Uber Eatsユーザーへのサブウェイ限定商品の認知を引き上げたUber広告の実力

フードデリバリー市場をけん引するUber Eats(ウーバーイーツ)が2023年から本格的に参入したUber広告が、新たな潮流を生み出そうとしている。Uber Eatsが10月18日に都内で開催したプライベートカンファレンス「Move with Uber 2024」では、新しい動画広告の「ポストチェックアウト広告」を活用した日本サブウェイの成功事例について紹介。進化を続けるUber広告のさらなる可能性を示した。

Uber Eatsのメインユーザーは所得の高い若年層

「Uber Eatsは、日本中の“腹ペコさん”たちが毎日集まる、他に類を見ない日本最大級のプラットフォームです」。セッションに登壇したUber Japan Uber Advertising 営業本部長の持田忠一郎氏は、Uber Eatsの特徴をこのように語る。

Uber Eatsユーザーの約7割は、何を食べたいか決まっていない状態でアプリを開き、豊富な選択肢の中からその場で食べたいものを決める。膨大な店舗の中から選ばれるためには、ユーザーの目に留まる広告戦略が必要不可欠だ。

写真 人物 個人 持田忠一郎氏

Uber Japan Uber Advertising 営業本部長の持田忠一郎氏

注目すべきは、そのユーザー属性だ。Z世代が約30%、Y世代とZ世代を合わせると63%と、若年層の利用が圧倒的に高い。またGWI社(注)が保有するインターネット平均ユーザーのベンチマークと比較すると、Uber Eatsのユーザーは世帯年収1500~2000万円で20%、2000万円以上で25%多く含まれる。

(注)GMI社:マーケティングリサーチ会社

「Uber Eatsは可処分所得の高い層を含む、若い世代を中心に利用されています。また、今日Uber Eatsを利用したお客様は、明日以降もまた腹ペコで帰って来るという、再訪性も高いことが特徴です。今日のお客様をより確実にキャッチする方法、そして明日以降のお客様の心を今日つかむ方法についてご紹介します」(持田氏)

「カスタムクリエイティブ」でユーザーの関心を惹きつける

続いて登壇したUber Advertising営業本部の中村友紀氏は、Uber Eatsの広告効果を最大限に高めるための具体的な方法について解説した。

写真 人物 個人 中村友紀氏

Uber Advertising 営業本部 Client Partner 中村友紀氏

Uber Eatsでは、ユーザーが画面を開いてから閉じるまで平均100店舗以上が表示される。ユーザーの約70%はフィードに表示された上位10店舗から選ぶ傾向にあるため、多くの選択肢の中から選んでもらうためには「表示順位」が非常に重要だ。Uber Eatsのホームフィードには複数の広告枠が設けられており、広告出稿によって平均5~6位に表示されることが多い。ユーザーの目に触れる機会を飛躍的に増やし、注文につなげるための第一歩といえるだろう。

そこから広告に興味を持ち店舗ページを訪れてもらうには、ユーザーの心をつかむ魅力的な広告クリエイティブが必須となる。この「クリック率」を向上させるための施策について、中村氏は「カスタムクリエイティブ」と「キーワードターゲティング」が重要であると説く。

1つ目の「カスタムクリエイティブ」とは、広告用のクリエイティブ活用を指す。2024年8月から、従来は画像のみだった広告クリエイティブに、訴求力の高いテキストを追加できるようになった。例えば、特定の曜日に通常よりも強いオファーを出している場合、広告画像にその旨を記載して、特定日限定のキャンペーンを走らせることで、ユーザーの関心をより惹きつけることができる。

実際に文言入りのカスタムクリエイティブを使用したブランドでは、クリック率が平均1.4ポイント、購入率が0.5ポイント向上し、ROAS(広告の費用対効果)も200%向上するという結果が出ているという。

「キーワードターゲティング」に自動拡張機能

2つ目の「キーワードターゲティング」とは、ユーザーが検索するキーワードを設定・購入することで、検索結果の上位に表示できる広告メニューだ。

「Uber Eatsユーザーの約3割は、『ピザ』『中華』といった興味のある料理カテゴリーやメニュー名のキーワードで検索してから注文します。『何を食べたいかが明確で、あとはお店を決めるだけ』のユーザーなので、通常のリスティング広告と比較してクリック率、コンバージョン率、新規ユーザー率が高く、費用対効果が高いという特徴があります」(中村氏)

2024年8月のアップデートにより、キーワードターゲティングに「自動拡張機能」が追加された。広告主側が設定したキーワードだけでなく、機械学習によって直近7日間のデータから親和性の高いキーワードを自動的に設定して広告が表示されるようになった。

「あるクライアント様の事例では、核として設定いただいたキーワードからの流入は全体のわずか3%で、残り97%は機械学習により設定されたキーワードによるものでした。自動拡張機能によって、思い浮かばなかった意外なキーワードからの流入機会の損失も逃さず、より効率的に広告効果を高められます」

サブウェイの動画広告は「注文後の“スキマ時間”」に着目

セッション後半は、サンドイッチチェーンを展開する日本サブウェイの土井英人マーケティングマネージャーが登壇。秋限定の新商品「燻タル」シリーズのプロモーションにおいて、Uber Eatsの「ポストチェックアウト広告」を活用した事例を紹介した。

ポストチェックアウト広告とは、Uber Eatsアプリで注文完了後に表示される広告のこと。ユーザーが料理の配達を待っている間、平均30分間にわたって広告を独占的に表示できるというものだ。

スライド ポストチェックアウト広告(動画)

「サブウェイでは毎年春にタルタルソースの限定商品を販売しています。しかし、今回は秋に燻製風味のタルタルソースという、これまでのイメージとは異なる新商品を発売することに。通常のタルタルシリーズと比べて、静止画で『燻製』という新しい魅力を伝えるのは難しいのではという課題があり、動画広告で訴求することにしました」(土井氏)

写真 人物 個人 土井英人氏

日本サブウェイ マーケティングマネージャー 土井英人氏

かねてから、Uber Eatsの「感度の高いユーザーが多く、比較的高単価な商品でも価値を感じれば購入につながりやすい」点と「広告の効果検証が正確で分かりやすい」ことを魅力に感じていたという土井氏。しかし、ポストチェックアウト広告については当初は懐疑的だったと振り返る。

「担当者さんからご提案されたときは、正直なところ『ピザを注文して届くのを待っているお客様に対して、サブウェイのサンドイッチの広告を出しても意味がないのでは』と思っていました。ただ、動画プラットフォームでの『見たい動画があるんだから早くスキップさせてよ』とうっとおしく感じる広告とは違い、注文完了後の待ち時間はユーザーにとってのスキマ時間。そこに動画広告を配信することで、どのような反応があるのか単純に興味がありました」(土井氏)

写真 人物 複数スナップ 持田忠一郎氏、土井英人氏

Uber広告について語る土井氏と持田氏

その結果、動画視聴率は80%以上、リーチ数は1週間で13万人以上、クリック率は7%という高い成果を出した。土井氏は特に動画の視聴完了率とクリック率の高さを評価する。

「再生回数が多いことをアピールする他の広告メディアもありますが、実際には最初の数秒しか見られていないケースも多いです。視聴完了率の高いメディアでも、必ずしも商品への関心に紐づいておらず、クリック率は0.01%~0.03%と『間違って押しちゃったのかな』と思われる程度です。再訪率が高いUber Eatsだからこそ、興味関心の高い方に動画を見ていただけたのかなと思います」(土井氏)

Uber広告の持田氏は土井氏の話を受け、「Uber Eatsのユーザーは明日もまた戻って来ると冒頭述べましたが、まさにそのお客様に届いたケースだと思います」と述べた。最後に、「Uber広告は、2024年以降もより多くのユーザーや広告主様のビジネス成長に貢献できるよう、新たな広告商品や機能を拡充していく予定です」と話し、セッションを締めくくった。

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Uber Japan 株式会社
Uber Advertising 営業本部

Webサイト:https://www.uber.com/jp/ja/advertising/

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