全国の折込広告業が集まる「2012折込広告全国大会」が、9月10~11日の2日間、東京都内で行われた。第27回を迎える今回のテーマは「折込広告の明日を考える2~メディア多様化時代における折込広告の役割と価値創造」。
10日は「研修会」として、「生活者から見た折込広告効果分析と無読者の買物行動」やSNS、電子チラシといったインターネットの活用に関する5つのセミナーが実施された。
翌11日は、450名以上の参加者による本大会が行われた。大会会長である、東京都折込広告組合 理事長の岩丸陽一氏は「急速に拡大するネットをはじめとした他メディアを、コンペティターに位置付けるだけでなく、それらが持つ優れた機能を研究して積極的に取り入れていくことが大事。新聞発行本社、新聞販売店、広告主、そして新聞購読者に貢献することで市場を活性化していきましょう」と挨拶した。
その後、基調講演として、『デフレの正体』の著書でもある、日本総合研究所 調査部主任研究員である藻谷浩介氏が登壇。
世の中で言われていることに惑わされず、しっかりと数字を把握することが大事と述べたうえで、子どもの減少と65歳の高齢者の増加が経済活動にもたらす影響について講演。
広告費全体を含め、多くの経済指標が15歳~65歳の人口推移に連動する中で、新聞折込広告については、大きく落ち込むことなく異なる動きをしていることを指摘。その理由は、地域に根差したメディアで消費者のニーズに合っているからとした。
今後折込広告が発展するには「なぜ折込広告をチェックしたくなるのか、見てしまうのか」という理由の分析をしっかり行うことと、退職男性が読んでしまうような、地域情報のある折込広告を作成できるかどうかだ、と述べた。