経産省の「イマーシブコンテンツ」 疑似家族の体験で介護への意識高める

没入体験を通じて社会浸透を図る

経済産業省は、介護プロジェクト「OPEN CARE PROJECT」の一環として、謎解き体験「ただいまタイムループ」を東京・渋谷の特設会場で開催した。11月第3日曜日の「家族の日」に合わせた施策で、期間は13~17日。疑似家族とのコミュニケーションを通じて、将来の介護に向けた会話を家庭内で活発化させる狙い。没入感を重視した体験を提供する「イマーシブコンテンツ」で参加者の介護への問題意識を高め、社会への浸透を図る考えだ。

写真 店舗・商業施設 謎解き体験「ただいまタイムループ」

疑似家族とのコミュニケーションを通じて介護の大切さを学べる「ただいまタイムループ」

日本は高齢化の進行に伴い、2025年には75歳以上の後期高齢者人口が2180万人に達すると予測されている。働きながら家族を介護する「ワーキングケアラー」も増加し、ピークを迎える2030年には約318万人になると推計。一人当たりの要介護者数も増加し、仕事と介護の両立による労働時間の減少や生産性の低下による経済損失は9.2兆円規模になると試算されている。

同省は課題対応のため、介護保険外サービスの充実など「介護需要の新たな受け皿整備」、「企業における両立支援の充実」、「介護に関する社会機運醸成」に向けた施策を推進。2022年度には介護プロジェクト「OPEN CARE PROJECT」を立ち上げ、これまで「OPEN CARE TALKS」などのイベントや、アイデアを表彰する「OPEN CARE AWARD」などを展開してきた。

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