PR TIMESは11月28日、同社が運営するプレスリリース配信サービス「PR TIMES」において、2024年に発表されたプレスリリースを対象としたキーワード分析結果を発表した。
対象としたのは、2024年1月1日から10月31日までに、企業から発表されたプレスリリース32万8938件。企業から配信のあったプレスリリースにおいてキーワード登録の多かったものについて分析し、ランキング化した形だ。
2024年の総合ランキングでは「イベント」が1位、「DX」が2位、「新商品」が3位、「AI」が4位と続いた。
1位の「イベント」は2023年の1万4394件から2024年は1万4214件と横ばいで推移しているが、特に増加が顕著だったのは「AI」だ。2024年は1万393件と初めて1万件を超えた。2019年の2788件から年々増加を続け、2023年の9335件からさらに伸長している。
また「生成AI」も9位にランクインし、2023年から約2.9倍の5667件へと増加した。「LLM」(大規模言語モデル)や「RAG」(検索による回答精度向上技術)など、AI関連技術の広がりを示すキーワードも増えている。
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「本社移転」「猛暑」が急増
2023年と2024年の同期間におけるキーワードの使用件数の増加数を比較した「キーワード急上昇ランキング」も、同時に公開された。
1位となったのは、総合ランキングでも言及した「生成AI」で、2位には「能登半島地震」がランクイン。関連して10位「石川県」、19位「地震」も登場し、1月に発生した地震による企業の復興支援や寄付、地元企業の復旧報告などの発表が継続的に行われたことを示している。
またランキング外ではあるが、2024年の特徴的な動きを示すキーワードとして「本社移転」「猛暑」が注目されている。
「本社移転」に関する発表は、コロナ禍の影響で2020年に急減した後、2021年から2023年まで横ばいで推移していたが、2024年には約2.26倍の140件に急増した。背景として、企業のワークスタイル変革でオフィスの在り方を再考する動きが表れていることが大きい。また本社オフィスを、企業理念などを体現する場として位置づけ、その移転をPRの機会として活用する傾向も強まっていることが調査の分析で言及されている。
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また、近年の気候変動を反映する「猛暑」というキーワードも増加した。2023年に193件だった「猛暑」関連のプレスリリースは、2024年には約1.8倍となった。2023年に続き猛暑日が続いた2024年は、夏季の商品やサービスに関する情報発信にとどまらず、前年からの猛暑への危機感を反映してか、夏本番を前にした暑さ対策グッズなどの新商品発表が目立った。
PR TIMES分析担当の杉本秋氏は「今年は前年比較による急上昇ランキングがしっかりと世の中を反映した形で出てきた」と評価。「AIの伸長はもちろんのこと、災害や政治経済の流れを汲むキーワードが上昇する一方で、社会的な盛り上がりを見せるキーワードも増えている」と分析している。