生命の循環や時の連なりを見つめた、写真家・瀧本幹也氏の新作展

写真家・瀧本幹也氏の展覧会「LUMIÈRE / PRIÈRE(ルミエール / プリエール)」が、12月5日から東京・代官山のヒルサイドフォーラムで始まる。

写真 「LUMIÈRE / PRIÈRE(ルミエール / プリエール)」作品

瀧本氏は、1974年生まれ。藤井保氏に師事したのち、98年に写真家として独立。以後、広告写真やCM映像をはじめ国内外での作品発表や写真集の出版など、幅広く活動を続けている。また、写真と映像で培った経験と表現者としての視点が評価され、是枝裕和監督の映画『そして父になる』『海街diary』『三度目の殺人』の撮影を務めている。そして近年は国内にとどまらず、『CHAOS 2023』(OGATA Paris、パリ、2023)、『丹下健三と隈研吾』展(パリ日本文化会館、2024)で展示も行っている。

そんな瀧本氏が今回発表したのは、小型カメラひとつで野の草花を見つめたシリーズ「LUMIÈRE」と寺院を歩いて巡りながら撮影したシリーズ「PRIÈRE」だ。いずれもコロナ禍を経て、生命の循環や生きものと地球という惑星との共存に思いを馳せながら、瀧本氏が新たな境地で撮影した作品だ。

新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大によって、仕事がストップ。それまでの作品づくりのように世界各地に飛び、大がかりな撮影もできなくなったとき、瀧本氏が偶然目にしたのが野に咲く菜の花だった。季節が巡るたび繰り返し芽吹く小さな植物の命や記憶は、一体どのように繋がってきたのだろうかと、 その内部に息づく「小宇宙」を探求すべく、始まったのが「LUMIÈRE」(フランス語で「光」)シリーズだ。

一方、2020年秋。京都で国際写真祭に参加した瀧本氏は「円融」(仏語。すべての事物が完全に溶け合い、互いに妨げないこと)という言葉に出会った。過去から現在、そして未来へと脈々と続いてゆく時の流れに自らも連なっていることを感じた瀧本氏が、その連なりをとらえるべく寺院を歩いて巡りながら撮影したシリーズが「PRIÈRE」(フランス語で「祈り」)として結実した。

本展では、2つのシリーズの大型作品を含む約60点ほか、映像作品とインスタレーション作品も展示する。また、本展は2025年2月に京都に巡回する。

瀧本幹也 写真展 LUMIÈRE / PRIÈRE(ルミエール / プリエール)

会期: 12月5日(木)~15日(日)
会場:代官山ヒルサイドフォーラム
時間:11時~20時30分(最終入場20時)
   最終日は10~18時、会期中無休
入場料:500円 高校生以下無料

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