宮崎県西都市は、市内唯一の高校である宮崎県立妻高等学校にて、本を通じて若者を応援する『18歳の図書館』を開館。本の貸し出し期間は3年間と日本一貸し出し期間が長い図書館(※2024年11月現 KOKOKARA調べ)となっている。
『18歳の図書館』で貸し出すのは「18歳に、3年後もう一度読んでほしい本」。笑いタレントのおかずクラブ・オカリナ、歌手の米良美一をはじめとする西都市出身者の著名人や、西都市内で活躍する大人たち総勢79名が総数250冊を選書した。それぞれの本には、本を選んだ大人が考えたタイトルがつけられ、生徒たちは背表紙のタイトルを手がかりに本を選ぶ。中には18歳に向けたメッセージ付きの栞も挟まれている。
生徒たちは本を借りる際に、3年後の自分宛に読書感想文を送る。感想文用紙の半分には今の気持ちを書き、残りの半分は3年後の自分のために空欄に。そして3年後、18歳の生徒であれば20歳のころに当時の自分から感想文が届き、借りた本と一緒に空欄を埋めた読書感想文を提出してもらうルールとなっている。
この取り組みは、西都市が「移住って、あなたのワクワクをはじめること。」をコンセプトに推進している「西都はじめるPROJECT」の一環。開館当日には、本と出会った様子を収めた『18歳の図書館』コンセプトムービーを「西都はじめるPROJECT」公式HPにて公開した。
『18歳の図書館』コンセプトムービー
市と若者がつながり続ける企画
本施策は、大学のない地方自治体が抱える共通の課題である「高校卒業後に多くの若者が、地元を離れていくこと」に着目して生まれたもの。西都市ではこれを、自治体にとっては課題である一方、若者にとっては外の世界を知って“自分の可能性”を広げ、見つけることができる大きなチャンスと捉えた。
そこで「何かをはじめる若者を全力で応援したい」という想いをもとに、地元を離れる18歳から、再び西都市に帰省するタイミングでもある「20歳を祝う会」までの3年間を貸し出し期間とした『18歳の図書館』を開館。これにより市と若者が街を出てからもつながる仕組みをつくろうと考えたという。
西都市は今後も毎年、本プロジェクトの実施を予定しているほか、共通の課題を持つ他の地方自治体にも本プロジェクトを開放し、『18歳の図書館』の取り組みを共有・展開していきたいとの考えを示している。
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