I&S BBDOはこのほど、01年から09年まで実施している国内消費者の意識調査を基に、2000年代の意識傾向をまとめた。それによると、この期間は景気低迷やデフレの影響を受け消費者の生活防衛意識が一貫して高く、不満や不安を抱えていることが明らかになった。閉塞感が高まる中で、新たな消費を生み出す商品やサービス開発のヒントとして、「自分を鼓舞するための儀式」や「懐かしさへの安心」、「希望につながる感動」などの方向性を10のキーワードで表した(図表)。
00年代の9年間の消費者意識の推移では、チャレンジ志向が薄れ、マイペースで内向きな生き方を求める傾向にある。余暇や交際費を筆頭に、あらゆるジャンルで消費を抑える中、「今よりお金をかけたいこと」について08年から09年にかけてのスコアが上昇したのは「健康維持」のみだった。
一方、08年後半からのリーマンショックに端を発する金融危機の影響は、欧米に比べると軽微であることも明らかになった。「日本人はむしろ、ガソリンや生活最寄り品の値上げなど直接的な要因に強く影響を受けている」(I&S BBDO)と分析している。