短期的な「広告」ではなく、持続的な「行動」でサステナビリティ推進
トヨタ自動車は、軽度の認知症当事者の課題解決を目指すWeb動画「認知症の『誤解』を『理解』へ」を12月4日から公開している。一般的な認知症に対する「誤解」を「理解」に変え、症状が軽度にも関わらず移動を制限されている人たちの状況を改善することが目的。社会課題の解決を目指す「#CHANGEトヨタのサステナビリティ」プロジェクトの一環で、モビリティへの関心が低いような若年層にもコンテンツを訴求したい考えだ。
当事者のリアルな声を紹介する動画「認知症の『誤解』を『理解』へ」
動画では認知症の当事者に、診断されたときの不安や周囲の変化、家族の理解が得られたことで起こった変化を映像で紹介。当事者が家族への感謝をしたためた手紙の内容を伝えている。「この歳になってまで親を泣かせてしまった」「忘れっぽいけど工夫すればいろんなことができる」など、リアルな本音が語られる。
トヨタからのメッセージより、当事者たちのリアルな声の方が共感されやすいと判断し、「当事者から、家族への手紙」という映像企画に至った。当事者に寄り添う家族や周囲の人々のことを考え、「誤解で苦しんでいる実態」とは真逆の「家族への深い感謝」も意図的に盛り込んだという。
動画で得られた世間の反応や効果測定は開発部署にもシェアする。サステナビリティ推進部の斉藤秀明氏は「サステナビリティ施策では、短期的な『広告』をつくるのではなく、持続的な『行動』につなげていくことが重要」とし、開発部門とコミュニケーション部門が一体となって取り組みを推進する考えだ。