ファミレスを参考にした空間づくりで社員同士の影響促進
コクヨは1月15日、人材育成施設「DIG」をオープンする。「人間性」を重視したクリエイティビティを実現するため、社員の情熱や暗黙知を共有する場として設計。社員同士が互いの活動から刺激を受けやすいように、多種多様な客の様子を見渡せる「ファミリーレストラン」の構造を参考にした。既存事業が順調に成長する中、新しいことへの挑戦が課題と認識。人材育成をテコ入れに、約20年にわたって3000億円規模で推移している売上を、2030年までに5000億円に到達する目標を掲げる。
人材育成施設「DIG」とH&C本部働き方改革室の江崎舞氏
正式名称は「DISCOVER & SHARE PLACE DIG」。施設名の由来は社員が好奇心を持ったテーマを自主的に「掘り進める」ことで、社員同士が学び合って深く探求する場所にしたいという思いを込めている。場所は東京品川オフィス「THE CAMPUS」隣に位置する「日新ビル」(東京・港)の1~2階部分で、広さは約500平方メートル。従来のオフィスから徒歩1~2分の距離となっている。
設計チームがファミレスを実際にリサーチし、その特徴を施設に取り入れた。特に、ドリンクバーに飲み物を取りに行く際、店内を回遊しながら他の利用者の様子を自然と確認できる点に注目。同施設にもドリンクバーを設置し、飲み物を取りに行く際に研修スペースやボックス席のそばを通るよう導線を工夫した。
社員同士の活動を目にして刺激を受ける機会を増やす狙いがある。大人数向けの研修スペースを2階の最奥に設置しており、社員が研修などのために同施設を訪れた際、内装や社員の活動を見る機会を設け、施設利用の促進を図る思惑がある。