キャリアスタートがデジタルマーケだったから今がある

デジタルエージェンシー出身者が事業会社のマーケターとして活躍するケースが増えています。企業のマーケティング部門では、デジタル領域の専門知識とともに、デジタルというユーザー接点の多い機会を活用して、効果的なブランド戦略を実行できる人材が求められています。今回は、実際にデジタルマーケティングからブランドマーケティングへキャリアを広げてきた小山魁理さんにお話を伺います。これまでどのような経験を積み、どのようなスキルが現在の役割に生かされているのか、そして事業会社で求められる視点や成長の機会について詳しくお聞きします。

デジタルエージェンシーから事業会社へ

──ご経歴を教えてください。

キャリアのスタートは、急成長ベンチャーのデジタルエージェンシーでした。そこで営業と広告運用を兼任し、3年半の間に営業部署のマネジメントも担当しました。その後、ドミノ・ピザ ジャパンに入社し、ソーシャルメディアを中心としたコミュニケーション戦略やアクティベーション、チームのマネジメントを担当しました。その経験を経て、商品の開発、プロダクトマネージャー、最終的にはブランドマネージャーとして、ブランディング領域の幅広い業務に携わりました。

そして、2023年11月にDMM.comへ転職しました。現在はマス広告、PR、SNSなどを駆使したアッパーファネルのコミュニケーション戦略を事業横断で担当する部署で、マネジメントを担当し、約25人が所属しています。

写真 人物 小山魁理さん

小山魁理(こやま・かいり) 氏
DMM.com
マーケティング本部 ブランドマネジメント部 副部長
大学卒業後、急成長ベンチャーのデジタルエージェンシーにて営業課長として営業チームを統括。2018年8月にドミノ・ピザ ジャパンへSNS担当として入社し、2022年3月からはブランドマネージャーとしてブランドの成長に貢献。2023年11月にDMM.comマーケティング本部ブランドマネジメント部の副部長に就任し、マス広告、PR、SNSなどを駆使したアッパーファネルのコミュニケーション戦略立案と実行を社内外のステークホルダーと共に事業横断で推進している。

──デジタルエージェンシーから事業会社へ転職されたとき、どのような経験やスキルを評価されたと思いますか?

デジタルマーケティングというと、どうしてもCPA改善などのテクニックに話が偏ることもあると思いますが、私の場合は採用選考時にクライアントの方針や意思決定にどれだけアプローチできたかをアピールしました。具体的には、ある案件で、クライアントが想定していなかったキーワードで多くのコンバージョンが取れていることを確認しました。

デジタルマーケターとして検索クエリをすべて分析し、どのキーワードがコンバージョンに結びついているかを確認するのは必要不可欠ですが、そこで得たインサイトを生かして、ユーザーのニーズを深掘りしたうえで、「詳細な分析は必要ですが、御社の開発力と柔軟性があれば新たにプロダクトを開発しても良いほどのポテンシャルがありそうです」と提案したところ、実際にクライアントの新しいプロダクトの一つとなり、新規顧客の獲得や新しい販路の開拓に成功しました。

このようなお客さまのインサイトから事業価値向上の提案をしていた私の実績と、ちょうどドミノ・ピザ ジャパンがSNSのユーザーボイスを積極的に拾い上げて事業に生かそうとしていたタイミングが合致し、期待していただけたのだと思います。

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必見・キャリアのツボ集 by マスメディアン
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