける必要があり、SEOも独自のアプローチが求められます。特徴的なのは、メディアサイトの場合はコンテンツの生産量が圧倒的に多い点です。なので、生産されるコンテンツにSEO要素を追加していけば成長が見込めます。ただ、既にかなりSEO対策はやっている場合もあると思います。その場合はマネタイズ部分の方が成長余地になる可能性があります。

マネタイズは様々な手段がありますが、リクルートにいたときの経験からするとマッチング要素を絡めるほどマネタイズが進みます。

小売業のSEO対策

小売業のSEOにおいては、商品検索を取ることと、店舗誘導の最適化が重要です。

ECサイト・カタログサイトのSEOとして内部リンクの最適化やマスタの整理などを行いつつ、ローカルSEOも効かせていくのが良いでしょう。

一方、商品ページは可能な限り充実させていき、商品名、商品カテゴリ、その相場やサービス名の掛け算などを取っていくのが重要です。

小売りの場合、実際に店員が販売しているので、実際の情報やお客様の声、店員さんのオススメコメントなどで商品に関する情報を充実させていくことはかなり有効でした。

サービス業:地域密着型ビジネスのSEO対策

サービス業、特に地域密着型ビジネスでは、ローカルSEOが極めて重要です。

また、サービス業のカテゴリワードを取れたら非常に大きいです。サービス業の場合は関連の検索ワードも多いので、それら関連検索も、実際にサービスを提供している人の声などを使って幅広くコンテンツをつくって押さえましょう。

サービス業の場合は、お客様の声などを定期的に取得し、ちゃんとコンテンツ化していくことも重要です。その中に含まれるサービスの関連情報は関連検索ワードに紐づけたコンテンツとして整理・アップしていきましょう。

第10章: SEOの効果測定と改善サイクル

イメージ SEO対策

マーケティングならなんでもそうですが、やりっぱなしは良くありません。SEO対策についても、対策実施後、その効果を適切に測定し、継続的に改善していくことが非常に重要です。以下では、私の経験から現実的なKPIなどの策定方法や何をモニタリングしたらよいかを書いていきます。

KPIの設定と分析方法

SEOの効果を測定するためには、適切なKPIを設定することが不可欠です。主なKPIとしては以下のようなものがあります:

– 表示回数
– 流入数
– クリック率
– 検索順位
– コンバージョン率
– コンバージョン数

私が担当した中古商品のECサイトでは、以下のようなKPI設定と分析を行いました:

– 一次KPI:オーガニックトラフィック数、オーガニック経由のコンバージョン数
– 二次KPI:検索順位(主要キーワード)、クエリカテゴリごとの流入数

ポイントは、「表示回数とクリック率は反相関することがある」ということで、

・実際にクリックしてきて何人が来てくれたか?
・その人たちはコンバージョンをする質の良い人だったか?

の2点に絞って日々のモニタリングを行い、個別施策のモニタリングとして順位やCVRを見ていた形です。

また、検索結果に関するGoogleの考え方を知り、今どんなクエリカテゴリが強いか弱いかを知るために、クエリカテゴリごとのモニタリングもしていました。

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本記事は2024年10月時点の情報をもとに構成しています。各種ツールなどは、アップデートも発生しており、随時状況が変わる可能性があります。最新の情報、手法の情報やお気づきの点があれば、お問合せフォームより編集部までご連絡ください。

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