コラム
元経済誌編集長の人生マルチステージ化計画~50代からのライフシフト
メディア業界一筋。雑誌・オンライン媒体ともに経験してきた50代の元経済誌編集長が2022年2月、革命的新素材を扱うスタートアップへジョインした。新天地は、石灰石を主原料とする「LIMEX」で知られるTBM。約30年にわたり企業の成長・停滞・没落のケースをいくつも取材してきた経験から、なぜベンチャーのものづくり企業を第二のキャリアのフィールドとして選んだのか。「ライフシフト」を決意させた企業のビジョンや成長軌道の裏側とともに、メディアと広報の関係の本当のところ、メディア経験者のキャリアのこと、そして広報・ブランド責任者としての奮闘の日々を綴ります。
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第12回
メディアも企業広報も「フェアであること」を忘れてはいけない
メディアは不偏不党・公平公正であるべきだといっても、あらゆる論点において書き手の価値判断は働く。その中で、既得権益側や抵抗勢力側の論理に乗っかるメディアがあるのは理解できる。既得権益側が巧みに誘導し「書かせる」こともあるだろうし、メディア側が率先して既得権者擁護ととれる主張をすることもあるのが現実だ。 -
第11回
広報責任者の懇親会で少々気まずい思いをした話
ダイヤモンド社を辞め、TBMに広報責任者として入社して約半年が経った。経済メディアの仕事を長くやってきたこともあり、企業広報の知り合いは多いが、その仕事内容については体系的に学んだわけではない。そこで、他企業の広報担当者と横のつながりを深めたいと考え、この春からある広報関連の団体に加入した。 -
第10回
会長93歳、顧問も95歳!50代の私が転職したベンチャーと戦後ソニーの共通点
30年以上に及ぶ経済記者の経験の中で、大企業からスタートアップまで数え切れないほどの企業を取材してきた。その中で、TBMに興味を持ったのはなぜか。どんなところに魅力を感じたのかと聞かれることが多い。 -
第9回
取材費で飲み食いしていた私が、会社帰りに日比谷図書館へ通う理由
TBMに入社して、つくづく反省させられたことがある。出版社時代、いかに自分は会社のお金を我が物顔で使ってきたかということだ。そのひとつが、飲食を伴う取材費である。 -
第8回
「破り捨てたいのに絶対に破れない馬券」というアイデアのカラクリ
先日、社内の若手社員に「スタートアップに入って驚いたことって何ですか」と聞かれ、「やっぱスピード感かな、何事も走りながら考えるって感じ?」と答えたところ、「走りながら考える」という表現にピンと来なかったのか、「ああ、深澤さん、マラソンされるんですもんね。走ってるときも考えてるんですね」と返され、笑ってしまった。 -
第7回
社員にとって最大の不幸は「企業理念に共感できない」会社に勤めること
【これまでのコラム】 ・創業108年の老舗出版社を「卒業」、10年目のスタートアップに「ジョイン」した ・50代半ばで出版社からベンチャーに転職し... -
第6回
スタートアップに飛び込んだ私は、60歳までに「100万人に1人」になれるか
TBMの同僚に、顔を見るたび、私の心をざわつかせる男がいる。わが子であってもおかしくないくらいの若い社員だ。彼が何かしたわけではない。非常に礼儀正しく、快活な好青年である。 -
第5回
「編集者のスキルは事業会社で活きるのか?」という、問いへの答え
「アレオレ詐欺」という言葉がある。特にクリエイティブの業界で、誰もが知る大きな仕事について「あれ、オレがやった」という手柄話をする者の大半は、往々にしてプロジェクトの末端に関わっただけという現象を指す。 -
第4回
メディアから企業広報に転じて3カ月「取材される側」となり思うこと
1960年代まで、新聞社の屋上には鳩小屋があって、そこで何百羽もの伝書鳩を飼っていた。メールどころかファクスもなかった時代、遠隔地から速報記事を送るときには、その伝書鳩が活躍したという。 -
第3回
50代半ばで出版社からベンチャーに転職した「ガソリンおじさん」の提供価値
真っ赤なマツダ・アテンザ。それが私の愛車である。いかにも広島出身者らしい、とよく言われるが、今回のテーマはそこではない。重要なのは、この車がディーゼル車であるという点だ。赤いマツダ車と広島の関連性にも、車のエンジンの種類にも興味ないという方のために一応説明すると、ディーゼルエンジンというのは軽油を燃料としている。通常のガソリンを入れても動かない。逆も然りで、ガソリン車に軽油を入れてはいけない。
ふかさわ・けん/広島県出身。株式会社TBMのブランド&コミュニケーションセンター長。1989年ダイヤモンド社入社。『週刊ダイヤモンド』でソフトウェア、流通・小売り、通信・IT業界などの担当記者を経て、2002年10月より副編集長。16年4月よりダイヤモンド・オンライン(DOL)編集長。17年4月よりDOL編集長との兼任で週刊ダイヤモンド編集長。19年4月よりサブスクリプション事業や論説委員などを経て、22年2月に新素材スタートアップのTBMに転じる。著書に『そごう 壊れた百貨店』『沸騰する中国』(いずれもダイヤモンド社刊・共著)など。趣味はマラソン。
ふかさわ・けん/広島県出身。株式会社TBMのブランド&コミュニケーションセンター長。1989年ダイヤモンド社入社。『週刊ダイヤモンド』でソフトウェア、流通・小売り、通信・IT業界などの担当記者を経て、2002年10月より副編集長。16年4月よりダイヤモンド・オンライン(DOL)編集長。17年4月よりDOL編集長との兼任で週刊ダイヤモンド編集長。19年4月よりサブスクリプション事業や論説委員などを経て、22年2月に新素材スタートアップのTBMに転じる。著書に『そごう 壊れた百貨店』『沸騰する中国』(いずれもダイヤモンド社刊・共著)など。趣味はマラソン。