帝国データバンクが1日発表した出版社620社の09年度決算(09年4月~10年3月期)調査によると、売り上げ上位10社のうち8社が減収、4社が赤字となった。同社は「出版不況が叫ばれて久しい中、電子書籍市場が発展すればさらに苦戦を強いられる可能性がある」(帝国データ)とみている。
調査は売上高が1億円以上の出版社を対象とし、このうち249社が2期連続減収となり、70社が2期連続赤字だった。売り上げ上位10社のうち講談社と小学館、光文社が2期連続赤字、文藝春秋が赤字に転落した。
一方で、宝島社とメディアファクトリーが売り上げを伸ばした。2期連続黒字の企業は両社を含み400社に上った。売上高で減収傾向が続く中、不採算部門からの撤退やリストラなどの手を打ち、赤字の回避を図る出版社が多いと見られる。
書店業界は、上位10社中5社が2期連続増収となった。もっとも、業界首位の紀伊國屋書店と3位の有隣堂が減収に。一方、中小書店チェーンは減収が目立った。上位の損益では、10社中7社が2期連続黒字となった。