【ソーシャルメディア活用(18)ミニストップ】「ニコニコ動画、最初はちょっと怖かった(笑)」

今回は「ミミップくん」といったプロモーションキャラクターを活用して、ミニストップのソーシャルメディアを運用しているSNS・ニュービジネス部の鈴木昭さんに、ソーシャルメディアの取り組みについて聞きました。

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ミニストップのキャラクター「ミミップくん」

仮に炎上しても、真摯に対応すれば解決できる

――ソーシャルメディアを始められたきっかけを教えてください。

鈴木 2011年4月17日からツイッターの利用を開始しました。

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ミニストップのツイッターアカウント

それまでお客さまとのコミュニケーションはメルマガ会員(クーポンなどを取得できるミニストップお得なケータイサイト会員)を集め、メールマガジンを発行する取り組みをしていたのですが、一方通行のコミュニケーションでした。SNSはお客さまとの双方向のコミュニケーションが図れるため、商品開発に生かせると気付いたことがきっかけでした。

――ツイッターを始める際に社内から反対などはありませんでしたか。

鈴木 特に反対はなかったですね。すぐにやろうという話になりました。「炎上したらどうするの?」というような話が全くでなかったわけではないですが、そもそも我々は日頃からお客さまと向き合うサービス業を行っているわけなので、ソーシャルメディア上での振る舞いも、実際の現場でもお客さまと向き合う姿勢と同じであると考えていました。
仮に炎上したとしても、真摯に対応すれば解決できると思っていましたね。

――コミュニケーションによる商品化はされましたか。
鈴木 今年6月にツイッターで商品フレーバーを募集したところ、数千にも及ぶアイデアが寄せられ、11月後半に商品化が決定しました。今後もお客さまを巻き込んだソーシャルメディアを展開していきたいです。

――現在は複数のソーシャルメディアを活用されていますが、ツイッターの次に始めたのは?

鈴木 2011年の6月10日にフェイスブックを始めました。

――ツイッターと比較的近いタイミングで開始したのですね。

鈴木 フェイスブックが日本でチェックインクーポンを開始するタイミングでフェイスブックページの運用を開始しました。SNSに不慣れな私でしたが、ツイッターに慣れ始めた頃でしたので、ちょうど良いタイミングでした。チェックインクーポンを活用して店舗への誘引が図れたので、とても有効な手段だと感じました。

ソーシャルメディアからWebサイトへの流入が効果指標の一つ

――ユーチューブやニコニコ動画などの動画系のソーシャルメディアも活用されていますね。

鈴木 ユーチューブやニコニコ動画は、どうしても写真やテキストだけだと伝えづらいコンテンツの良さを知ってもらうために活用しています。コーヒーの買い方などもお客さまは知らないですからね。

ミニストップにはミミップくんというキャラクターがいますが、そのキャラクターが登場する動画が人気ですね。その中でも、くまモン(=熊本県のキャラクター)とミミップくんがコラボレーションした動画が非常に人気です。キャラクターの特性を生かして、キャンペーンを上手くアピールできていると感じています。

――ニコニコ動画は怖くなかったですか。

鈴木 正直、最初はちょっと怖かったですね(笑)。でも、実際利用してみると特に困るようなコメントもなく、他のソーシャルメディアと同じように活用しています。

――ミミップくんというキャラクターを使ってのソーシャルメディア運用のメリットなどはありますか。

鈴木 ミミップくんは社名の由来である「近くの街角にあり、ちょっと立ち寄れるところ」に着目した「ちょっとひとやすみ」をコンセプトに生まれたゆるキャラクターです。ソーシャル上でのコミュニケーションにおいて「癒された」「元気が出た」といったコメントをたくさんいただいていることが、最大のメリットだと考えています。

――メディアごとの使い分けや、発信する情報で意識していることはありますか。

鈴木 ツイッター、フェイスブックは毎日更新しています。実はこまめに返信しているのはツイッターのみです。他でももっとコミュニケーションを図りたいのですが、なかなか難しいのが現状です。mixi、Google+、GREEに関しては週1回以上のコミュニケーションを継続しています。

GREEに関しては投稿数が多いと、ユーザーの反応があまり良くない傾向がありますので、つぶやく形から日記の形での投稿に変更しました。投稿自体は週一回ですが、その一回の投稿にボリューム感を出すようにし、写真なども活用した投稿をするように変更しました。また、気をつけている点として、投稿する文面はそれほど長くならないようにしています。ソーシャルメディアからWebサイトへの流入を効果指標の一つとしてみておりますので、長文を投稿するのではなく、ある程度説明したあとは、Webサイトへのリンクを張り、そちらのサイトで見てもらえるように誘導するようにしています。

ソーシャルメディアとモバイルの相性は非常に良い

――これだけ複数のソーシャルメディアを利用していると、投稿するネタに困ることはないですか。

鈴木 私が社内を歩きまわってネタを探しています(笑)。MD(マーチャンダイザー)にヒアリングすると色々なネタが出てきますね。

最近では、運営しているソーシャルメディアの存在感が徐々に出てきたので、MDの方たちから「この商品をフェイスブックで紹介してくれ」と頼まれるような流れもできてきました。

――すでにメール会員がたくさんいると思うのですが、既存の会員の方と、ソーシャルメディア上のファンとの連携などは考えていますか。

鈴木 現在、約130万人ほどのメルマガ会員がいる状況です。まずは、その会員さんたちに自社の運営しているソーシャルメディアを知ってもらおうと思っています。

アカウントの告知はもちろんなのですが、ソーシャルメディアで実施するキャンペーンは、メルマガでも告知し、メルマガで実施するキャンペーンはソーシャルメディアでも告知するなど、相互流入を図っています。

実は、ツイッターを初めて、1カ月ぐらいした時にスマートフォンからのメルマガ会員登録数が増加するという結果が出たり、ソーシャルメディアとモバイルの相性は非常に良いと実感しています。

ですので、自社サイトへの流入や、会員獲得増加にソーシャルメディアをうまく活用できないかと試行錯誤しているところですね。

――今後利用してみたいソーシャルメディアなどはありますか。

鈴木 新しいソーシャルメディアは考えておりません。現在のファンとのコミュニケーションを深めていきたいと考えています。実際は運用リソースの問題もありまして、なかなか増やせないのが現状ですね。

新しいソーシャルメディアではないのですが、最近はミニストップ各店舗(加盟店)のフェイスブックページに力をいれています。

まだ、29店舗ぐらいなのですが、加盟店の地域密着型のソーシャルメディアアカウントをどんどん増やしていきたいと思っています。

店舗が自ら発信するコンテンツはリアリティーがあって面白い

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加盟店のフェイスブックページ

――加盟店のフェイスブックページはどのように運営されているのですか。

鈴木 こちらでガイドラインや、運用マニュアルなどを準備し、実際に加盟店自身で運用してもらっています。

とはいえ、最初はなかなか難しいので、まずはオーナーさん(ミニストップ店経営者)の個人アカウントで慣れてもらうことを優先しています(審査期間も設けています)。

加盟店のページは非常に面白いコンテンツがアップされてるんですよ。例えば、各店舗の販促物。非常に凝った、面白い販促物を作る加盟店さんが結構あります。そういったものって、実際に店舗に足を運ばないとお客さま自身が触れる機会はないんですよね。


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加盟店さんが制作した販促物

また、リアリティーある情報が発信されていますので本部からの発信よりも早く、正確にお客さまへ伝わります。

そういう各店舗の頑張りをソーシャルメディアを通してお客さまにも知ってもらい、お客さまに店舗に足を運んでもらうような流れが増えてくればいいなと思っています。一度店舗にを運んでもらえれば、ミニストップの良さは伝わると思っていますので。

――インタビュー雑感
お客さまとの一番のコンタクトポイントである各店舗が、地域密着型の情報を発信していくような流れを強化し、そのような活動を、本部が全面的に支援をしていくという取り組みは非常に共感できると思いました。(アジャイルメディア・ネットワーク)

インタビュー担当 AMN 高柳慶太郎

次回(11月19日)はベネッセコーポレーションです。

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高柳 慶太郎(アジャイルメディア・ネットワーク/マーケティング部マネージャー)
高柳 慶太郎(アジャイルメディア・ネットワーク/マーケティング部マネージャー)

2005年楽天株式会社入社。広告営業に従事した後、ADネットワーク事業の立ち上げなどを担当。2008年11月にアジャイルメディアネットワーク(AMN)に入社。営業部を経て、現在はマーケティング部にてAMNのマーケティング活動並びに新商品開発などを担当。

アジャイルメディア・ネットワーク(AMN):http://agilemedia.jp/
Facebook:http://www.facebook.com/keita600

高柳 慶太郎(アジャイルメディア・ネットワーク/マーケティング部マネージャー)

2005年楽天株式会社入社。広告営業に従事した後、ADネットワーク事業の立ち上げなどを担当。2008年11月にアジャイルメディアネットワーク(AMN)に入社。営業部を経て、現在はマーケティング部にてAMNのマーケティング活動並びに新商品開発などを担当。

アジャイルメディア・ネットワーク(AMN):http://agilemedia.jp/
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