岩井俊二監督、震災から1年を経て映画『friends after 3.11』公開

舞台あいさつをする岩井俊二監督


friends after 3.11

シャボン玉石けん 森田隼人社長による花束贈呈

『リリイ・シュシュのすべて』や『花とアリス』などの作品で知られる岩井俊二監督の新作映画が、3月10日より東京・オーディトリウム渋谷で公開されている。

タイトルは『friends after 3.11』。仙台市出身の岩井監督が、女優で写真家の松田美由紀さんをナビゲーターに迎え、「脱原発アイドル」の藤波心さんと共に、様々な専門家や活動家にインタビューし、また地元の友人に話を聞きにいった様子を収めたドキュメンタリー映画だ。インタビューには、京都大学原子炉実験所の小出裕章助教授、中部大学総合工学研究所の武田邦彦教授ほか、脚本家の北川悦吏子さん、音楽プロデューサーの小林武史さんらクリエイターも登場し、原発問題やこれからの日本に対する想いを語っている。

初日の舞台挨拶に登場した岩井監督は「3.11の後しばらくは、自分で作品を作ろうという感覚はなかった。そう簡単にやすやすと作品に昇華できるとは思っていなかった。だが、人との出会いを通じて『自分でもできることがある』という感覚がわきあがってきて、気づけば、色々な人に話を聞くという方法で映画づくりがスタートしていた」と当時を振り返った。「日本という国がまだ未曾有の危機にある中で、我々大人も、子どもたちも真剣に向かい合っていかなければい」と言い、この映画がそのきっかけになればという思いを明らかにした。

舞台挨拶には、映画に協賛するシャボン玉石けんの森田隼人社長も北九州市から駆け付けた。「せっけんを作っている会社がなぜ映画に協賛しているのか?と思われる人がいるかもしれない。だが、当社は健康な身体とキレイな水を作ることを企業理念とし、40年前から環境無添加のせっけんを作ってきた。メーカーである当社の企業活動と電力は切っても切れない関係にある。健康な身体とキレイな水を守りたいという思いで、この映画への協賛を決めた」と話した。

脱原発アイドルの藤波心さんは、被災地を訪れて「布団で寝られること、温かい食事ができること、家族みんなで話せること…そういう一番当たり前のことが一番の宝物と気づいた。この映画を見て感じたことを、家族や仲間、大切な人と話し合ってその輪を広げてほしい」と訴えた。



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