コラム
いい広告をつくるための7つのこと
SNSが生み出した「1億総発信者」の時代。全員がつくり手であり送り手となった今、プロの発信者(広告や宣伝などのコミュニケーションに携わる人たち)は、何を軸に企画すればいいのでしょう?そして、毎日当たり前のように発している「クリエイティブ」「ブランド」「インパクト」…といったことば。それが本来、何を意味するのかを理解した上で、会議やプレゼンで使っているでしょうか。よく使い慣れた言葉でも、その本質が分かっていなければ、本来の力を発揮しようがありません。時には見当違いの方向に行ってしまうこともあるかもしれません。広告の現場の最前線を歩いてきた著者は、コミュニケーションを極める方法として「日頃使っている言葉に対する理解を深めること。そして、チーム内でその言葉に対する共通認識を持つこと」が、「いい広告」を生み出すプロの集団には不可欠な条件であると考えます。<br> 本コラムでは、著者が広告の現場で培ってきた経験から、「コミュニケーションの基礎」や考えの起点となる「ことばの意味」など、いい広告をつくるための「7つのこと」として解説します。
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第8回
第7話:本当にいい広告をつくるには?
「人類最大の武器」を利用しましょう。物騒なものではなく、そもそも人間に備わっている能力であり、生存競争に勝ち残った一番の理由です。言葉を持ったこと、知恵を付けたこと…突き詰めると、「伝える力」だと思います。言葉だけではなく、手振りや身振り、視線や仕草で互いの気持ちを伝え合う能力のことを指しています。この「伝える力」を最大限に利用するためには、この力の本質を見極めなければなりません。 -
第7回
第6話:アートとビジュアルの違いは?
「広告はアートじゃない。」―――クライアントがビジュアルに納得していなかったり、クリエイターが言い訳をするときに登場する決まり文句です。アートディレクターがつくるビジュアルとアーティストのつくるアート、その違いはどこにあるのでしょう。決してクライアントの意向や予算の有無だけではないはずです。 -
第6回
第5話:ビジュアルとコピーの関係は?
飛行機と広告は、コンビの発明物です。広告づくりは、アートディレクターとコピーライターの共同作業。この2人さえいれば、どんなに大きな世界的キャンペーンでも実現できます。 -
第5回
第4話:インパクトって何?
この仕事には、ギャグになるほどカタカナが登場します。ターゲット、ローンチ、ストラテジー、ゲリラアド...しかも戦争ジャーゴン(Jargon:専門用語)ばかりでうんざりします。おそらく市場や生活者を奪い合う経済戦争の中枢機能を担っているせいかもしれません。 -
第4回
第3話:ブランドって何?
「ブランドはメーカー(送り手)がつくるものではなく、コンシューマー(受け手)の頭の中につくられるもの。」と、よく耳にします。この定義は、ブランディングの難しさ、送り手の思い通りにならないもどかしさの一面を捉えています。もちろん、第1話でお伝えしたようにブランディングの目的は、売る前に「好き」をつくることです。 -
第2回
第1話:いい広告とは?
SNSが生み出したのは、1億総発信者。マス時代には区別できた送り手と受け手が、今やすべての人がつくり手であり送り手側です。そんな中、プロの送り手(例えば広告や宣伝に携わる人たち)は、どんな技量をどの領域で発揮すればいいのでしょう? UXやCXという新しいスタイルを取り入れたり、各フルファネルに対応するためデータ・テクノロジーとの融合を進めたり…。 -
第1回
電通・内田しんじさんのコラム「いい広告をつくるための7つのこと」が始まります
5月より、DENTSU ONE CHINA(広州)のECD 内田しんじさんのコラム「いい広告をつくるための7つのこと」が始まります。
うちだ・しんじ/大学在学中よりコピーライター@プロダクション(1984-89)からスタートし、DY&R(1989-’99)→TBWA/JAPAN(1999-’04)ECDを経て電通へ。現在、DENTSU ONE@広州(2020-)。外資系と電通でほぼ半々(約15年ずつ)のキャリア。3つの代理店で3つのクルマ(VOLVO→NISSAN→Honda)を担当。ウイスキーやコニャックを担当するも下戸。1988年度TCC新人賞(講談社)、1994年カンヌシルバー(スーパーニッカ)、2000年朝日広告大賞(アップルコンピュータG3)、2003年カンヌファイナル(フリスク)、2004年アドフェストブロンズ(NISSANカウゾー)、2011年ギャラクシー賞(AC公共広告機構)、2013年ACC+ADCグランプリ(Honda負けるもんか)、2018年中国国際広告賞ゴールド(Acura China)など受賞多数。2013年全広連広告大学・夏期セミナー講師。
うちだ・しんじ/大学在学中よりコピーライター@プロダクション(1984-89)からスタートし、DY&R(1989-’99)→TBWA/JAPAN(1999-’04)ECDを経て電通へ。現在、DENTSU ONE@広州(2020-)。外資系と電通でほぼ半々(約15年ずつ)のキャリア。3つの代理店で3つのクルマ(VOLVO→NISSAN→Honda)を担当。ウイスキーやコニャックを担当するも下戸。1988年度TCC新人賞(講談社)、1994年カンヌシルバー(スーパーニッカ)、2000年朝日広告大賞(アップルコンピュータG3)、2003年カンヌファイナル(フリスク)、2004年アドフェストブロンズ(NISSANカウゾー)、2011年ギャラクシー賞(AC公共広告機構)、2013年ACC+ADCグランプリ(Honda負けるもんか)、2018年中国国際広告賞ゴールド(Acura China)など受賞多数。2013年全広連広告大学・夏期セミナー講師。