宣伝会議賞1分アドバイス(27)篠原 誠さん「プロもみんな、格闘してコピーを生み出している」

9月1日からスタートした第50回宣伝会議賞。10月31日の締切が徐々に迫ってきています。

アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。

宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。

本日は、電通の篠原 誠さんへのインタビューを紹介します。

宣伝会議賞への応募経験もお持ちの篠原さん。当時味わった、悔しい思いも明かしていただきました。最近の仕事としては、家庭教師のトライのテレビCM「教えてトライさん」シリーズが挙げられます。アニメ『アルプスの少女ハイジ』の世界に教育のプロ「トライさん」が紛れ込んだコミカルなCMが印象に残っている人も多いのではないでしょうか。
テレビCM「教えてトライさん」は、こちらでも見られます。

——コピーが浮かぶのは、どんな瞬間でしょうか?

篠原さん 企画をするのは喫茶店など電話が鳴らないスペースが多いのですが、コピーを書くのは、実は会社のデスクが一番多いです。見せかけだけのヘッドホンをして。

——書くと決めたら、一心不乱に書く。そのための環境を、自分でつくることが大切と言えそうです。コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?

篠原さん 紙、ペン、飲み物です。

——篠原さんは、宣伝会議賞への応募経験もお持ちですね。当時のエピソードを聞かせてください。

篠原さん アホほど、書いて、アホほど、出して、一つもひっかからなかった。宣伝会議賞の方を心の中で責めました。

——そうして真剣に取り組んだ経験が、今につながっているのですね。最後に、篠原さんにとって、コピーライターとはどんな仕事でしょうか?

篠原さん 17年、この仕事をしてきましたが、いつまでたってもコピーがうまくなっている気がしない。毎回毎回、必死で考えて苦しんで楽しんで生み出している。てっきり、うまくなったら、簡単にコピーがでてくるものだと思っていました。

・・・出てこない。みんな格闘して生み出している。だから面白いのだと思います。言葉は、共有しやすい。そういう意味で、自分が生み出したコピーが世界を動かす可能性だってある。ドキドキする仕事です。

——広告界の第一線で活躍しているコピーライターも、常に“生みの苦しみ”を感じているのですね。それだけに、コピーが広告として世の中に出たときの喜びもひとしおなのではないでしょうか。

次回は、ダイコクのサトー克也さんへのインタビューを紹介します。自分が書いたコピーが人々の心を動かせるか、見極める方法も教えていただきました。お楽しみに。

篠原 誠(電通/コピーライター、CMプランナー)
1972年生まれ。最近の仕事に、パイロット、アクエリアス、家庭教師のトライ、NTT東日本、森永製菓、キヤノンなど。カンヌ国際広告祭ブロンズ、アドフェストゴールド、ACCゴールド、ADC賞など受賞。


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『宣伝会議賞』
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。
第50回 宣伝会議賞
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