月刊『広報会議』で振り返る広報の潮流2024

『広報会議』編集部では広報部門103社を対象にしたアンケートを実施。その結果や『広報会議』のバックナンバーをもとに、昨今の広報活動の傾向を見ていく。なお広報部門調査の詳細については2024年12月28日発売『広報会議』2025年2月号に掲載している。

採用広報の強化

人手不足時代に選ばれる企業へ
「採用広報を強化し、会社・事業・文化・人の魅力の言語化とその発信に注力予定」「採用に貢献できる取材を誘致したい」など、広報部門調査では、「採用」を目的にした施策についての意欲的な回答が目立った。『広報会議』2024年10月号では「採用広報の最前線」特集を組んでいる。メディアリレーションやオウンドメディアを通じて企業の魅力に気づいてもらう取り組み、採用サイトだけでは伝わりづらい職場の雰囲気を伝えるコンテンツづくりなど、広報部門ならではの採用へのかかわり方をレポートした。

従業員を守るコミュニケーション

カスハラ対策の公表
カスハラ対応の指針を公表した企業の話題が注目を集めた2024年。自治体によるカスハラ防止条例の施行にも関心が集まっている。対策を施し従業員を保護する姿勢を積極的に示していくことは、カスハラ抑止に加え、安心して働ける職場環境づくりにおいても良い影響を及ぼす。2025年1月号では、効果的なカスハラ対応ポリシーを発信するメリットや、発信する上で広報担当者が押さえておきたいポイントを専門家が解説している。

透明性を高め不信感を払拭

積極的な公表がもたらすもの
2024年、記者からの追及が過熱した記者会見を振り返ると、企業の開示姿勢に疑念が生じていることが分かる。その逆で、不信感が高まっている業界において「情報開示と透明性を前面に出す広報戦略が奏功した」という成功例も、広報部門の調査で寄せられている。2024年9月号では、不信感を早期に払拭する広報、誤解を解くだけでなく企業姿勢をアピールする広報について、専門家が事例を分析している。

災害対策、広報体制を再点検

有事の訪日客向け発信の対策を
能登半島地震などの自然災害や、南海トラフ地震臨時情報の初発表などを受け、浮かび上がってきた課題に広報としていかに対処していくか再検討している企業もあるだろう。災害時の情報発信は、迅速さが問われ、デマや混乱を避けるなどの観点からも平時から対策をしておきたい。2025年は阪神・淡路大震災から30年の節目の年でもある。2024年10月号では、災害時の訪日外国人向けの情報発信をテーマに、機械翻訳を前提とした広報のあり方を専門家が解説している。

広報活動への社内の理解促進

広報にできることは何か
「広報活動の効果や意義を経営者に理解してもらいたい」とのの声が、広報部門の調査で寄せられている。広報に何ができるのかを社内で啓発し、広報体制を整え組織の広報力を高めようとする動きが見られる。2024年広報活動に関する投稿の炎上が続いたことを受け、「広報の価値を上げるにはどうしたらいいのか」との声も上がっている。ここで研究したいのが「BtoB企業」の広報活動だ。メディア露出や効果測定の難しさがありながらも、積極的に活動をしているケースから、広報の重要性や役割を改めて整理しておきたい。2024年12月号ではBtoB企業の広報活動について特集した。

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