「ローカル」を鍵に発信――「い・ろ・は・す」2011年事業戦略

(写真左)日本コカ・コーラ マーケティング本部 ウォーターカテゴリー兼大人向け飲料グループ 福江普ニ統括部長

日本コカ・コーラは3日、ミネラルウォーター「い・ろ・は・す」の2011年のコミュニケーションプランを発表した。製品特徴である「しぼれるボトル」が、同社調査の再購入意向の理由で目立ったため、引き続き訴求を図る。テレビCMを14日から全国で放送するほか、新聞、雑誌、交通広告で展開する。イメージキャラクターは俳優の阿部寛を継続起用する。

広告予算は「従来と同等以上」(マーケティング本部ウォーターカテゴリー・福江普ニ統括部長)とした。また7つめの採水地を愛媛県に設けたことから、地元密着の商品であることを今後アピールしていく予定。広告会社は博報堂。

同商品は内容量を520ミリリットルから555ミリリットルへ増量、パッケージのラベルも刷新する。「メッセージは充分伝わった」(福江統括部長)として、「おいしい+環境にいい」との文言を削除、ロゴを拡大した。植物由来原料を用いたボトルを示す「プラントボトル」のマークもなくし、「天然水」表記は「Natural Mineral Water」に変えた。シンプルなデザインにしたことで、視認性が従来から5ポイント伸びて、86ポイントとなった(同社調べ)。姉妹商品でコンビニエンスストア限定だった「い・ろ・は・す みかん」は14日からチャネルを拡大し、スーパーでも販売を始める。

2011年は販売金額シェア1位を堅守

「い・ろ・は・す」ブランドの商品は2011年までに、約8億本を出荷した。2010年下半期には、ペットボトル入天然水市場での販売金額シェア(自動販売機除く)が28.4%で1位となった。販売量シェア(同)は20.6%の2位で、福江統括部長は「販売金額シェアを優先し、1位堅守に回る。特に、既存ユーザーの飲用回数増を図りたい」とした。

成功要因には、「環境を切り口にしたことで、競合商品と差別化できた」(福江統括部長)ことを挙げる。広告でも、一般に天然水商品はゆったりとした情緒的な広告が多い中、「い・ろ・は・す」の広告は「活発さ」「元気の良さ」を打ち出したことが、シェア拡大に寄与した。

「い・ろ・は・す」は台湾、ベトナム、香港、韓国、メキシコでも展開しており、各地の広告表現は日本のクリエーティブを踏襲している。「これまでの日本コカ・コーラで、日本発の広告が世界展開されることは珍しい」(福江統括部長)という。

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ