アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。
宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。
本日は、電通関西支社の森田直樹さんへのインタビューを紹介します。最近の仕事としては、かっぱ寿司のテレビCMが挙げられます。「出会い」編、「特急レーン」編、「打ち上げ花火」編の3部作で、かっぱ寿司を舞台に男女の恋を描くという、個性的な作品です…!
かっぱ寿司のCM動画は、こちらでも見られます。
——コピーが浮かぶのは、どんな瞬間でしょうか?
森田さん 早朝、静寂。夜は苦手です。
——日常生活と同様、コピーを書くシーンも「朝型」「夜型」の2つに分かれそうな気がします。コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?
森田さん 特にこだわりはなく、キーボードかペン&紙があれば。紙は紙ナプキンでも付箋紙でも、何でもいいです。
——アイデアを出力するツールも、「紙」派と「PC」派に分かれるです(もちろん兼用の方も多いですが…)。応募者の皆さんは、どちらのツールで、アイデアを文字化しているのでしょうか?最後に、森田さんが考える、コピーライターが担うべき役割について聞かせてください。
森田さん 言葉は、とても明確なもの。そのせいか、言葉はしばしば自由を失う。事情や都合でがんじがらめになる。すると明確で強いはずだった言葉が、意味をなさない、文字のカタチだけをしたものになり下がる。「言葉ってつまらないね」といつのまにかなる。コピーライターの仕事とは、言葉の自由を、強さを、素敵さを守り抜くことなんじゃないだろうか。僕らは“言葉守”みたいにならないといけないんじゃないだろうか。と、あらためて神妙な気持ちになってみました。
——「言葉って面白い!」「言葉の力ってすごい!」という気運を盛り上げ、言葉に対する人々の信頼・期待を高めるのも、コピーライターが担う重要な役割なのですね。
次回は、サン・アドの笠原千昌さんへのインタビューを紹介します。応募締切日まで残り30日。応募者の皆さんへの熱いメッセージも寄せていただきました。お楽しみに。
森田直樹(電通関西支社 TOKYO ROOM/クリエイティブディレクター)
1963年生まれ。TCC賞、ACC賞、アジアパシフィック賞、NYフェスティバルなど受賞。
【宣伝会議賞1分アドバイス バックナンバー】
- 赤城廣治さん「今の時代に求められるコピーライターとは、独自の『いいね!』を押せる人」
- 中村猪佐武さん「良いコピーを生むのは、ADやプランナーとの『あーでもないこーでもない』」
- 岩田正一さん「コピーライターは、『想いを言葉にする』仕事」
- 服部タカユキさん「コピー講座で教わったことを愚直に守り続けた」
- 安路 篤さん「コピーは、発見と切り口」
- 薄 景子さん「編集者の感覚を持つと“生きたことば”が書ける」
- 小川英紀さん「机の前でウンウンうなる」
- 玉山貴康さん「受賞できなかった悔しさが、今につながっている」
- 鵜久森 徹さん「アイデアを練る場所に、こだわりはない」
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。