アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。
宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。
本日は、ダイコクのサトー克也さんへのインタビューを紹介します。
企業広告を中心に、CDとして数多くの広告を手掛けるサトーさん。第47回(2007年)ACC賞 グランプリを受賞した日立マクセルのテレビCM「ずっとずっと。新留小学校/3人の思い出/最後の授業/最後の日」(過疎・少子化のため休校を目前に控えた小学校の、最後の7日間をドキュメンタリーで描いた作品)などは、広告ファンにとっては忘れられない、印象深い作品なのではないでしょうか。最近の仕事としては、大阪ガスの企業広告「さすガっス!」「ガ、スマート!」が挙げられます。
大阪ガスのテレビCMはこちらからも見られます。
――コピーが浮かぶのは、どんなシーンでしょうか?
サトーさん 天井が高く、周りの会話が気にならないカフェです。
――コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?
サトーさん ペン、原稿用紙、そして開放感です。
――なるほど、それで天井が高いカフェなのですね!自由な発想を生むためには、自分が最もリラックスできる環境を見つけることも大切と言えそうです。最後に、コピーライターを目指す応募者の皆さんに、メッセージをいただけますでしょうか。
サトーさん やる以上は、全力でやると運気が上がるといいます。書く以上は、全力で書きましょう。書いたら読んでみて、ジブンの心が動くか確認しましょう。書いたキミが感動できないものに、他人は感動できないから。
――自分が書いたコピーを、一歩引いたところから客観視してみる。その時、素直に感動できるコピーが、他の人の心を動かす力を持っているのですね。応募締切まで残り20日。皆さんもそろそろ、自分が書いたコピーをあらためて見直す時期に入っているのでしょうか?
次回は、電通の石田文子さんへのインタビューを紹介します。宣伝会議賞に応募していた頃、受賞経験を通して得た気づきについても伺いました。ご期待ください。
サトー克也(ダイコク/クリエイティブディレクター)
大塚食品 クリスタルガイザー「ここ、シャスタの山から」、コスモ石油「今だからこそ、今まで以上に」、大阪ガス「さすガっス!」「ガ、スマート!」、JA共済「みんなで助け合う」、三井不動産「和が街、和が故郷」、読売新聞 編集手帳、デンソー 企業広告、日立マクセル「ずっとずっと」シリーズなどを担当。ACC、カンヌほか多数受賞。
【宣伝会議賞1分アドバイス バックナンバー】
- 篠原 誠さん「プロもみんな、格闘してコピーを生み出している」
- 岡田直也さん「コピーライターは、日本語のプロフェッショナルであるべき」
- 下東史明さん「コピーが浮かぶのは、サウナで汗を見つめる瞬間」
- 國武秀典さん「細かい部分にこだわりすぎず、潔く、新しい視点を発見する」
- 左俊幸さん「今は、コピーの『型』にとらわれず、好きに書くしかない」
- 笠原千昌さん「最高の1本にたどり着く努力を怠らない!」
- 森田直樹さん「コピーライターは“言葉守”になるべき」
- 赤城廣治さん「今の時代に求められるコピーライターとは、独自の『いいね!』を押せる人」
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。