PR効果が11億!最強広報パーソン(?)くまモン人気の秘密

触れ合ったファンの数200万人、グッズの申請数2000以上、関連商品の売上合計が10億円を突破、そして「ゆるキャラRグランプリ」優勝によるPR効果が11億2000万円……と、驚異的な数字を次々と叩き出しているのは、熊本県のPRキャラクター「くまモン」だ。

「くまモン」は、2011年の九州新幹線全面開業へ向けたスローガン「くまもとサプライズ」と共に生まれた熊本県のキャラクター。当初の目的は、県民に自分たちの周りにある「サプライズ(地域の魅力)」を再発見してもらい、それを熊本県の人びとをはじめ、全国の人びとへ広めていくこと。

その後、10年10月に蒲島郁夫熊本県知事より「くまもとサプライズ特命全権大使」に任命されたことを機に、大阪の名所等を中心に神出鬼没、名刺1万枚を配布しながら、交通広告や新聞、ラジオ、ウェブ、ツイッター等を活用した“くまモン話題化計画”を開始。そして、11年7月からは東京を中心に関東地方での活動も開始した。

9月には蒲島知事のさらなる辞令を受けて、知事直轄の営業部長に昇進し、さまざまな企業と県産品を使ったコラボレーション活動を進め、カゴメ、UHA味覚糖から熊本県産物を使った商品も発売となった。さらに、「くまもとミリオンプロジェクト」もスタートさせている。12月には東京で初めてのファンミーティングを開催したところ、400名を超える人が集まり、その人気はじわじわと全国区へと広がりつつある。

そんなくまモンをディレクションしているのは、熊本県新幹線元年戦略推進室、くまもとブランド推進課と広報課の三部署。いずれも熊本の魅力を県内外に伝え、広めていくことがミッション。三つの課で情報を共有し、協力しながら、PR活動を進めている。

くまモン

「広報会議」編集部のためにサインをしてくれたくまモン。体操もできる、サインもできる、名刺交換もできるキャラクターなのである。


ゆるキャラ(R)グランプリ

「ゆるキャラ(R)グランプリ」受賞後に熊本県庁で実施した撮影会の様子。県内外からファンが集まった。

くまモンの活動で注目すべきことは、このキャラクターならではの動きの良さとその表情はもちろんのこと、イベントなどにどんどん参加するフットワークの軽さ、そしてソーシャルメディアを使った発信力にある。現在はオフィシャルサイトのほか、大阪を中心としたサイト、東京を中心としたサイトを設け、それぞれでブログやツイッターを開設している。

驚くべきことに、それぞれのサイトは共通の内容、デザインではなく、個別に制作されている。現在、くまモンは熊本、大阪、東京で主に活動している。ブログは現地に常駐し、くまモンと行動を共にするスタッフ「くまモン隊」が執筆しているため、内容が異なるのだ。また、いろいろな場所を訪問した際の映像や写真もこまめにアップ、イベント参加スケジュールも詳細に掲載している。

こうして情報を発信することで、ファンが定期的にチェックし、くまモンに会いに来てくれる。「ゆるキャラ(R)グランプリ」受賞後に熊本県庁で実施した撮影会にも東京から数人、県外からは150人前後の人が集まった。最近では常にイベント会場に現れる“追っかけ”もいるほどで、関西では1年足らずで認知度が41%に達した。「くまもとサプライズの目的は熊本の産品などを知ってもらい、実際に足を運んでもらうこと。特に東京では阿蘇や天草を知っていても熊本と結びついていない人も多く、熊本は素通りされがちでした。まだ少数とはいえ、くまモンがきっかけで熊本に足を運んでもらえたり、グッズを買ってもらえるようになり、目的の達成に一歩ずつ近づいているという感じです」(熊本県新幹線元年戦略推進室室長・本坂道氏)。

※くまモンのPR活動についての詳細は、「広報会議」2月号をご覧ください。

『広報会議』2012年2月号
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