1989年の創業以降、全国29都道府県下に243店舗(2024年11月末時点)を展開しているホームセンターのカインズ。
顧客との接点創出のために、DIY好き約4万人が集うファンコミュニティ「CAINZ DIY Square(カインズ DIY スクエア)」を運営している。その会員はコミュニティ参加前と比較し、購入額増加にも貢献しているという。
きっかけはプロジェクト設立
「CAINZ DIY Square」は、DIY好きが集い、DIYに関するコミュニケーションができるプラットフォームだ。オンラインに加え、リアルでも “つながる”機会を生み出すコンテンツを揃え、DIY仲間とDIYを楽しめる空間となっている。
設立されたのは、2021年11月のこと。カインズで2019年から始まった「DIYer(DIYに取り組む人)100万人プロジェクト」の一施策として誕生した。DIYerを増やし「DIYをライフスタイル(生活文化)」まで押し上げることをミッションとしている。
「お客様との接点はこれまで、店舗やワークショップ(WS)をはじめ、ほとんどがリアル(対面)での機会でした。そこで新たにオンライン上での接点づくりや、顧客のくらしをサポートする目的で立ち上げました」と、面白事業部 DIYコミュニティグループ グループマネジャー 澁谷慶子氏は振り返る。
気軽に投稿できる空間
「CAINZ DIY Square」のオンラインページの累計PV数は約1100万で、会員以外の訪問も合わせると月間約10万人に上る。累計アクション数は約530件、累計投稿数は7.5万人と、熱量の高い会員も多いという。
コミュニティのメニューとして、会員に最も活用されているのが、オンライン上で自分のつくった作品を投稿してシェアできる「作品投稿」機能だ。木工やガーデニング、ハンドメイド、料理など、幅広いカテゴリのDIY作品が投稿され、その総数が5万件以上にも上る。オープンな投稿形式で投稿へいいねやコメントができる機能もあり、会員同士のコミュニケーションも活発化している。
オンライン上で自分のつくった作品を投稿してシェアできる「作品投稿」。木工やガーデニング・ハンドメイド・料理など、幅広いカテゴリのDIY作品が5万件以上投稿されている。
また、オンライン上でDIYや日常について語り合うことができる「トークルーム」も設置。DIYの疑問をカインズ認定のアドバイザー「DIYキャプテン」に質問し、サポートを受けられるのも特徴的だ。「DIYキャプテン」は、カインズの店舗内で実施される「WS」にも常駐しており、リアルでもサポートしてもらえる環境を整えている。
投稿したくなる多数の仕掛け
コミュニティへの参加や投稿を活発化させるために「ポイント・ランク制度」を導入している。コミュニティ内での投稿や”いいね”などのアクションごとにポイントが貯まり、ランクアップできる制度だ。ランクは5段階あり、段階に応じて「オリジナルグッズ」など、多様な特典がもらえる。